【インタビュー】史上最高にポジティブな藍井エイル! ニューアルバム「FRAGMENT」には、今を生きる彼女がいる

2019年04月19日 12:000

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アルバムの新曲には、暗いまま終わる曲はひとつもないんです


── 6曲目の「螺旋世界」(作詞:TAMATE BOX (FUZ) 、Eir 作曲:TAMATE BOX (FUZ) 、Eir)も新曲です。ダークかつ攻撃的な曲でありつつ、明るさも含まれているように感じました。

藍井 曲調はマイナーなんですけど、ピアノの高音部分とか、おしゃれなコードを使っているアコギの音で明るくてキラキラした印象をもたらしているんだと思います。歌詞のストーリーとしては、明るくない主人公の物語で、殻に閉じこもって自分を守り続けている人が、誰かが差し伸べてくれた手に触れることができるかどうかという、勇気を試す瞬間が描かれています。

── 「螺旋世界」というのは、どういうイメージなのでしょう?

藍井 生きていく中で登っていく階段というイメージです。でも幸せな場所ではなくて、入り組んでいるジレンマとか、複雑にからみ合っている感情を、「螺旋」という言葉が象徴しているんです。ただ上のほうでは星が輝いていて、「君」という存在が手招きしてくれて。負の世界の上にはちゃんと輝く世界があるよという曲です。

── つまりダークさ1色の曲にはなってないんですよね。

藍井 そうですね。今回の新曲には、暗いまま終わる曲はないんです。日常がテーマのアルバムなので、ハッピーじゃない日常の欠片は入れないようにしています。

── 7曲目「パズルテレパシー」は、軽快なロックナンバーです。明るい曲調で、日常的な気持ちをストレートに歌った歌詞も印象に残りました。

藍井 カノエラナさんに作詞・作曲していただいて、アレンジは重永さんです。カノエラナさんは友だちに教えてもらったアーティストさんで、大好きになってiTunesに入れて聴いたりカラオケで歌ったりしている方なんです。振り切った歌詞が特徴で、特に人がいるところが苦手で「うるせぇ」と言ってしまう女の子の心情を歌った「ヒトミシリ」という曲が大好きで(笑)。そういう曲がこのアルバムに1曲あったらいいなと思っていたら、スタッフさんを介してお願いすることができて……OKをいただいて……。

── 勇気を出してお願いしてみたという感が、今のお話の仕方からにじみ出てますね(笑)。

藍井 さっそく曲を作っていただけて、うれしかったです(笑)。強力な個性を持ったアーティストさんなので、ご自分が歌われている仮歌がすでに完成形なんですよね。「ホントにいい声だな」って何回も聴き返しました。逆に、カノエラナさんは私の「シリウス」という曲をすごく好きだと言ってくれて、その曲の作曲と編曲が重永さんなんです。だから「パズルテレパシー」は、私が好きなカノエラナさん、カノエラナさんが好きな重永さん、私を好きでいてくれる重永さんというトライアングルによって生まれた曲になりました。

── 幸せなトライアングルですよね。

藍井 いい曲になったと思います。メロディラインやコード進行がトリッキーで、カノエラナさんならではの音感を持ちつつ、歌詞にも「揺れる電車」とか日常的なワードが入っていて、私にはない世界観を楽しみながら歌うことができました。


── 8曲目「FROATIN’」は、作曲が安田貴広さん、作詞は安田さんとエイルさんです。

藍井 歌詞は安田さんが最初に書いてくださったテーマに沿って、自分なりの言葉に変えていきました。安田さんも重永さんと同じで、藍井エイルの初期からずっと関わってくださっている方で、安田さんが持っているテーマ性は私にとってなじみ深いものなんです。なによりも、私が学生時代にファンだったバンドをやっていた方でもあり、安田さんの世界観を自分なりに広げて書いたのが「FROATIN’」です。

── この曲は、今までの藍井エイルへのアンサーソングになっているように感じました。うまく行かないことも負の感情も、全部を肯定した曲ですよね。

藍井 そうですね。負の感情というのはそれを感じている瞬間は最悪ですけど、乗り越えてしまったら、「そんなこともあったな」って笑えるような気がして。

── 「過去が怖いとか 傷が痛いとか 居場所が無いとか 自分が嫌いだとか そんなことは弱さなんかじゃなくて」という歌詞は、ものすごく大きくてやさしい「救い」ですよね。

藍井 一度でも自分のことを嫌いだと思ったことがある人は、けっこう多いと思うんです。でも、そんなふうに思っている自分の世界に誰かが入ってきてくれることで、大きく変われるんじゃないかと。「FROATIN’」は、安田さんが書いた詞の中に出てきた、孤独な世界の扉を開けてくれる「君」という存在を大事にして、自分なりの思いを書いていきました。

── これは多くの人を勇気づける曲なんじゃないかと思いました。

藍井 マイナス思考をしてしまうクセがちょっとでもある人だったら、この曲は「わかる!」って共感してくれると思います。それから、YouTubeの視聴で「FROATIN’」を聴いた私の以前からのファンの人たちが、「戻ってきたって感じがする」「待ってました」って言ってくれたのもうれしかったですね。安田さんは「サンビカ」を作ってくださった方でもあるので、同じようなポジティブな印象をこの曲にも持ってくれたのかなって思いました。

── 次は10曲目の「今」。いきものがかりの水野良樹さんの作詞・作曲です。

藍井 「今」の歌詞は大好きなんです! 自分の殻から出たり、誰かを信じてその人に心を預けたりすることが恐ろしくてたまらないという状況から、主人公が変わっていく姿を感じ取ることができました。それこそ、お休みしている間に家族や友だちと関わっていくことによって、今までの自分は誰かに心を預けることができてなかったなって思うようになっていたんです。水野さんの歌詞を見たときに、「私って素直じゃなかったな。全然かわいくない人間だったな」って思って(笑)。すごく共感したし、考えさせられました。

── かたくなな心のドアを誰かがノックして開いてくれる曲ですよね。

藍井 そうですね。それで自分自身も何も言わないで終わらせるんじゃなくて、伝えたいことをちゃんと言葉にして「あなた」と向き合っていくという曲で、私の今の思いが全部表現されていると思いました。

── ものすごくポジティブな曲で、気分を明るくさせてくれます。そして、ラストの「フラグメント」へ続いていくんですよね。この2曲はアルバムのクライマックスです。

藍井 はい、畳みかける感じでいこうと思いました。

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