“成形色”を売りにしたスケールキット、ついに登場! 「モデルキット999」シリーズが提唱する“プラモデル本来の楽しさ”とは?【ホビー業界インサイド第47回】

2019年05月25日 12:000

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「モデルキット999」は、ステップアップのための踏み台ではない?


── ビンセントさんにお聞きしたいのですが、香港ではプラモデルはどれぐらいポピュラーな趣味なのでしょう?

ビンセント 香港では全体的な模型人口は減っていますが、20歳以上のプラモデル人口はまだ多く、特にガンプラが人気です。なぜなら、パーツをカットするだけで接着剤も使わず、ちょっとマーカーで部分塗装するだけで出来上がるからです。戦車や飛行機を好んで作るのは、やはり高齢の方が多いですね。

── 1/72スケールの戦車と飛行機は各社から発売されていますが、「モデルキット999」は既存製品と競合することはないのでしょうか?

榊原 競合しないと思います。値段設定と、ここまでこだわって成形色を調合することはまず国内メーカー様は考えないでしょうし、コスト的にも難しいはずです。


── さすがに、迷彩塗装は再現されていませんね。

ビンセント 複数の迷彩された車両は、迷彩色のいずれかに寄せてあります。やろうと思えば迷彩塗装済みのキットにもできるのですが、その場合価格を上げざるを得ず、「モデルキット999」のコンセプトから外れてしまいますからね。


── ベテランのモデラーさんは視野に入れていますか?

榊原 率直に言うと、ベテランモデラー様には「モデルキット999」は役不足でしょう。裏を返せばスゴ腕のモデラーさんであればあるほど、昔ながらの、ただ組み立てて並べるだけで楽しい、プラモデル本来の面白さを思い出せるキットかもしれません。私自身、第1弾のテストショットを塗装もせずに組み上げたとき、「昔はこれで満足したんだよな」と、カバヤ食品様の「ビッグワンガム」を組み上げたときと同じ達成感がよみがえったんです(笑)。「モデルキット999」が、現代の「ビッグワンガム」のような位置づけになれたら最高ですね。

── 「モデルキット999」からステップアップして、より複雑なキットを塗装して楽しんでほしいと考えていますか?

榊原 弊社としては、プラモデルについてステップアップしていただくことを主眼に置いてはおりません。もし、「モデルキット999」を物足りなく感じたら、完成品の“フォースオブヴァラー”に興味をもっていただきたい。プラモデル製作のレベルをあげてほしいというよりは、手で触れて遊べるホビーを楽しんでいただきたいと考えております。



(取材・文/廣田恵介)

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