【インタビュー】宇宙の広がりを感じさせる、安月名莉子のニューシングル「Glow at the Velocity of Light」

2019年08月21日 19:000

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「たたくおと」は、レコーディングでも私がギターを弾きました


── カップリング曲「たたくおと」は、タナカ零さんの作詞・作曲・編曲です。

安月名 タナカさんが私のイメージで作ってくださった楽曲です。最初はメロディだけ聴かせていただいたんですけど、すごく不思議な感じで、ぽかーんとなっちゃって(笑)。でも歌詞ができ上がってきたら、現実的な世界が描かれていて、私自身の思いと重ねて聴くことができました。「物語のセンターを飾った主人公」に憧れつつ、そんな存在にはなれなかったのが、この曲の主人公なんです。私も表現をする立場として、主役を目指して活動してきましたが、なかなかなることができなくて、共感できるなあと。とにかく、歌詞が心に沁みました。

── 「たたくおと」はストーリー性のある歌詞で、少し前の自分を振り返っているような内容ですよね。

安月名 そうですね。過去の自分をふと振り返ると青春の風景の1つひとつが心の中に甦ってきて、それを大切にしながら、「今この場所で僕なりの主役に」なって、未来に進んでいこうという曲です。後半になるにつれて、どんどん前向きな気持ちが膨らんでいくので、聴き終わったときに希望を感じていただける楽曲になったんじゃないかなと思います。

── タナカ零さんは「Glow at the Velocity of Light」の作詞を担当し、カップリングでは詞曲の両方を手がけられていて大活躍ですね。公式にはプロフィール不明ということになっているんですが、どういう方なんですか?

安月名 すごく素敵な方です。とつとつと、ひと言ひと言を大事にしてお話しされるんですが、逆に頭の中ではいろいろな思考が同時にたくさん生まれて、渦巻いているんだろうなって思いました。

── 安月名さんのイメージで作っていただいた曲ということでしたが、制作前にタナカさんとお話しする機会があったんですか?

安月名 いえ、お目にかかる機会はなくて、私の内面を想像して、フィクションとしての歌詞を作ってくださいました。私はいつも、自分が周りにどういうふうに見えているのか、客観的な視点を大事にしたいと思っているので、タナカさんはこんなふうに感じてくださったんだと、考えさせられる部分が多かったです。それに、ずっとシンガーソングライターとして自分の思いをストレートに曲にしてきたので、今回のように、ほかのクリエーターの方から見た私のイメージが自分の曲になったのは、すごくうれしいです。

── 「ひとり残った中央線イエロー」というのが歌い出しの歌詞ですが、中央線沿線に住んでいるというわけではないですよね?

安月名 埼玉です(笑)。でも、電車で大学に通っていた頃の自分を思い出しました。ほかにも学生の日常を描いた部分が多くて、音楽で夢をかなえたいという夢をいだいて大学に通っていた頃の私の気持ちが、そのまま書かれているような気がしました。

── 夢に向かってもがいている時期がテーマになっている曲ですよね。

安月名 自分で自分に言い聞かせているような歌詞です。こういう詞を自分の曲として歌ったことは今までなかったので、歌えば歌うほど心に沁みますし、ボーカルもエモーショナルになっていきました。

── 出だしのインパクトが強いんですよね。エレキギターのつまびく音をバックに、言葉を叩きつけるようなボーカルで。

安月名 まるで朗読劇みたいな。ああいう歌い方は初めて挑戦しました。シンプルなサウンドから徐々にバックの音が重なって、ボーカルの感情も重なっていくのが聴きどころです。歌詞にはリピートされる部分が一切なくて、物語みたいなので、ぜひ歌詞カードを見ながら聴いていただきたいです。


── SF感、宇宙感のある「Glow at the Velocity of Light」と、現実に生きる安月名さんのような若者の姿を描いた「たたくおと」という対称的な2曲で、今回も聴きごたえのあるシングルになったと思います。まもなく9月になりますが、この秋の活動で決まっていることはありますか?

安月名 今年3月に、ギターメーカーのコールクラークさんの提供でライブ&トークショーをやらせていただいたんですけど、秋には私のオリジナルモデルが、コールクラークさんから発売になります。デザインも自分で考えさせていただいたので、言葉にならないくらいうれしいです。ギターは大好きなので、これからもたくさん、みなさんの前で弾いている姿を披露できたらいいなと思っています。今回のシングルも、カップリングの「たたくおと」のほうは、レコーディングで私がギターを弾かせていただきました。

── それはすごいです。

安月名 がんばりました! サウンド的にはシンプルに聞こえるかもしれないんですけど、普通のコードではないので、押さえるポジションが難しかったんです。その分、おしゃれなサウンドになりましたし、録り終えたときは達成感で心が満たされました。

── ギタリストとしても成長できたレコーディングだったということですね。

安月名 弾いているだけでも勉強になるんですけど、コードを分析することで理解できることはたくさんあって。ほかのアーティストさんのアニソンをカバーさせていただくときも、それが一番楽しいんです。このコードからこっちに行くんだ、みたいな驚きがあって。

── ボーカリストとしては、どんなときが一番楽しいですか?

安月名 私の歌がみなさんに届いて、感想を言ったり書いたりしていただける瞬間ですね。「Glow at the Velocity of Light」はアニメが放送中ですし、YouTubeにMVがアップされているので、すでにみなさんに聴いていただいているですけど、「たたくおと」はCDが初めてとなるのでドキドキしています。私にとっては、いつかこんな曲を自分でも書いてみたいと思えた曲で、メロディも歌詞も本当にかっこいいので、ぜひ感想を送っていただきたいです。



安月名莉子プロフィール


12月3日生まれ。埼玉県出身。
シンガーソングライターとして活動する中、 2018年11月に、TVアニメ「やがて君になる」オープニングテーマ「君にふれて」を1stシングルとしてリリースし、メジャーデビュー。2019年2月には、2ndシングル「Whiteout」(アニメ「ブギーポップは笑わない」エンディングテーマ)、同年5月には、3rdシングル「花」(ゲーム「夢現Re:Master」エンディングテーマ)をリリースした。また、同作では声優として、ニエ役を担当。



CDデータ

■TVアニメ「彼方のアストラ」エンディングテーマ「Glow at the Velocity of Light」

1,200円(税別)

レーベル:KADOKAWA/2019年8月21日発売


〈収録曲〉
01. Glow at the Velocity of Light
02. たたくおと
03. Glow at the Velocity of Light (Instrumental)
04. たたくおと (Instrumental)


(取材・文/鈴木隆詩)

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(C) 2018 上遠野浩平/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

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