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ハセガワ製、「クラッシャージョウ」ファイター1から考える“キャラクターモデルとスケールモデルの最適な距離感”【ホビー業界インサイド第44回】

2019年02月23日 11:300

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スケールモデルのスナップキット化は、時代の流れ

── ということは、今後もスナップキット仕様のプラモデルを増やしていくんでしょうか？

国分　はい、スケールモデルに関してもスナップキットが増えていくと思います。今、早川を含めて社内の設計者は7名ぐらいいます。みんな、企画から何も指示しなくても、接着剤不要キットにできないか、という前提で動きはじめます。

── スケールモデルでも？　なぜですか？

早川　時代の流れだと思います。接着剤を使わないほうがお客様にとって組みやすいですし、売り上げもいいからです。設計を進めていくうえで、「もうスナップキットでは無理」となったとき、初めて接着剤の使用を考えます。

国分　ユーザーの裾野を広げたいので、接着剤なしで作れることを念頭に置いて、設計開発に取り組んでいます。

── ファイター1に話を戻しますが、開発にはどれぐらい時間がかかったのでしょう？

国分　サンライズさんから初めて製品化の話が来たのは、2014年でした。社内で協議したのですが、そのときは、うまく話がまとまりませんでした。もちろん私は、製品化のチャンスをずっとうかがっていました。その後、2016年にBlu-ray BOXが出た頃、営業の人間から「クラッシャージョウ」の模型化はどうなったの？と相談されました。どうも、問屋さんから「クラッシャージョウ」の話題が出たらしいんです。Blu-ray BOX発売で、露出が増えたせいでしょうね。そうしたタイミングもあって、模型化企画が再始動することになりました。

── そういうとき、きちっとマーケティングするのか、それとも勢いで開発してしまうのか、どっちでしょう？

国分　営業の人間に、全国の信用できる問屋さんにリサーチしてもらいました。その間、技術開発部は製品化を前提に準備していました。

── 当然、サンライズさんの監修があったと思いますが？

国分　サンライズさんとお仕事させていただいたのは今回が初でしたが、監修は細かいです。先ほど早川から話があったように、機首のラインが非常に難しく、5～6回ほど図面を描き直しました。また、パッケージは加藤単駆郎さんに描いてもらったのですが、最初は軍用機風でした。サンライズさんからの指摘で、「ファイター1は民間機なので艶アリで描こう」と、方向性が決まったんです。劇中の作画でもハイライトが入っていますから、艶アリには納得しました。パッケージイラストもそうですし、組み立て説明図の文章にいたるまで、サンライズさんとは、がっぷり四つで組ませてもらいました。ファイター1は、「みんなで作った製品」といった感じですね。そして、ファイター1でお互いのやりとりの仕方がわかったので、次回作のミネルバの監修は非常にスムーズに進みました。

── ハセガワさんは、スケールモデルとキャラクターモデル、両方を手がけていますよね。今後のバランスは、どうなっていくんでしょう？

国分　ジャンルを問わない、総合模型メーカーを目指したい……と考えています。さすがにラジコンには手が届きませんが、“MODEMO(モデモ)”というブランドで鉄道模型も出しています。模型ジャンルを、ひと通りカバーしたいんです。

── プラモデルで1/24レースクイーンも出してますし、レジンキットで1/12女子高生も出していますよね。

国分　そうですね、節操なく何でもやっています（笑）。「ハセガワだったら、何でもやってくれるんじゃないか？」と期待してもらえるメーカーになれたら、うれしいです。