全国限定劇場公開中! 峰不二子の新たな一面が描かれる、「大人なルパン」最新作「LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘」脚本・高橋悠也インタビュー

2019年06月01日 16:040
全国限定劇場公開中! 峰不二子の新たな一面が描かれる、「大人なルパン」最新作「LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘」脚本・高橋悠也インタビュー

抜群のプロポーションと巧みな言動で男達を惑わし、華麗に利用するルパン一味の紅一点・峰不二子。そんな彼女にスポットを当てた「LUPIN THE ⅢRD」シリーズの最新作「LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘」が2019年5月31日(金)に全国限定劇場公開される。

テレビアニメ「ルパン三世 PART IV」のシリーズ構成・脚本のほか、劇場アニメ「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」、「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」で脚本を手がけた高橋悠也さんが本作の魅力、そして不二子の魅力について思う存分語ってくれた。

  

内面がわからないところが不二子の最大の魅力

 

――脚本を担当することになった経緯を教えてください。

 

高橋 最初に手がけたのが2014年の劇場アニメ「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」(以下、「墓標」)で、17年に「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」(以下、「血煙」)を手がけた際に「これはメインキャラクターを全員やるのかもしれない」というのがわかり、今回の作品も手がけさせていただきました。

  

――峰不二子の魅力はどこにあると思いますか?

 

高橋 本心がどこにあるのかわからないところでしょうか? 物欲のために動いているように思われているかもしれませんが、何を思って裏稼業で生きているのかわからないところに魅力を感じます。

  

――これまで手がけてきた「ルパン」シリーズと比べて、制作において何か意識したところはありますか?

 

高橋 今作ではジーンやビンカムなど、彼女の武器である「色気」が通じない相手に不二子がどう向き合うのかをテーマに作ったので、今までにない不二子を描こうというのは挑戦した部分かもしれません。

 

 

――小池健監督とクリエイティブ・アドバイザーの石井克人氏と一緒に制作されていかれたと思いますが、どのような手順で進行していったのでしょう?

 

高橋 敵キャラクターなのですが、まず最初に石井さんが、イラストと一緒に「こんな感じのキャラクター」という情報を手書きでいただきまして。ルパンたちがなぜ彼らと戦うのか?といった部分をこちらで肉付けしていきます。ちなみにこれは「墓標」のときからやっている作業です。なので、話のとっかかりは石井さんのメモからになります。小池監督がデザインを落とし込んで僕がストーリーを作っていく、という流れですね。そのうえで、敵をどう強く見せていくのかはずっとテーマにしています。

  

――シナリオを描くうえで、どこまで意識されていますか?

 

高橋 「墓標」のときは、小池監督がどのような演出でどう仕上げるのか読めないところがあったのですが、完成したものを観て衝撃を受けまして。「小池監督に任せておけば大丈夫」と思うようになりました。「血煙」と今作は監督の描き方への期待を込めて脚本を書いているのですが、その遥か上をいく映像になっているのが本当にすごいと思いますね。

  

――不二子の、本音と嘘の使い分けみたいなところの描き方へのこだわりはありましたか?

 

高橋 「不二子は、実はこう思っている」というのをストーリー上で明確にしないように、というのは守るべきポイントだと思いました。作家の我(が)がそこに表れてはいけないと思いましたし、観る人によって違うとらえ方をできるようにしないと、というのがあったので。

  

――ジーンはどのような経緯で生まれたキャラクターだったのでしょうか?

 

高橋 先ほども少しお話しましたが、「峰不二子の嘘」(以下、「不二子」)において色気が通じないのはどんなキャラクターなのか? と考えたとき、「子どものワガママには付き合いきれないんじゃないか?」という考えに至りまして。そんなジーンというキャラクターを不二子にぶつけたらどんな化学反応が起きるのかと思い、「内面がわからないことが不二子の魅力だな」というところに行き着きました。

  

 

――改めて、今作でこだわった点は?

 

高橋 「ルパン」シリーズを手がける際、毎回「裏テーマ」を考えているのですが、「墓標」では「風」、「血煙」では「水」、そして「不二子」では「砂」をテーマにしました。本作には砂が満ちた荒野が登場し、さらにビンカムは砂を使った戦い方をするというのもあり、そのテーマは最後まで一貫しています。

また、戦ううえでの武器の話ですが、次元大介が銃で石川五ェ門が刀で、不二子はなんだろう?と考えましたところ、「毒物、薬物」という考えに至りました。詳しくは言えませんが、最後までご覧になっていただければ意味がわかるかと思います。

 

――アクションシーンでこだわった点は?

 

高橋 今回は砂のある荒野を舞台にした戦いも描かれているので、土煙を上げながら走ってくる車や敵など、「砂」をイメージしたシーンを随所に入れています。不二子に関するイメージとしては、毒薬を使うというのもありますが、「セクシーな身体を使っての肉弾戦」というのも描いてみたい、というのが小池監督と石井さんとの共通認識としてありました。息を感じる距離での戦いは不二子の魅力がクローズアップされたのではないかと思います。

カーアクションやバイクアクションに関してですが、僕のほうはあまり詳しくないので「ここでバイクに乗って逃げる」みたいな書き方しかできなかったのですが、ここにも小池監督のこだわりが表れていて、ファンの方も「なんでこの車種を選んだんだろう?」といろいろ推察していただけるのではないでしょうか。

 

 

物語だけでなく、声優陣の迫真の演技にもご注目ください

 

――本作を手がけてみて、何か新しい発見はありましたか?

 

高橋 下世話な表現になってしまいますが、やっぱり不二子はエロいな、と思いました(笑)。これまで描かれ尽くしたキャラクターのみたことのない部分を観せていく、というコンセプトのもとで作っていますので、小池監督の描く不二子のエロさを観てくださるお客さんにも感じていただきたいですね。

  

――「不二子」は、いわゆる「大人向けのルパン」と表現されるような作品かと思うのですが、制作のうえで気をつけていることは?

 

高橋 コミカルなやりとりがあるとしても、ブラックジョークが強めでシニカルな口調になるのかな?というのはイメージの 中にありました。

小池監督が小道具や効果音を巧みに使われているのがわかったので、実写版として役者が演じても違和感がないような、ファンタジックなものにしようと。ただ、それだけだと面白くないので、理屈的に現実でもありえるんじゃないかというギリギリの線を突きながらいいものができたら、という気持ちを持って作りました。シリーズによっては、タイムマシンが出てきたり宇宙に行ったりするエピソードもありますが、今作では最大限のリアリズムを追求して頑張りました。

  

 

――作中でルパンたちがタバコを吸うシーンもフィーチャーされていますが、「大人向けのルパン」を意識されての演出なのでしょうか?

 

高橋 どのシリーズのルパンも、やっぱりタバコは吸っていてほしいというのは正直あるんです。いまはもう辞めてしまいましたが、「墓標」を作っている際は僕もまだタバコを吸っていたんですね。ひと仕事終えたときの一服がすごく美味しいというのを自分自身感じていたので、そこがバチっとはまったのかもしれません。

「ルパン」らしさを演出するためには不可欠な気がするんです。言っても彼らは「泥棒一味」なので、欲に生きているということもありますからね。逆に節制してたりすると、観るほうもガッカリじゃないですか(笑)。

 

 

――クライマックスへ向けた物語の展開、幕の引き方もとても興味深く拝見しました。

 

高橋 「それぞれの作品が独立しているようで実はつながっている」、というような見方もできるような作りにしました。みなさんでいろいろと想像していただきたいですね。

  

――ちなみにルパンファミリーのなかで動かしやすいキャラクター、動かしにくいキャラクターはいますか?

 

高橋 ルパンや不二子は平気で嘘をついたり、なにか思わくがあったりと、理屈を考えるのは難しいですが、動かすのは楽しいですね。ほかのキャラクターたちとのからみを考えると、五ェ門はちょっと使いづらいところがあります。打算的なところもあまりないですし、そこにいる理由がなければならないので。

  

――今回、都合上で描ききれなかったポイントはありますか?

 

高橋 「『ルパンファミリー』の中に放り込まれた少年・ジーンが、果たしてどんな色に染まってしまうのか?」というのは、欲を言えばもう少し掘り下げたかったです。先ほども少し話しましたが、五ェ門の活躍の場を増やしたかったので、彼とジーン、不二子とのからみなんかも描いてみたかったです。

 

 

――アフレコ現場におけるエピソードはなにかありますか?

 

高橋 不二子役の沢城みゆきさんですが、出産されてすぐのアフレコでした。お母さんになられたというのと出産後の体調のこともあり、少し心配だったのですが、とてもセクシーな演技をみせてくださって杞憂に終わりました。

ビンカム役の宮野真守さんは今回初めてお会いしたのですが、木の実を食べるところなど、自分の口で音を出されるんです。息遣いも含めて、ビンカムが憑依をしているんじゃないかと思えるくらいの迫真の演技で、物語だけでなく、ぜひ登場人物たちの動き、声にも注目していただきたいですね。

 

――次にルパンファミリーでフィーチャーするなら誰ですか?

 

高橋 僕のなかではルパンが一番好きなので、彼について掘り下げて描いてみたいです。不二子しかり、ルパンしかり、これまでたくさんの角度、視点で描かれてきたキャラクターなのですが「どのルパンでもないルパン」をお見せしたいです。「何十年も前から描かれ続けてきたルパンが全部嘘なんじゃないか?」という、それくらいインパクトのある作品を作れたらいいな、と。

 

――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

 

高橋 12年に「LUPIN the Third -峰不二子という女-」というテレビシリーズが放送されましたが、今回は小池監督の手により新たな不二子像が描かれています。「峰不二子の嘘」というタイトルですが、嘘をつくことに違和感のない彼女にしては意外でもなんでもないかもしれません。実際、本作でもたくさんの嘘をついていますが、その中でも特に大きな「嘘」を感じていただきながら観ていただきたいです。

 

 

(取材・文・写真/佐伯敦史)

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