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「インサイド・デジタリィ」はゲーム好きの方に共感していただけると思います
── 2曲目の「インサイド・デジタリィ」は、エイルさんが作詞、篤志さん作曲・編曲を手がけたアップテンポなナンバーです。この曲もツアーで披露されていますね。ライブで歌ってみて、いかがでしたか? 藍井 BPMが速くて、オシャレかっこいい感じの曲だったので、みんな本当に初めて聴くはずなのに、すごく盛り上がってくれました。
── どのようなイメージで歌詞を書いたのでしょうか? 藍井 デジタルに囲まれた中に引きこもっている主人公を描いて、「インサイド・デジタリィ」というタイトルにしました。私は休みの日は基本的に家でずっとゲームをしているので、私自身について書いた曲でもあるんですけど、デジタルに囲まれて生きているという意味では、みんなも同じなんじゃないかなと思って。共感してくれる人と、そうじゃない人にわかれると思うんですけど(笑)。
── わかる人には、すごく刺さる曲になっているのではないかと思います。 藍井 そうだとうれしいですね。私は子どもの頃はアウトドアなタイプだったのに、急にインドアになって。そんな自分だからこそ書けた歌詞だなと思います。
── インドアな自分を肯定しつつ、少しは外に出ないといけないのかなと思っている歌詞、と解釈できる部分もありますが、いかがですか? 藍井 私自身は、少しは外に出ないといけないのかなと思っている部分もあるんですけど、この歌詞は、私のオンラインゲーム上の友だちから聞いた「リアルで会うのはイヤなんだよね」とか「画面越しくらいの距離感がちょうどいいんだよね」という言葉に刺激を受けて、そこからイメージを広げていったんです。だから、ちょっとひねくれた主人公なんですね。
── 今のお友だちの言葉が、そのまま歌詞になっている部分がありますね。 藍井 はい(笑)。「暗い部屋の方が画面が見やすくて エイムがキマるから」とか、私自身の体験を書いた部分もあります。
── すみません、ゲームに詳しくないので、「エイム」ってなんですか? 藍井 シューティングの照準のことです。画面が見えにくいと、昼間でもカーテンをガッと閉めることがよくあって(笑)。この歌詞には、「ゲーム」という言葉はあえて一度も使ってないんです。その代わり、ゲームを感じさせる言葉を散りばめているんですけど、その中でも「エイム」という言葉があるかないかで、歌詞のイメージは大きく変わるような気がするんです。それくらい私にとってははっきりしたイメージがある言葉だったんですけど、作詞の篤志さんにも「エイムって何?」って尋ねられて、「そうか、世の中には『エイム』の意味がわからない人もいるんだ」って思いました(笑)。
── ゲーマーなら、すぐにピンと来るわけですね。 藍井 マネージャーも知らなくて、ゲームをしない人にもわかる言葉で書いたつもりだったんですけど、そうじゃなかったみたいです(笑)。
── さすがです(笑)。でも曲自体すごくかっこいいので、聴いていて楽しかったです。 藍井 イントロからして、かっこいいですよね。メロディが細かいので、音符に言葉をはめていくのは難しかったんですけど、自分の身近なことを歌詞にしたので、1日で一気に書き上げることができました。
── 3曲目は「Story」です。この曲は、どんな曲ですか? 藍井 ピコさんの曲のカバーです。今回はデビュー曲「MEMORIA」以来8年ぶりの「Fate」シリーズの曲で、自分の原点を見つめるシングルになったので、デビュー前の自分の原点となった「Story」をもう一度歌いたいなと思いました。
── 以前にもカバーしたことがあったということですね。 藍井 デビュー前に動画サイトに「Story」を歌って投稿していたんです。9年前のことで、プロになる夢を諦めようとしていた時期でした。看護師になるために学校に通いながら、趣味として「歌ってみた」を投稿したりしていこうと思っていたんですけど、「Story」を投稿したのがきっかけでレーベルから声がかかって、そこから藍井エイルが始まっていったんです。だから、今こうして私が歌っていられるのはピコさんの曲のおかげなんですね。その感謝の気持ちをこめて、今回、カバーさせていただきました。
── デビューの直接のきっかけになった曲だったんですね。 藍井 そうです。ご本人にも挨拶をさせていただく機会が何年か前にあって、ピコさんのおかげでデビューすることができました、と直接お伝えすることができました。今回のカバーは原曲のキーを変えずに歌っているので、私にとってはかなり高くて。このキーで男性が歌っているのだから、ピコさんは本当にすごい人だなと、改めて思いました。
── 今回のカバーは、重永亮介さんがアレンジを担当しています。 藍井 原曲に忠実でアレンジしていただけたので、9年前を思い出しながらレコーディングできました。録り終わった後に、ピコさんの原曲と私が9年前に歌ったものと今回の3曲を聴き比べてみて、ずいぶん長い時間が経ったんだなってしみじみしつつ、少しは私も成長できたのかなと思いました。
── 9年前の自分の歌を聴いてみて、いかがでしたか? 藍井 「鼻腔共鳴」ができてないなって思いました(笑)。
── プロとして鍛えてきた年月が、2曲の差になっているということですね。