「fhána 5th Anniversary SPECIAL LIVE STORIES」ライブレポート 辿り着いたこの場所から物語の続きへ

2019年02月20日 19:000
「fhána 5th Anniversary SPECIAL LIVE STORIES」ライブレポート 辿り着いたこの場所から物語の続きへ

2019年1月27日。fhánaのデビュー5周年を記念してのライブ「fhána 5th Anniversary SPECIAL LIVE STORIES」が中野サンプラザホールにて開催された。3部構成で届けられたそのステージの模様を各部ごとのセットリストとともにお届けする。

First ACT ~ベスト収録曲の現在形を提示~


<First ACT>
01. calling
02. ワンダーステラ
03. tiny lamp
04. Hello!My World!!
05. ムーンリバー
06. コメットルシファー ~The Seed and the Sower~
MC
07. ケセラセラ
08. いつかの、いくつかのきみとのせかい
09. 虹を編めたら
MC
10. わたしのための物語 ~My Uncompleted Story~
11. 青空のラプソディ
12. divine intervention
13. 星屑のインターリュード
MC
14. STORIES


開演予定時刻ちょうどに照明が落とされオープニング映像が流れ始める。ベストアルバム「STORIES」のアートワークやティーザー映像と同じ光景だ。荒涼として向かう先は不確かで、どこかへと、どこまでも続いている。その道をfhánaが歩いていく。
その映像に導かれ、スクリーンに「First ACT」の文字が映し出される。

このFirst ACTはベストアルバム「STORIES」の収録曲で構成されたブロックだ。
しかしいわゆる「アルバム再現ライブ」だったわけではない。発表時系列順での収録だったアルバムに対して、このライブのための曲順、そして今現在のfhánaによる今現在の音でそれらの曲が披露されたのだ。
ベストアルバムによって昨日までのfhánaを総括したうえで、このFirst ACTではその同じ曲を演奏しながらも今日のfhánaの姿を強く示した。

細かく刻まれるプログラミングビートのうえにバンドサウンドで大きなグルーヴを乗せてきたオープニング曲「calling」は、ライブバンドとしての力強さを頭から印象付けるものだった。アウトロではフィードバックや空間エフェクトも駆使したyuxuki wagaさんのアグレッシブなギターに佐藤純一さんのピアノも加わり、その熱量をさらに高める。このお2人はシンプルに、ギターとピアノ、それぞれのプレイヤーとしてかっこいい。

「ワンダーステラ」以降では、kevin mitsunagaさんがミニキーボード/コントローラーと並行して小型の鉄琴、グロッケンシュピールを叩く場面が多く見られた。それはほんの一瞬のワンフレーズだったりもするのだが、その印象的なワンフレーズが生音で届けられることは、ライブステージでは大きな意味を持つ。それらの演奏や操作の隙間を縫っては観客を盛り上げるアクションも見せるなど、マルチプレイヤー/マルチパフォーマーとしてのkevinさんの活躍もfhánaのライブを成立させるに欠かせないものだ。


また佐藤さんは「ムーンリバー」「コメットルシファー ~The Seed and the Sower~」ではギターも担当。yuxukiさんの弾くモズライトがシングルコイルとしてはパワフルなモデルなのに対して、佐藤さんはハムバッカーとしてはシャープな音色を持つテレキャスター・デラックスをセレクト。それぞれの魅力を生かしながらきれいに重なるサウンドでのギターコンビネーションを披露する。towanaさんの「ギター!」という呼び声からのyuxukiさんのギターソロに客席が大きな歓声で応えたところも序盤の盛り上がりのひとつだった。

そしてそのtowanaさん。「calling」「ムーンリバー」といった静かに激しい歌からハイトーンが続くアップテンポ曲「コメットルシファー ~The Seed and the Sower~」までが混在するハイスパートな序盤を一気にトップギアで駆け抜けても息切れすることのない、ボーカリストとしての安定感に驚かされる。
さらに素晴らしいのは、その安定感を備えながらその歌が音楽的なスリリングさも兼ね備えていることだ。技術的には安定していながらも表現としてはスリリング。そこはほかのメンバーの演奏にも共通しているが、ボーカルという特に身体的なパートでそれを体現する姿はひときわ印象的だった。
また広いホールでのライブということで、どこまでも突き抜けて届く、その声の遠達性も際立っていた。


と、序盤はかなりアグレッシブだったが、佐藤さんが「今日は長い旅になります」と告げたMCを挟んでからの「ケセラセラ」「いつかの、いくつかのきみとのせかい」「虹を編めたら」の流れは少し落ち着いた雰囲気。そのおかげもあってか、ここでは歌詞が特に強く届いてきた。

「未来のことはわからないけれど
 今ここにある奇蹟は僕のものと信じてる」
「僕らが夢見た魔法みたいな
 晴れ晴れとした景色を見つけた
 儚い地図に」
「物語の続きを見に行こう
 物語は未来へと続いていく」
「辿り着いたこの場所から僕らの虹を編めたなら」

「今」「未来」「地図」「物語」など、fhánaの歌詞に繰り返し登場するキーワード。この5周年ライブだからこそ、その言葉たちが改めてさまざまな意味で響いた。そんなファンも少なからずだったのではと思う。

再び短いMCを挟み「わたしのための物語 ~My Uncompleted Story~」からFirst ACTもいよいよ終盤。

キラーチューンである「青空のラプソディ」では、towanaさんとkevinさんがステージ左右に展開して客席を煽り、佐藤さんのピアノとyuxukiさんのギター、そしてリズムセクションが粋なビートを弾き出す。towanaさんの「ラ・ス・ト!」のかけ声からの
「chu chu yeah! please me! 息を切らし without you!」
で見事な大団円だ。

その盛り上がりから「divine intervention」へとなだれ込み、続いての「星屑のインターリュード」ではイントロの瞬間に大きな歓声が溢れた。
そこからtowanaさんの「次はわたしたちのいちばん新しい曲を聴いてください」という言葉から「STORIES」が披露され、First ACTの幕が下ろされた。


そしてクレジット映像が流れるとスクリーンには、
「The story goes on…」
の文字が残され、しばしの時を挟んで、
「Second ACT」
の幕が開く。


Second ACT ~ライブならではの美しい光景~


<Second ACT>
15. The Color to Gray World
16. What a Wonderful World Line
17. 現在地
18. little secret magic
19. Do you realize?
20. Relief
21. 光舞う冬の日に
22. Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~
23. white light


ここからは必然的に、ベストアルバムには収録されていない、カップリング曲やアルバム曲を中心としたセットリスト。ライブで披露される機会が少ない曲も含まれており、ファンの方それぞれに「これ聴きたかった!」と刺さった曲も多かったのではないだろうか。

冒頭ゆったりと歌い上げる曲を続けて再びの幕開けを客席に染み込ませたかと思うと、「現在地」からは再びツインギターでの激しい曲が続く。
そこからの「Relief」ではイントロが鳴り始めた瞬間に大きな歓声が上がり、きれいに揃ったクラップが巻き起こった。空間系エフェクトも生かしてリズムを組み立てた軽やかなエッジ感のギターカッティングが曲を通して印象的。またこの曲では、佐藤さんがこの日初めてもう1台の鍵盤に移動。唸りを上げるシンセサウンドでギターとのバトルを展開した。


「光舞う冬の日に」は、個人的にはこの夜でもっと印象的な曲だった。サビなどで5/4拍子になるのだが、そのリズムでtowanaさんがタクトを振るかのような振り付けを見せると、それに合わせ同じように手を振る観客も。そのおかげか、ともすれば客席にとまどいを生みかねない複雑な拍子構成の曲であるにも関わらず、むしろ、より強固な一体感が生み出されていたのだ。バンドとファンが、ライブならではの美しい光景を見せてくれた。

そしてSecond ACTは、towanaさんがイントロとアウトロで大きく息を吸い込み「幾千回ものループを繰り返し今ここに」と、ていねいに歌いあげた「Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~」、佐藤さんがピアノのフレーズをループさせそのうえに演奏を重ねて熱と静寂を生み出した「White light」にて幕を下ろした。


スクリーンには
「Next to the Last Story…」
の文字が残され、観客の手拍子を受けてそれは
「Last ACT」
へと移り変わる。


Last ACT ~すべてのfhánaを込めて~


<Last ACT>
24. World Atlas
25. Cipher
MC
26. kotonoha breakdown


ついに「Last ACT」。3rdアルバム表題曲「World Atlas」に続いて披露されたラスト2曲は、fhána結成前に当時はボカロ曲として作ったものだという「Cipher」、「光舞う冬の日に」と同じくデビュー前の自主製作盤に収録の「kotonoha breakdown」という、時間を大きく遡ったところからの選曲だった。


しかし冒頭に述べたように、これらはかつての日々を懐古的に振り返るようなものではなかったと感じる。
この特別な夜にあの日から今日までのすべてのfhánaを込めて表現するために選ばれたのが、「あの日の曲を今のfhánaとして届けること」だったのではないだろうか。
そして
「Our story goes on…」
スクリーンに最後に残されたそのメッセージこそいま彼らがいちばん伝えたかったことだったのだ。そう思わされた一夜だった。

 

セットリスト


<First ACT>
01. calling
02. ワンダーステラ
03. tiny lamp
04. Hello!My World!!
05. ムーンリバー
06. コメットルシファー ~The Seed and the Sower~
MC
07. ケセラセラ
08. いつかの、いくつかのきみとのせかい
09. 虹を編めたら
MC
10. わたしのための物語 ~My Uncompleted Story~
11. 青空のラプソディ
12. divine intervention
13. 星屑のインターリュード
MC
14. STORIES

<Second ACT>
15. The Color to Gray World
16. What a Wonderful World Line
17. 現在地
18. little secret magic
19. Do you realize?
20. Relief
21. 光舞う冬の日に
22. Outsdide of Melancholy ~憂鬱の向こう側~
23. white light

<Last ACT>
24. World Atlas
25. Cipher
MC
26. kotonoha breakdown


(取材・文/高橋敦)

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