【インタビュー】ニューシングル「星が降るユメ」と、2019年の藍井エイル

2019年12月08日 12:000

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私の歌詞には、「月」や「星」が使われがちなんです(笑)


── 新曲の「星が降るユメ」もツアーで披露されたんですよね。どの会場もCDリリース前の歌唱という形になりましたが、いかがでしたか?

藍井 ライブで歌って、改めて難しい曲だなと思いました。メロディがかなり複雑に動くんです。少し前に作曲のTAMATE BOXさんと対談する機会があったので、直接、「難しいよ」って伝えました(笑)。

── TAMATE BOXさんとは親しい友人関係だそうですね。

藍井 5年くらい前からの友だちです。いつか一緒に仕事ができたらいいねと言っていたところから始まり、今年4月にリリースしたアルバム「FRAGMENT」に参加してもらって(「螺旋世界」の作詞・作曲・編曲)、今回に至りました。

── ということは、「星が降るユメ」はTAMATE BOXさんに依頼してできた曲だったんですか?

藍井 いえ、コンペでした。TAMATE BOXさんの曲がアニメ製作サイドのみなさんや私のスタッフなど、たくさんの人の心に刺さって選ばれたんです。

── ドラマチックな、いい曲ですからね。

藍井 デモの段階ではリズムがもう少し前に出ていて、ストリングスは入ってなかったんですけど、TAMATE BOXさんと三谷秀甫さんのアレンジによって、弦がかなり壮大に入って、また印象が変わりました。結果的に、「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」の世界に似合うアレンジになったんじゃないかなと思っています。それから、藍井エイルが歌うということも意識してアレンジしてくださったように感じました。

── それは、どういうことですか?

藍井 私のデビュー曲「MEMORIA」も「Fate」シリーズの曲で、ストリングスがふんだんに使われていたんです。TAMATE BOXさんはもしかして「MEMORIA」を参考してくださったのかなと思いました。

── ほかにアレンジで好きなところはありますか?

藍井 異国情緒があるリズムが好きですね。ストリングスが入ったとは言え、リズムは立っていて、藍井エイルの曲の中では珍しいタイプの曲になりました。

── 作詞はエイルさん(Eir名義)です。いかがでしたか?

藍井 生きている中でいくつもの分かれ道があると思うんですけど、自分が選んだ道はきっと間違いないはずということと、その選んだ道の中で大切な人と出会い、大切なことに気づいていくということをテーマに書いていきました。大切な人と1対1で向かい合うような距離感の歌詞になったと思います。

── キャラクターのギルガメッシュとエルキドゥをイメージして書いた部分もあったというふうにうかがってます。

藍井 そうですね。古典の「ギルガメシュ叙事詩」を調べたりもして。でも、作品に寄りすぎてしまうと、歌詞から普遍性がなくなってしまうので、作品を意識しつつ、多くの人に聴いてもらえるようなバランスで書いていこうと思いました。たとえば、2コーラス目に「泥だらけのあの儚い君が 不器用にも生きていく」という歌詞はエルキドゥのことを表現しながら、誰もが幼い頃は泥だらけで遊んだ子どもだったのに、いつしか自分の道を選んで、不器用にも生きていくという姿をイメージして書いた部分です。

── 作品をイメージして聴くこともできるし、作品から離れて聴くこともできるということですね。タイトルの「星が降るユメ」は、どういうイメージで付けたんですか?

藍井 最初は「ストーリー」という言葉を使おうと思ったんです。歌詞のテーマが「出会いと別れ」だったり、「生きていく中で出会う大切なもの」だったので、それをすべて含めて「ストーリー」という言葉で表現しようと。でも、ちょっと普通過ぎるので、もう少し情緒を乗せたいなと思って。自分が選んだ道の先に輝いているものということで「星」を、「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」とリンクする言葉として「ユメ」を使おうと思いました。

── 前のシングルが「月を追う真夜中」だったので、「月」と「星」で対応しているようにも思いました。

藍井 復帰後のシングルは「流星」「アイリス」「月を追う真夜中」と、星、花、月と来て、また星に戻ったので、次はこのループから脱却しないといけないなって思ってます(笑)。でも、「月」や「星」は歌詞の中でもよく使う言葉で、私にとって空に光輝くもののイメージは、「太陽」よりも「月」や「星」なんです。

── エイルさんらしいタイトルに、今回もなっているということですね。「月を追う真夜中」のインタビューのときに、今までになかった長いタイトルを付けてみたとおっしゃっていましたが、その流れも受け継いでいて、2019年の2枚のシングルは、ペアになっているようにも感じました。

藍井 そういうふうに、いろいろ想像していただけるのはうれしいです。

── ボーカルのレコーディングは、TAMATE BOXさんのディレクションだったそうですね。

藍井 はい。私は普段はわりとせっかちなんですけど、レコーディングはのんびりしたペースでやりたいタイプなんです。TAMATE BOXさんはレコーディングのときもせっかちで、私がだらだらコーヒーを飲んでいたら、「はい、もうそろそろやるよ!」とせきたてられて、「ちょっと待って。この1杯を飲んでからにしてもらっていいですか」って(笑)。

── 友人同士っぽいですね(笑)。

藍井 でも、ディレクションは的確でしたし、TAMATE BOXさんも歌を歌う人なので、「たとえば、こういう表現はどう?」と歌って指示してくれたのが、わかりやすかったです。ディレクションのときの言葉も、「ここは闇落ちしているように」とか私にとってはすごくイメージがつかみやすくて、性格的に合うディレクターだったなと思います。

── 今のお話を聞くだけでも、うまくキャッチボールできた感が伝わってきました。

藍井 でも、仕事のペースだけは違うので、「早くやるよ」とか「もう少し待って」とか言い合いつつ、お互いがやりたいようにやるという(笑)。5年来の友だちなので、どうしても素になっちゃいますよね。

── 初回生産限定盤のDVDには、「星が降るユメ」のミュージックビデオ(MV)が収録されています。撮影はいかがでしたか?

藍井 美術スタッフが1日かけて、部屋の中に小さな森を作ってくれました。その出来がまたすごくて。星を歌った曲なので、お昼からだんだん夜になっていく時間の経過を表現したMVになりました。LEDのライトが星をイメージさせて、美しい映像に仕上がったと思います。


── 秋らしい映像だと思いました。

藍井 そうですね、森が紅葉している感じがあって。衣装も秋らしいものになってます。

── 衣装は何パターンかありましたが、とてもフェミニンで。

藍井 昼間のシーンのグレイの衣装のほうは、実は予定していたものではないんです。念のために持ってきたほうがセットに合っていて、急遽、そちらを着ることになりました。

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Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-

Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-

放送日: 2019年10月5日   制作会社: CloverWorks
キャスト: 島﨑信長、高橋李依、川澄綾子、鈴村健一、坂本真綾、関智一
(C) TYPE-MOON / FGO7 ANIME PROJECT

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