【インタビュー】デジタルサウンドを積極的に取り入れた2曲。SawanoHiroyuki[nZk]の未来を示すニューシングル「Tranquility/Trollz」

2019年10月02日 12:000

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これからも信頼するボーカリストと一緒に作っていきたい、という意思表明ができたらなという思いもあります


── さらに4曲目として、「Binary Star_moll」が収録されています。

澤野 「Tranquility」がタイトル曲になったシングルということで、「銀英伝」繋がりで「Binary Star」の別バージョンを収録しました。オリジナルとは印象ががらりと変わった曲にしたくて、リズムを全部取って、チェロとピアノとストリングスで構成できればいいかなと。タイトルに加えられた「moll」というのは、音楽にはメジャー(長調)とマイナー(短調)がありますが、ドイツ語でマイナーという意味なんです。サビが明るく広がる感じだった原曲を、今回はコードを思いっきり変えて暗く悲しい感じにしました。

── しっとりとして、かなり印象が変わりました。

澤野 面白い形になったなと、自分でも思いました。ボーカルは原曲のままでオケだけを録り直したんですが、かなりイメージが変わったと思います。ボーカルも、前よりもリバーブのかけ方を弱くしたりして、声が少し生っぽく聞こえるようにしました。ピアノは僕が弾いているんですが、チェロの演奏者には、コード譜を渡して「ここにこんな感じの音を入れてほしい」と伝えただけで、自由にフレーズを弾いてもらったんです。それがいいアクセントになりました。

── 今回、ジャケットのデザインも今までとは違いますね。

澤野 ダブルA面ということで、ジャケットも2つの要素があるデザインにしていただきました。「Tranquility」はバラードで、「Trollz」はパワフルなロックになったので、その色の違いをジャケットでも表現できたらいいなと。さらに、「R∃/MEMBER」というアルバムを越えての最初のシングルということで、今までのシングルのデザインとは、イメージを大きく変えて、カジュアルな感じにしていただきました。今後の[nZk]の表現のひとつとして、こういう方向性もありだと思っています。

── 「R∃/MEMBER」を越えたシングルという位置付けが大事だったわけですね。

澤野 「R∃/MEMBER」というアルバムはいろいろなアーティストとのコラボを主体としたアルバムだったので、自分にとって刺激になりましたし、いい形で制作ができたと思っています。もちろん機会があればコラボもやっていきたいんですが、[nZk]はこれからも変わらずに、僕が作りたいサウンドを信頼するボーカリストとともに作っていきたい、という意思表明の1枚になればなという思いもあります。「Tranquility」はAnlyさんとの初めてのコラボになったんですけど、「Trollz」は以前から信頼しているLacoさんに参加してもらったことによって、これからの[nZk]のいろいろな可能性を、リスナーの方に感じ取っていただけるのではないかと思います。

── Anlyさんとも、今後の展開があり得るということですか?

澤野 やってみたいですね。Anlyさんに断られない限りは(笑)。

── 今回、ミュージックビデオ(MV)は「Tranquility」と「Trollz」の2曲とも制作されていますね。

澤野 まず考えたのは、2本とも宇宙的なイメージからは離れた映像にしたいなと。2曲とも箱の中に人が入っているという同じセットを使っているんです。「Tranquility」のほうは、僕とAnlyさんと子どもの役者さんが2人、男の子と女の子が出ているMVになりました。子どもたちは基本的に箱の中で静止していて、その横でAnlyさんが歌うという感じです。「Trollz」は、Lacoさんに加え、ライブのバンドメンバーと一緒にラフな感じで撮りました。どちらも、[nZk]のMVとしては新機軸の作品になったと思います。

── 11月末から12月頭には、ビルボードライブ大阪、東京でのライブが予定されています。

澤野 毎日2部構成で合わせて3日やるので、計6回のライブで、いずれも3人のボーカリストに参加していただきます。時期的にはちょっと早いですが、会場がビルボードということもあって、クリスマスライブ的な見せ方にできればいいなと。一昨年、「Christmas Scene」という曲を作ったんですが、ライブで演奏する機会がなかったので、その曲を織り交ぜたセットリストにする予定です。東京は11月30日と12月1日の2DAYSで、都内のライトアップも始まっている頃なので、よりクリスマス気分を味わっていただけるんじゃないかなと思います。


澤野弘之(さわのひろゆき)プロフィール


1980年生まれ。東京都出身。
ドラマ、アニメ、映画などの劇伴を中心に活躍する作曲家。2014年から、ボーカルプロジェクト、SawanoHiroyuki[nZk]をスタート。mizuki(UNIDOTS)、Gemie、Aimer, Yosh(Survive Said The Prophet)などさまざまなボーカリストをフィーチャーし、楽曲を発表している。2019年3月6日には、SUGIZO、岡野昭仁(ポルノグラフィティ)、スキマスイッチら多彩なゲストを迎えての3rdアルバム「R∃/MEMBER(リメンバー)」をリリースした。


CDデータ

■「Tranquility / Trollz」

初回生産限定盤CD+DVD  1,500円(税別)

レーベル:SACRA MUSIC/2019年10月2日発売


〈収録曲〉
1.Tranquility/SawanoHiroyuki[nZk]:Anly
2.Trollz/SawanoHiroyuki[nZk]:Laco
3.Felidae/SawanoHiroyuki[nZk]:Gemie&Tielle
4.Binary Star_moll/SawanoHiroyuki[nZk]:Uru
5.Tranquility (instrumental)
6.Trollz (instrumental)

〈DVD〉
1.Tranquility MUSIC VIDEO


通常盤CD  1,250円(税別)

レーベル:SACRA MUSIC/2019年10月2日発売


〈収録曲〉
1.Tranquility
2.Trollz
3.Felidae
4.Binary Star_moll


期間生産限定盤(銀河英雄伝説盤) CD+DVD 1,500円(税別)

※描きおろしイラスト・デジパックCDジャケット/2020年2月末までの期間限定生産

レーベル:SACRA MUSIC/2019年10月2日発売


〈収録曲〉
1.Tranquility
2.Trollz
3.Felidae
4.Binary Star_moll
5.Tranquility (Anime size)

〈DVD〉
1.「銀河英雄伝説 Die Neue These」(セカンドシーズン) ノンクレジットエンディングムービー[ヤンEND ver.]
2.「銀河英雄伝説 Die Neue These」(セカンドシーズン) ノンクレジットエンディングムービー[ラインハルトEND ver.]




インフォメーション


■SawanoHiroyuki Billboard Live 2019

11月17日(日)大阪府 Billboard Live OSAKA
[1st] 開場 15:30 / 開演 16:30
[2nd] 開場 18:30 / 開演 19:30

11月30日(土)東京都 Billboard Live TOKYO
[1st] 開場 15:30 / 開演 16:30
[2nd] 開場 18:30 / 開演 19:30

12月1日(日)東京都 Billboard Live TOKYO
[1st] 開場 15:30 / 開演 16:30
[2nd] 開場 18:30 / 開演 19:30

※詳しくはオフィシャルサイトまで


(取材・文/鈴木隆詩)
(C) 田中芳樹/松竹・Production I.G

画像一覧

  • (C) 田中芳樹/松竹・Production I.G

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銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第一章

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上映開始日: 2019年9月27日   制作会社: プロダクションI.G
キャスト: 宮野真守、鈴村健一、梅原裕一郎、梶裕貴、諏訪部順一、小野大輔、中村悠一、川島得愛、遠藤綾、三木眞一郎、鈴木達央、石川界人、花澤香菜、古谷徹、二又一成、下山吉光
(C) 田中芳樹/松竹・Production I.G

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