【ネタバレ注意】映画「フレームアームズ・ガール～きゃっきゃうふふなワンダーランド～」公開記念！ 映画を見た人必読の、もう一度見たくなる見どころガイド　監督・川口敬一郎さん＆プロデューサー・杉山学さん対談（後編）

みんなの中にある、それぞれの「フレームアームズ・ガール」が本筋

── TVから映画と携わってきて「フレームアームズ・ガール」というコンテンツのお気に入りの部分は？

川口　もう「ここが気に入ってます」みたいな感じじゃなくて、コンテンツ全体がお気に入りというか（笑）。

杉山　泣けます！　監督、いいこと言ってくれますね！

川口　とにかくいろいろな展開をしてるじゃないですか。こういうタイプのメカ美少女プラモデルは増えてきてますけど、それを牽引している感じもありますし。むしろ、コンテンツ全体のごく一部しか自分は携われていないことが、辛いくらいなんですよ（笑）。

杉山　いや、アニメはプラモデルと双璧の大きな柱ですから！（笑）。

川口　みんなそれぞれに「フレームアームズ・ガール」があると思うので、それでいいんだと思うんですけど。その意味では、アニメはそうした中のひとつのお話ですから。元になってる「フレームアームズ」もありますし、ほかの作品とのコラボもあったりとか……。それと同じように、コンテンツの盛り上げにひと役買えているのがうれしいんです。試写会で「フレームアームズ」のデザイナーの柳瀬敬之さんとお会いしたんですけど、すごく喜んでもらえて。そういうのもうれしいです。


杉山　今、監督が言ってくださった「それぞれの『フレームアームズ・ガール』がある」っていう言葉は、申し合わせたわけでもないのに赤尾さんも川村さんも言うんです。そういう共通認識を持って技術と魂を作品に込めてくれる人たちとやってこれたことが、一番うれしいですね。

川口　玩具ありきのオリジナル作品は、やっぱりアニメ化してしまうと玩具よりアニメが本筋みたいにとらえられちゃうところがある中で、これは奇跡的なバランスでうまく行ってるなぁって。そこは実感としてちょっとあります。

杉山　映像化したスタッフの方々が「みなさんの中の『フレームアームズ・ガール』が本筋なんですよ」って想いを持っていることが泣けるほどうれしいですね。この作品のお客さんもそういう感じだから、アニメの制作サイドとファンの方々、運営している我々の三者が同じ気持ちを持っている……「みんなそれぞれがいい」と認め合えている関係が、すごく素敵だなぁって思うんですよ。そこは、ファンのみなさんにとても助けてもらっていて、本当に感謝しかありません。そういう気持ちが、この映画のEDの詞にすごく込められてます。歌詞を読んで僕は思わず涙しました。



（取材・文／ぽろり春草）
(C) KOTOBUKIYA / FAGirl Project