「みんなで見たことない景色を見ようぜ!」バンドもファンも「ひとつ」になった感動の25曲! OLDCODEX「GROWTH TO BE ONE」ツアーファイナル・ライブレポート!

2019年01月15日 18:350

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2019年1月5日、平成最後の新年に、OLDCODEXが東京・豊洲PITにて「OLDCODEX Tour “GROWTH TO BE ONE”」ツアーファイナルを飾った。

ロビーにはツアー中、各地のファンが書き込んだ寄せ書きが展示され、OLDCODEXがいかに長い旅を経てきたのかが一目瞭然。そして会場に入ると、ステージにはカラフルにペイントされたアートワークがところ狭しと並べられているではないか。今日のステージが、2018年8月から4か月強にわたるロングツアーの集大成になることを、いやがうえにも思い知らされる。一抹のさみしさと、そして抑えきれない期待感に胸が高鳴る中、満を持してライブの幕が上がった。

 

「心の底から楽しい時間を作っていきたい」(Ta_2)

開演時間をまわると会場は暗転。静謐な雰囲気が会場を包み込む中、メンバーがステージに登場。ツアーファイナルは、「another point」の重厚なサウンドからスタートした。ミディアムなビートが響く中、ボーカル・Ta_2さんは身じろぎすることなく歌声を響かせる。いっぽう、ペインター・YORKE.さんはフロアをあおりつつキャンバスにブラシを走らせる。これから始まるライブへの期待感が限界まで高まったところで、「東京、ファイナルだぞ! 騒げ、遊べ、いくぞ!」とTa_2さんはシャウト。一転してハードなロックチューン「fool K」で一気に会場のボルテージを急上昇させる。

 

「待ってました!」と言わんばかりに歓声がフロアから上がると、観客も間奏で一斉にジャンプ! Ta_2さんも怒濤のスクリームでそれに応えた。

続く「One Side」では、「お前らの腹にたまってるもん全部見せてくれよ」というTa_2さんの言葉に応えるように、観客席から力強いかけ声があがり、最前列ではヘッドバンギングをする観客も。YORKE.さんも負けじと、シャウトで応酬。すでに会場の盛り上がりは最高潮だ。そんな中、Ta_2さんは、力強いシャウトを聴かせたかと思うと、ふとした瞬間に色気すら感じさせる伸びやかな歌声を聴かせてくれる。

それにしても、ファンの盛り上がりを目の当たりにした彼の表情の、なんと嬉しそうなことか! まさにファンとともにたどり着いたツアーファイナル。それを特等席で味わっていたのは、Ta_2さん本人だったのかもしれない。

 

 

「Eyes in chase」「Ignite」「painter」と新旧取り混ぜた楽曲で、ライブ序盤を一気に駆け抜けたOLDCODEX。ようやくここでひと息ついたTa_2さんが、「心の底から楽しい時間を作っていきたいと思うので、準備はいかがですか?」。そんな言葉とともに披露したのは、「Bang」。ダンサブルなビートに乗せて、楽しげに飛び跳ねる観客達。そんなフロアに「バン!」と銃を撃つような仕草でおどけてみせるYORKE.さんがほほえましい。

「Tag On The Strain」「Night flight」では、三日月のように見えるペインティングをバックに、Ta_2さんが爽やかな歌声を聴かせる。特に「Night flight」ではマイクをふられた観客が一斉にシンガロングするひと幕もあり、序盤のハードな表情とはまた異なるバンドの魅力を再認識させてくれる。OLDCODEXの懐の深さを感じさせてくれたところで、早くもライブは中盤に突入した。

 



「守るものがあるとしたら保守的になっちゃいけない」(YORKE.)

ライブ中盤、Ta_2さんは、昨年自分たちの音楽ジャンルについて「アートロック」という名称を考えたことを語った。バンドサウンド、YORKE.さんによるライブペインティング、メッセージ性を持った演出などさまざまなフックを持つOLDCODEXのジャンルを語る言葉として、確かにこれ以上のものはない。

ここからは、そんな自分たちの提唱するジャンルが、「懐かしい曲とともに、がっつり感じてほしい」というTa_2さんの言葉とともに、ステージ上で表現された。

 


ステージ中央に大きなキャンバスが登場。「sad day in the sunlight」の演奏とともに、YORKE.さんのライブペインティングがスタートした。ここでは、Ta_2さんはステージ脇に立ちボーカルに専念。あくまで「ここからの主役はYORKE.だ」というメッセージを、パフォーマンスを通じて訴えかける。

続く「rainbow」では、YORKE.さんがさまざまな色のブラシを走らせると、いつしかキャンバスには大きな虹が出現。そして「hidemind」の内省的なサウンドの中で、今度はTa_2さんがステージ中央でひざまづき熱唱すると、YORKE.さんはキャンバスに「世界を見つめる瞳」を描き出す。

あざやかな色彩でさまざまな世界を描き出したYORKE.さん。彼は最後にキャンバスを大きく切り取ると、それを細くより合わせる……と、今度はそれが「美しい背骨」になる。最後は「Clean out」の演奏に乗せてその背骨から生える翼を描き、その前に立つYORKE.さん。まさに音楽とペイントと、身体的パフォーマンスが一体となった「アートロック」の世界が繰り広げられた。

 


結成10周年を目前にした彼らがたどり着いた世界がここなのか……! そう思うと、実に感動的であり、感慨深くもなる。

ひと息ついたYORKE.さんは、「2018年は、保守的になっちゃったから、攻めなきゃいけないと知った。守るものがあるとしても、今年は攻めるぜ」と宣言。そんな彼の意気込みを感じさせる、前衛的なパフォーマンスに会場からは熱い拍手が巻き起こった。

 


 

「ひとつになれたぞ!」(Ta_2)

ここから終盤戦。その前に、ツアーの思い出話に花が咲く。広島のお好み焼きがおいしかったと語るTa_2さん。台湾でタピオカのおいしさに目覚めたというYORKE.さん。トークの合間から、彼らの日常風景が垣間見れるのも楽しいが、やはりライブの主役は音楽!

ということでここからは「Shelter」「Backed out」「Dried up Youthful Fame」といったハードな楽曲を、ほぼノンストップで披露。1曲ごとにフロアの熱気が、グイグイと上昇していくのが感じられる。

 

そしてライブではもはや定番のダンスタイムに突入。「kick out」がスタートすると、おもむろにYORKE.さんがフロアに降りて観客の間を突き進んでいく。そして道すがら選んだ男女9人の観客をステージにあげると、彼らとともに熱唱! OLDCODEXのメンバーに代わりフロントに立った女子2人があおると、会場のボルテージは急上昇! 誰もが笑顔のパーティータイムとなった。

Ta_2さんとYORKE.さんは、熱いハグでファンをステージから送り出すとラストスパートに突入。

ここで「ひとつのツアーを通して何かひとつになれれば。その積み重ねでツアーをやることができた」と今回のツアーを振り返ったTa_2さんは、「Heading to Over」を披露した。

 

この曲は、2018年夏に放送されたアニメ「Free!-Dive to the Future-」のオープニングテーマにもなった最新シングルだ。この曲は水泳に青春をかけるキャラクターたちに贈った楽曲でもあったが、本当に奮い立たせたかったのは自分、とTa_2さんは告白。そのうえで「誰かの応援歌になれば」と語った彼は、「今年もいろんなことがあると思う。でも、誰ひとり置いていくつもりはない。みんなで見たことない景色を見ようぜ」と語りかけた。

その思いは、言葉以上にパフォーマンスを通じて誰もが強く感じたことだろう。

そして「The Experience」、「Growth Arrow」でライブはフィナーレを迎えた。

「ひとつになれたぞ!」

Ta_2さんの言葉からは、ツアーを完走した喜びと確かな自信がひしひしと伝わってきた。

 

「ここまで歩いてきて、Ta_2とこれからも歩いていくんだなと思った」(YORKE.)

本来ならここでライブは終演、といったところだが一向に止まないアンコールに応えて、再びメンバーがステージに登場。

しかし、「今回のツアーのアンコールは皆さんからもらうご褒美だと思うから、演奏する曲は決めてない」とぶっちゃけるTa_2さん。そこで、その場で演奏する曲を決めるという最高にライブ感あふれるアンコールが展開した。

観客席からは、「あの曲をやって!」という声が飛び交う中、「スクリプト」「Rage on」とファン人気も高い楽曲が披露され、たちまちハッピーな空気に包まれる会場。演奏する曲を決めてない……ということでバンドメンバーもTa_2さんも、その場で楽曲や歌詞を思い出しつつのプレイとなったわけだが、ばっちり決めてくるあたりさすがとしか言いようがない。どんなシチュエーションでも、どんな曲でも演奏できるところに、OLDCODEXがバンドとしていかに経験値を積み重ねてきたのかがうかがえる。

 

 

そしてラストナンバー「smiling」を披露。「この景色思い出して」という歌詞がピッタリな盛り上がりでアンコールは終わった……かに見えた。

ステージから去ろうとするバンドメンバーを引き留めるかのような、満場の「もう1回!」コールに押されて、まさかのおかわりがスタートした。

本当のラストナンバーとしてOLDCODEXが選んだのは、「最初、MVを撮る時はコミカルバンドみたいでいやだった。でもあれから俺たちは変わった気がする。そしてここまで歩いてきて、Ta_2とこれからも歩いていくんだなと思った」とYORKE.さんも語る「WALK」だ。ここではバンドメンバーもステージ前に躍り出て、ツアーのオーラスにふさわしい一体感が会場を包み込んだ。

このメンバーと、ファンとならどこまでも歩いて行ける!

そんな確信を覚えたのは筆者だけではないはずだ。25曲を歌い終えたTa_2さんが、最後にステージに腰を下ろして余韻に浸っている姿が非常に印象的だった。

 

 

かくして全17公演にも及んだロングツアーは、ツアータイトル通りバンドと観客がひとつになって終幕を迎えた。しかし、OLDCODEXはまだまだ歩みを止めることはない。ライブ中、ニューアルバムの制作も発表され、彼らが描く「アートロック」の世界はますます新たな地平を描き出すことだろう。

そして何より、Ta_2さんは「また遊ぼうぜ!」と力強く手を振ってステージを後にしたではないか! きっとまたすぐ、より大きく成長した姿を見せてくれるはず。その日を楽しみに待っていよう!!

  

【セットリスト】

1.another point

2,fool K

3.One Side

4.Eyes in chase

5,Ignite

6,painter

7.Bang

8.Tag On The Strain

9.Night flight

10,sad day in the sunlight

11.ranbow

12.hidemind

13.美しい背骨

14.Clean out

15.Shelter

16.Backed out

17.Dried up Youthful Fame

18.kick out

19.Heading to Over

20.The Experience

21.Growth Arrow

En1. スクリプト

En2.Rage on

En3.smilmg

En4.WALK

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