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個性的な声優さんを迎えてのフューチャリング曲
── さまざまな形での声優さんとの共演も多いですが、このセクションには特に、キャラソンという形ではなく声優さんご自身を「TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat. 〇〇」とフューチャリングボーカリストに迎えての2曲がありますね。 松井 我々が担当した2017年版の「魔法陣グルグル」関連としてはまず、1994年版「魔法陣グルグル」のエンディングテーマである奥井亜紀さんの「Wind Climbing ~風にあそばれて~」のカバーがありまして。それを中川翔子さんを迎えてのエンディング曲「Magical Circle」のシングルに収録するにあたってカバー曲をもうひとつ入れようかと。
── そこで上坂すみれさんとなったのは、その手前に「恋する図形 (cubic futurismo)」「リバーサイド・ラヴァーズ(奈落の恋)」と上坂さんへの楽曲提供が続いた流れから? 松井 我々が作った曲を歌っていただく機会が続いたので、今度は逆に我々が上坂さんをお迎えしてみたいなと。ということで上坂さんに歌いたいカバー曲はありますか?とお聞きしたら上坂さんのほうから「『ダーティペア』オープニングの『ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット』です」と(笑)。
石川 変わってる。
フジムラ 変わってますよね。
松井 ただ言われてみれば、原曲のアレンジにはテクノ感はないけれど我々がやったらテクノ感になるなという気配はある曲だったので、なるほどいい選曲だなと思いました。
フジムラ こちらとしてはとりあえずソ連製のシンセは使いましたね(笑)。
松井 上坂さんに提供した楽曲のために用意したものとその後に追加で用意しておいたものを。上坂さんとの曲でしか使う機会がなくてその後はほとんど使ってないんですけど(笑)。
── 井澤詩織さんを迎えての「夏と猫のソネット」はオリジナル曲ですが、こちらは井澤さんを前提に用意した曲ですか? 松井 完全に井澤さんありきの曲ですね。「ウィッチ☆アクティビティ」でキャラクターのひとりとして歌ってもらったときから、いつか井澤さんフューチャリングボーカルでやりたいなと思っていて、僕らからラブコールを送ったんです。ですから曲も歌詞も井澤さんに歌ってもらうための当て書きです。
── 声優さんの声にはみなさんそれぞれに強みや個性がありますけれど、井澤さんのそれは中でも突出した個性ですよね。何人で同時に歌っても井澤さんのキャラクターがそこにいることがわかるような。 松井 「ウィッチ☆アクティビティ」のボーカルレコーディングに立ち会った石川がそのあと僕らに最初に言った言葉が「勝った」だったんですよ。この声があればこの曲は勝ちだと。あれから数年、今回念願かなって一緒にできるとなって、そしたらまず石川がバラードを作ってきたんですよ。井澤詩織さんとテクノボーイズなら楽しい曲になるかなとイメージしたほうが多いかと思うんですけど……最初からバラードのつもりだったの?
石川 あらかじめプロデューサーに確認はしたよ、「バラードでいい?」って。「う~~~~ん……いいよ」っていう感じだったけど(笑)。
松井 井澤さんの声の異質感を特に存分に生かせるのはバラードだろう、というところもあったかもしれませんね。
── この曲を普通のきれいな声で美しく歌われるのと井澤さんの声で届けられるのでは伝わってくるものが違うような気もします。 松井 独特の声に加えて役者さん、歌の世界に入って演じるプロですから、そういう届け方になるのかなと。井澤さんはお人柄も真っ当で常識的な感覚をしっかり持っていて、魅力的な方です。
石川 雑談のとき生命保険がどうとか普通にしっかりした話をする方なんですよ。でもあの声なんでそのギャップも面白い(笑)。