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「オリオンの矢」は5回は見てほしい!
── そのほか、面白かったシーンなどのお勧めポイントは? 松岡 やっぱり見どころはヘルメスでしょうか?(笑)。演じている(斉藤)壮馬くんが休憩中に「禎丞さん、今回のヘルメスってめっちゃしゃべってるんですよ!」「いや、壮馬くんが物語を進めていくわけだからね」って言ったりもしたんですけど。物語のある意味主軸として動いていかないといけない立場なので、彼としては大変な部分もあったと思います。ヘルメスって、言い方悪いですけどなんだかうさん臭いじゃないですか(笑)。なのに実際は、己の思いをある意味で殺して事態に対処していく。そこでのすごいところは、壮馬くんの演技もですけど、最初はトップギアでテンション高く入っていってそこから落としていくことで、シリアスさを出してセリフや立ち振る舞いに信憑性が出てくる。その下がり具合にも多少ジグザグ感はあるんですけど(笑)。でもヘルメスは、この「オリオンの矢」に関して言えば、実は最初からすべてを知っていて、それゆえにストーリーの方向性を引っ張っていった気がしてます。
── アクション的な部分では? 松岡 中盤のモンスターの大群と戦うアルテミスを援護するために、ベルが槍を気合いを込めてぶん投げるシーンですね。勢いよくぶん投げたのは確かなんですけど、それだけで地面はえぐれるし周囲の樹木もなぎ倒してるぞ!って。まさかあの細い槍に、あそこまでの威力があるなんて!って。あのパワフルさはたまらなかったです。
── ヘスティア関連ではどうですか? 松岡 ヘスティアがらみだと、野営中のシーンでアルテミスと一緒に布団に入ってるシーンじゃないでしょうか。あのシーンは見ていてというか、2人の演技を聞いていてホッコリしましたよね。なんていうか、「好きな男の子はいないの?」みたいな話をするっていうのがね(笑)。修学旅行の就寝後の会話みたいな、なんともいえない空気感がよかったです。本当にヘスティアとアルテミス様は、昔から仲がよかったんだろうなっていうのも感じられますし。だからこそヘスティアのアルテミスへの違和感が確信に変わる部分にも繋がりますし。表では通じ合ってるけど、裏ではどこか噛み合ってない感じもあって。ただアルテミス様は最初から自分が辿る運命はわかってしまっているので、そこは裏も表もなく、自分の本心として言ってるとは思うんですけど。でもヘスティアとしては、友だち同士としてのたわいのない話としては本心で言ってるし噛み合ってるけれど、裏では「以前はそんなタイプじゃない」という若干噛み合わない気分もあって。そこで出てくる「君は変わってしまった」というセリフですよね。
── 結末まで知ったうえで見ると、あのシーンもいろいろ切ない部分が見え隠れしてますね。ところで、アフレコでは久々とはいえ、水瀬さんたちとはあうんの呼吸だったんですか? 松岡 第1期の後にも「ソード・オラトリア」やゲームの収録も度々あったので、「空いた感じ」自体はなかったです。ただゲームの収録はかけ合いのシーンでも、完全にひとりで録るんですよ。ひとりで録っていると、かけ合う相手のキャラの声、たとえばヘスティアなら水瀬さんの声が脳内には自動的に浮かんでくるんですけど、どの役者さんもほかの現場を経ることで経験値が増えて、演技スタイルが若干変わったりもするんですね。特に水瀬さんは4年前の第1期が初めてのヒロインだったとおっしゃっていたので、その後の活躍を思うと、水瀬さんのレベルがすごく上がってて、こっちが付いていけるだろうか?みたいな(笑)。そんなこともあって、実際に久しぶりにかけ合うとどうなるんだろう?って結構不安な気持ちで臨んだんですよ。でも普通に、4年前とまったく同じ雰囲気で始まったんですけどね(笑)。だからそれは杞憂に終わりました。これなら、いずれ始まる第2期のアフレコもすんなりと入れそうです。
── 「オリオンの矢」は現在公開中ですが、すでに一度は見たファンの方も多いと思うんです。そこで2回目を見るうえでのポイントをお聞かせください。 松岡 なるほど。でも僕としては5回くらい見ないと、最終的には本当の意味でグッとは来ないと思うんです。2回目では「なぜヘスティアがアルテミスに違和感を感じていたのか?」とかアルテミスが現れた理由をわかってストーリーを見られますよね。3回目は改めて、いろいろな細かいシーンも見られると思うんです。4回目では、そのうえですべてをまるめた俯瞰した状態で見て、すべてに対して「なるほど!」と思ってもらえるんじゃないかと。そこでまたもう一度見ると、心底泣けます(キッパリ)。1回目でまず泣いて、5回目で本当の泣きが来る。そんな具合ですので5回は見てください(笑)。それくらい、あますところなく見ていただきたいです!
── 第2期を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。 松岡 第2期についても、みなさまがこれまで楽しみにしてくださった「ダンまち」という作品への期待を裏切らないように、僕らは精一杯ベルやヘスティアという人生を演じさせて頂きたいと思っています。ただ映画を見た方が、第2期でのベルをどういう風に見てくるのか?という、正直な不安もあったりしますけど(笑)。いずれにしても、楽しくて熱くて泣ける作品を目指していきたいと思っていますので、引き続き応援お願いします!
(取材・文/ぽろり春草)
(C) 大森藤ノ・SB クリエイティブ/劇場版ダンまち製作委員会