劇場オリジナルアニメ「レイドバッカーズ」日高里菜インタビュー「いつもと違う役をやってみなよ」に応えた新境地

2019年04月10日 19:000
(C) おばけ屋/LAIDBACKERS製作委員会

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オリジナル作品ながら「あたかもずっとこの子たちを見てきたかのような雰囲気に」


── 本編中で印象的だった場面は?

日高 日常パートのダラッとしたシーンは今まで演じたことがないという意味でも印象深いですね。ハラミって、パッと見だと怠けていたりとかダラっとしたりして、自分の好きなものしかやらないように見えるのですが、意外と核心を突くようなことを言ったり、らんちゃんに対してのやさしさがそこかしこに見えるんです。それはほかのキャラクターも同様で、この作品って、多くを語らないけど、ちょっとした表情だったり台詞ひとつで、その子の性格や深みにつながる描写がとても多くて、(草薙)Kさんもわざわざ「助けてあげてますよ」という感じを出さずに、ちょっとした気遣いややさしさを感じさせてくれるんです。だから、どこか特定のシーンというよりも、全体を通していろんなところに楽しさが散りばめられている感じがします。

── 60分1本のオリジナル作品だと、ともすれば詰め込んだり説明的になりがちなところを、この作品では人物像や関係性から想像させるように、密度をうまく抜いて描かれているわけですね。

日高 そこがこの作品の本当に上手なところだと思います! お客さんは初めて見るわけですから、たとえば転生する前のキャラクター設定をたっぷり描いて、今はこうなっています、という描き方をされると考えたかもしれません。ですが、この作品はこのキャラクターたちが現代に生きている姿を当たり前のように描いて、あたかもずっとこの子たちを見てきたかのような雰囲気になるんです。だからといってキャラクター性が薄いわけではなくて一人一人ちゃんと深いですし、もっとこの子たちのことを知りたいと思えるくらい魅力的で、さらに個々人の性質を感じられるというバランスがとてもお上手なんです。台本を読んだときにも、もちろんスゴい見せ方をするなと思ったのですが、そこに私たちのお芝居が加わり、さらに音楽や効果音までスタッフ皆さんの力が集まってより深みやワクワク感が倍増して、本当によい映画になったなと思います。今回は劇場版ということでバトルシーンも見栄えがする分量がありましたが、ずっと日常パートでも見ていられるくらいキャラクターに魅力を感じますし、1時間の尺で皆さんにそう思ってもらえるくらいの作品になったのはスタッフ皆さんのお力だなと思います。


── ご覧になったお客さんはこの続きをもっと見たいと思うでしょうし、それは役者陣も。

日高 思いますよ~! アフレコ後に音響組の打ち上げがあったのですが、上江洲さんからも「今後、どんなの見たい?」とか、「まだ決まっていないことも多いからネタをちょうだい。それで方向性が決まるかもしれない」とおっしゃってくれたので、おのおのが好き勝手に「こういうシーンが見たいです」と投げかけたんです(笑)。ここまで役者陣から、こんなお話が見たいという意見が出てくる現場もなかなかありません。それも1本収録した後にいろいろと想像が掻き立てられるような作品だからこそ、みんなが前のめりになるんじゃないかなと思いました。先日の完成披露試写会でも、皆さんの見終わった後のキラキラした表情を目にしたり、もっと見たいなという意見を耳にすると、みんな同じ思いなんだなとうれしくなりました。

── 本編尺以上の充実した時間を過ごされたようですね。

日高 そうですね。60分だということが信じられないような感じがします。もちろん面白いからあっという間なんですが、いろいろ振り返って今も話したいことがこんなに出てくるのは、やっぱり素敵な作品だからこそなんだなと思います。

── ちなみにこの作品の舞台となる京都や、ハラミたちが暮らす駄菓子屋について、日高さんは親しみがありますか?

日高 私の家の周りには駄菓子屋さんがなくて、駄菓子というとデパートなどに入っている「駄菓子屋さんを再現したお店」の記憶しかないので、昔ながらの駄菓子屋さんに憧れがありますね! アニメジャパンでは作中に登場する駄菓子屋の『おばけ屋』が再現されていて、私もブースに遊びに行かせて頂いたのですが、そこで「新幹線ゲーム」にハマりました(笑)。京都については、監督たちがロケハンに行った際に駄菓子屋さんを見て回ったとおっしゃっていたので、聖地巡礼みたいに1度行ってみたいなと思いました。京都の街はイベントや舞台挨拶などでもうかがうことが多いですし、プライベートでも遊びに行くことが多いので、そんなふうに親しみのある街が出演作品の舞台になることがうれしかったです。映像を見ると知っている道だったり、有名な場所も多く出てきたりするので、ご覧になった方のなかにはテンションが上がる方も多いと思います。


── キャラクターソング集で日高さんは「CRAZY ACE」という歌を歌われていますが、これはどんな楽曲でしょうか?

日高 それぞれのキャラがソロで歌うというお話を聞いたときに、フライングドッグさんなら間違いなくよい曲になるだろうなと思っていましたが、曲を聴いたら想像以上の仕上がりでビックリしました。「The・ハラミ」という感じの曲です(笑)。カッコよくてオシャレなのですが、でもキメキメで歌う曲とはまたちょっと違っていて、その意味でもこれまでの私が演じて歌ったキャラソンにはなかった曲でした。歌詞もハラミらしい、面倒くさがりが来てからのサビでは「これから本気出すか、やってやろうか」ってなるんです。ディレクションをいただいたのは、「歌詞はけっこう、やってやるぞ、だけれども途中で面倒くさくなって飽きちゃっていいです」と(笑)。

── ちょっと聞いたことがないディレクションですね(笑)

日高 (笑)。そこで面倒臭くなって、だらけて歌うアンバランスさもスタッフさんと話し合って決めました。そんなハラミの気分屋なところも曲に表れていると思います。その意味でも歌や歌詞が本当にピッタリなものを用意していただけたので、悩むことなくとても楽しく歌わせていただきました。


── 最初のオーディションから含め、この作品での経験は日高さんの役者人生においてどんな経験になったと思いますか?

日高 まず、とっても楽しかった作品だなという思いがあります。先日、上江洲さんとお話しする機会があり、その際に「日高さんといえばハラミのようなキャラクターのイメージが付いた」とおっしゃっていただけたことがとてもうれしかったです。これまで多かったかわいい小さい女の子役よりも、ハラミのような中性的で少年っぽいイメージを私に持つくらいしっくり来ていただけたのかなという意味でうれしかったですし、これを期にいろいろ私自身の幅が広がっていけたらと思います。私自身、完成披露試写会で作品を拝見したときに、ハラミとしてしっかり演じ切れていたなという実感もあったので、うれしくもあり充実感のある作品になりました。

── 最後に、ハラミ役日高さんからの視点で作品を通じての魅力を教えていただければと思います。

日高 オリジナル作品ではありますが、キャラクターを誰ひとり知らない状態で初めて見ても、面白くて好きになれる作品だと思います。最近は難しいテーマの作品も数多くありますが、この作品は肩の力を抜いて、気軽に見ていただけてなおかつ見終えた後に満足感のある作品になっていると思います。スタッフ陣・キャスト陣、「レイドバッカーズ」に関わっている皆さんがとにかく楽しく思いっきりやろうという思いが、見ている皆さんにも伝わるとうれしいです。1度ご覧いただけると、このインタビュー記事も「なるほどな」とわかっていただけると思いますので、ぜひ1度劇場に足を運んでいただけるとうれしいです! よろしくお願いします!


(取材・構成/日詰明嘉)
(C) おばけ屋/LAIDBACKERS製作委員会

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  • 「LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-」三乃ハラミ役、日高里菜さん

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  • 「LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-」三乃ハラミ役、日高里菜さん

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上映開始日: 2019年4月5日   制作会社: Studio五組
キャスト: 日高里菜、茜屋日海夏、大地葉、内山夕実、長縄まりあ、花守ゆみり、藤田咲、福山潤、小西克幸
(C) おばけ屋/LAIDBACKERS製作委員会

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