手堅く王道、しかし強力なポップネスが光る最新アニソン! 出口博之の「いいから黙ってアニソン聴け! in 2019冬」

2019年02月12日 15:210
手堅く王道、しかし強力なポップネスが光る最新アニソン! 出口博之の「いいから黙ってアニソン聴け! in 2019冬」

全国1千万人のアニメファンの皆様こんにちは。流浪のベーシストであり、アニメソング・特撮楽曲中心のDJ・出口博之です。

毎クールのアニメ作品が出揃う頃にどこからともなくやってくる、主観がすぎるコラムでおなじみの「いいから黙ってアニソンを聴け!」

おかげさまで1019年も続投の運びとなりました。ありがとうございます。

昨年末に書いた、お笑い芸人でアニソンDJのBAN BAN BAN・鮫島ヒロミさんと2018年のアニソンを総括する対談記事が各所でとても評判がいいそうで。語り足りない部分も多々あり、2017年に開催したトークイベント復活の気運が高まっているので、今年はアニソンをテーマにいろんな角度から楽しむトークイベントを開催したいと考えております。

アキバ総研さんのお力、お借りします! ここ大事!

皆様、何卒よろしくお願いいたします! ここも大事!

⇒出口博之×鮫島ヒロミが2018年のアニソンを語りまくる! 年末スペシャル「いいから黙ってアニソン聴け!」ロング対談!!

 

さて、初めて読まれる方もいらっしゃると思いますので、当コラムの簡単な説明をば。

毎クール放送されるアニメ作品のオープニング曲、エンディング曲をすべて聴き、ワタクシ出口の大いなる主観で10曲選ぶ、というコラムです。「あの曲がない!」「この曲を入れてない!やり直し!」とおっしゃる方もいると思いますが、あくまで私の主観、好みで選んでいますので「あー、こんな聴き方もあるんだなぁ」というお気持ちで読んでいただけたら幸いです。

 

2019年冬アニメですが、今期は各作品のカラーがはっきり出ている印象。絶賛放送中なので今後評価は変わるかもしれませんが、今のところ、ギャグ、日常、シリアスなど、自分の好きなジャンルが選びやすく、安心して楽しめる作品が多いと感じました。あえてちょっと斜めから見ると、全体的に手堅い作品が多く「強烈な目新しさ」や「異物感」がある冒険した作品が少ない、とも言えます。とはいえ、「バーチャルさんはみている」は今までの文法から逸脱したアニメ作品でもあり、これをアニメ作品と言っていいかわからないところも含めて「今までになかった楽しみ方の作品」という強烈な異物感はありますし、ネット配信の強さが感じられる「revisions リヴィジョンズ 」や「どろろ」も攻めた作品です。どちらがいい悪いではなく、どちらにもいい部分があり、楽しみ方や好みは千差万別ですので、今期が全体的におとなしい作品が多いと感じる方もいれば、好きな作品が安心して楽しめると思ってる方もいるし、私としましては今期もアニメが放送されてよかった!と思う次第であります。

 

そんな私が手堅く選んだ今期聴くべきアニメソング10曲を発表します!

それでは、どうぞ!

 

上野さんは不器用

OP「閃きハートビート/伊藤美来」

 

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~

OP「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花/鈴木雅之」

 

サークレット・プリンセス

OP「HEAT:Moment/橋本みゆき」

 

スター☆トゥインクルプリキュア

ED「パぺピプ☆ロマンチック/吉武千颯」

 

3D彼女 リアルガール(第2シリーズ)

OP「二人なら/BiSH」

 

同居人はひざ、時々、頭のうえ。

OP「アンノウンワールド/Schrödinger's Cat コトリンゴ」

 

バーチャルさんはみている

OP「AIAIAI (feat. 中田ヤスタカ )/キズナアイ」

 

みにとじ

「この番組はうら若き公務員たちの提供でお送りいたします/衛藤可奈美(CV.本渡楓)&安桜美炎(CV.茜屋日海夏)」

 

モブサイコ100 II

ED「メモセピア/sajou no hana」

 

私に天使が舞い降りた!

OP「気ままな天使たち/わたてん☆5」

 

以上、10曲となります。

今回は珍しくオープニング曲が多い。当コラム初期から読まれている方はご存知かもしれませんが、私出口は「エンディング曲選びがち」という傾向があるのですが、今期はオープニング曲の引きの強さ、いわゆる「つかみ」が強い作品が多かった。

 

その中でも、今期最強の引きの強さを誇るのが「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」のOP「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」です。

 

 

「歌:鈴木雅之」

これだけで優勝ですが、作詞・作曲が水野良樹さん。邦楽のトップランカーによるアニメソングは優勝以外のなにものでもありません。いやー、まいった。

こういったタイプの曲(ブラックミュージック由来の歌謡曲)は演奏者、特に歌唱者の素質がモロに問われるジャンルですので、「歌:鈴木雅之」の頭抜けた説得力たるや。

音楽的な解説やテクニック的な部分など細かく分析するよりも、一発聴いて「あ、これすごいや」と思わせる音楽の力。見た人、聴いた人をグッと引き寄せるパワーが「歌:鈴木雅之」にあるんです。

 

ここ最近の流行というか、「引き」のトレンドになっているもののひとつにジャクソン5オマージュがあります。今期は「私に天使が舞い降りた!」のOP「気ままな天使たち」ですね。

 

 

ド頭のピアノのグリス、ギターの細かい16分のカッティングはジャクソン5の「I Want You Back」からの影響と推測できます。リズムはファンク、ディスコなどブラックミュージックをベースにしたモダンなポップスとしてまとまり、根底にはオールディーズのリスペクトが感じられとても勉強になります。

こうやって書くと厄介なパクリ警察が出動してしまうので一応釘刺しておきますが、元ネタがきちんと見えるというのは音楽(もちろん他の芸事も、もちろんアニメも)にとって非常に健全なことです。どこがどう引用されているか、どういうオマージュなのか、といった解説は実際に聴かないと伝わりにくい部分もあるので、それこそトークイベントで「I Want You Back」を聴きながら答えあわせしたいですね。

  

この曲を聴くと世の愛猫家(私含む)が、飼い猫を溺愛したくなるでおなじみの曲は、「同居人はひざ、時々、頭のうえ。」のOP「アンノウンワールド」

 

 

2年ほど前に子猫を拾い引き取って以来、愛猫家の方の「うちのが一番かわいい」と言いたくなる気持ちが完璧にわかりました。そう、うちのつくね(雌2歳)が一番かわいいんですよ、実は。

これはそういう曲です。と終わらせるつもりでしたが、つくねがかわいいしか言っていないので続けます。

現在でもCMなどで耳にする機会が多いシュープリームスの「恋はあせらず」的なモータウンビートが気持ちいいです。ビートはオールディーズ寄りですが、音作りやフレーズはかなりモダンなアプローチなのが特徴的です。結構エッジが効いていて、ドラムが思った以上にパワフルなのが今っぽいです。ドラムの音作りは時代ごとに面白いくらい変化するので、さまざまな年代の音楽のドラムを集中的に聴いてみると色んな気付き、たとえば自分では気付かなかった音楽の好みが判明したりもするので、ぜひ聴いてみてください。

 

音楽、特にアニメソングのようなジャンルの音楽にとって「聴きやすさ」という要素は非常に重要なファクターです。どんなに素晴らしいことを発信しても、最初から「こんなの聴いてられない!」と思われたら元も子もありません。しかし、だからといって「聴きやすさ」に特化しすぎると、なんの面白みも意外性も感じられない曲になり、特に引っかかるところもなく素通りしてしまうので、何かフックになる部分、つまり「聴きにくさ」や「いびつさ」を入れなければいけません。「聴きやすさ」とは、「聴きにくさ」があって成立します。

 

「モブサイコ100 II」のED「メモセピア」は、そのバランスが絶妙なところで成り立っている曲です。

 

 

オルタナ、ポストロックなどの要素が渦巻く中、叙情的なメロディが異彩を放ちます。異常な手数や高速フレーズは聴く人を選ぶやさしくないアレンジ、誤解を恐れず言うと「聴きにくさ」につながりますが、逆にそれがいいフックになっていて、結果として非常に「ポップ」な印象を与えます。この場合ポップとは、音楽ジャンルではなく大衆性、聴きやすさという意味です。

同じような印象を受けた曲が、「3D彼女 リアルガール(第2シリーズ)」のOP「二人なら」です。

 

作品に出演されている声優の方たちがキャラクター準拠で歌う主題歌に比べ、誤解を恐れず言い切ってしまえば非常にいびつです。しかし、このいびつさこそBiSHの色であり、アイデンティティなのです。

一般的なアイドルにはない突出した攻撃性と、そこから妙なコケティッシュさが醸し出されるような歪なバランスは、これも結果として「ポップ」に帰結する。だからこの曲も、聴いた後もずっと耳に残るのです。

  

「みにとじ」の「この番組はうら若き公務員たちの提供でお送りいたします」も、なかなか凶暴でやさしくない曲です。

 

とにかく、音数を詰め込めるだけ詰め込んでリズムの隙間を埋め尽くす圧倒的な情報量が「あっ!」と言ってる間に怒涛の勢いで過ぎ去ってしまします。行間を考える暇がまったくないので、聴き方としては始まったが最後、勢いに身をまかせるほかありません。しかし、やっぱり聴きやすいんですよ、この曲も。四方八方で鳴る音が渾然一体となって大きな塊になって、ヘンテコなのにポップ。あと、ベースが弾きたくなるフレーズの嵐なので、すごくコピーしたくなります。誰か弾いてみた動画撮って上げてください。私はそれを見ながら練習しますので!

  

「上野さんは不器用」のOP「閃きハートビート」は、今までにはないリズムパターンが印象的です。

 


イントロやサビのリズムパターンがラテンのリズムなんですね。言葉で説明するのは非常に難しいので思いっきり省略して解説すると、特にサビで「弾むような感じのリズム」だと思いませんか?

それです。ラテンでは専門的な言い方をすると「3-2」とか「2-3」とか、まあいろいろあるんですが、とにかく独特な弾むリズムがラテンミュージック、と思ってもらえれば、ほぼ大丈夫です。細かいことは後からついてくる!「このリズム、かっけー!」これで万事OKなので、深く考えず聴いてみてください。

  

「サークレット・プリンセス」のOP「HEAT:Moment」は、今期のアニメソングの中で特に王道のアニメソングといってもいい曲。

 

BPM140あたりのテンポ、ザクザクした歯切れのいいギターが楽曲全体に疾走感を与える、隙間を縫うようなシンセ、曲中の転調。この曲の特徴的な部分を抜き出してみると、1990年後半から2000年初頭にかけてのアニメソングの特徴と一致します。2000年前後は四つ打ちの曲が増えた時期。これ以降、アニメソングのド定番として定着します。最近はジャンルの幅が広がって今まで聞いたことのない新しいタイプのアニメソングを聴くことができますが、やっぱり「これだよこれ!これがアニソンだよな!」と思える強い曲って、理屈抜きにして一聴してバシッとハマる感じがありますね。

 

今期冬アニメの中で、放送開始がもっとも遅かったのは「スター☆トゥインクルプリキュア」。プリキュアシリーズの楽曲は本当に捨て曲がありません。今作も素晴らしい曲です。ここで語るべきはED「パぺピプ☆ロマンチック」でしょう。

 

プリキュアといえば、やっぱりダンス曲!ですが、この曲はブラックミュージック由来のダンサブルなビートがありません。テクノ歌謡、テクノポップ、そういったジャンルの直前的なビートの曲です。というか、おそらくこの曲は「プリキュア版ピンクレディー」なんじゃないかと。

今回のプリキュアは宇宙。宇宙といえばUFO。UFOといえばピンクレディー。このチャートは完全に私の妄想ですが、イントロ頭の半音フレーズ、ちょっとコミカルなダンスの振り付けを見るに、まず間違いないと思います。それにしても、この組み合わせを考えた人はすごい! そこはかとなく漂う昭和テイストが、きちんと現代にアップデートされているのも聴きどころです。天才!

 

最後は「バーチャルさんはみている」のOP「AIAIAI (feat. 中田ヤスタカ )」です。

 

 

冒頭でも書きましたが「アニメ作品と言っていいかわからない」今期最大のトンがった作品。で、オープニング曲も途中から変更されます。正直に言うと、ここの10曲に入れるつもりがなかったのですが、実際にオープニング見たらこれがなんとも。

中田ヤスタカ氏が手がける曲は、クラブ方向にシフトする前後の初期CAPSULE、もしくはきゃりーぱみゅぱみゅライクなジャパニーズトラディショナルのシティポップな曲。その曲にのせて、バーチャルな渋谷の街を疾走するバーチャルYouTuber。で、最終的にバーチャルYouTuberの手によって渋谷の街が爆発して崩壊エンドというドタバタギャグ。ですが、乗ってるバイク、よく見たら完全にガーランドじゃん! メガゾーン23じゃん! そうすると、一気に見方が変わりました。

超絶簡単に「メガゾーン23」を説明すると、地球を死滅させた人類と、その人類の是非を問うシステムが軸となる3部作のOVA。シリーズを通して物語のキーとなる「イヴ」というキャラクター、これがバーチャルアイドル、今でいうバーチャルYouTuberに近い存在なんです。

わからない方は各自調べてもらいたいのですが、実際に「メガゾーン23」を見てから「バーチャルさんはみている」を見ると、思わず深読みしてしまう、というのは言い過ぎですが、ちょっと違った視点で見られると思います。

7話からオープニング曲が変わるようなので、次はどんなネタが入ってくるのか注目したいところです。

 

 

いかがだったでしょうか。

選曲した10曲に、みなさんのお気に入りの作品、お気に入りの曲はありましたか?

今期の出口的イチオシは「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」にしたいと思います。

もうね、この曲は全方位で強すぎます。クラブでも抜群に映えると思うし、はやくDJでかけたい!

次のクールも、「うわ!これはヤバいぞ!」というアニメソングに、作品に出会えることを期待しています。

(文/出口博之)

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