古川知宏(監督)、樋口達人(シリーズ構成)、中村彼方(作詞家)が集結! TVアニメ「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」放送打ち上げロングインタビュー(前編)

2018年11月29日 12:000
古川知宏(監督)、樋口達人(シリーズ構成)、中村彼方(作詞家)が集結! TVアニメ「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」放送打ち上げロングインタビュー(前編)

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は、ミュージカルとアニメーションがリンクして展開する新感覚エンターテインメント。

それぞれの夢、願いを胸に“スタァ”を目指して名門音楽学校に通う9人の少女たちのもとに、突然舞い込んだ謎の招待メール。このメールをきっかけに、乙女たちの壮絶なバトルロワイヤルが始まるという設定だ。

2018年7月から9月にかけてTVアニメが放送され、先日には舞台「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#2 Transition」が上演されたばかり。アニメとミュージカルを軸に展開する「二層展開式少女歌劇」となっており、メインキャストの9人がアニメでの声優とミュージカルキャストのどちらも演じるのが特徴のプロジェクトだ。

 

無事放送を終えたTVアニメ版は、少女たちの心情と関係性を丹念に描きあげた物語や、放送中盤で明かされたどんでん返しが大きな話題となった。音楽を映像に合わせて制作するフィルムスコアリング形式で作りあげたレヴューシーンも大きな見どころだ。

 

そんな本作を作り上げた原案チームの中核となるのが、今回登場する3人のクリエイターだ。TVアニメ版の監督を務めた古川知宏さん、シリーズ構成・全話脚本の樋口達人さん、アニメ全曲作詞と戯曲脚本を担当した中村彼方さんに、放送を終えた今だからこそのお話を前後編に分けてお送りする。

 

「レヴュースタァライト」の全てを知るメンバーだからこそ語れる制作秘話に注目!

 

モチーフとしての東京タワーの、デザインの強さ

──TVアニメ全12話の制作、おつかれさまでした。今回は定形の話は抜きにして、TVアニメを終えた今だからこその話をざっくばらんにうかがっていければと思います。TVアニメシリーズを物語面から振り返るには原案チームのこの3人に聞くのが一番だろうということで、みなさんに集まっていただきました。

 

古川 ありがとうございます。

 

──まず、関係者の方々にキリンや東京タワーなど、印象的なモチーフの出どころについて聞くと大体出発点は古川監督のアイデアやこだわりだという話になるんです。

 

古川 そうなんでしょうか? だってまずみんな、東京タワー好きじゃないですか!

 

 

──すみません、「スタァライト」の放送前はそこまで東京タワーを意識していなかったかもしれません……。

 

古川 最近だとタワーといえば東京スカイツリーをイメージする方も多いかもしれないんですが、自分の感覚ではスカイツリーはまだ日本人の中にそこまで染み通って(なじんで)ない感じがするんですね。やっぱり怪獣に何かされないと日本人の中には根付かないんですよ。

 

モスラが巣を作らにゃならんらないとイカンのですよ。「シン・ゴジラ」もスカイツリーはスルーしたでしょう? 僕にとってスカイツリーは季節やイベントごとのライトアップを前提にした建造物なので、モチーフにする時に色の印象があまりキャッチーじゃないんですね。最初に塔をモチーフにしたいイメージが自分の中にあって、その上で昭和に生まれて平成一桁年代に青春を送った人間にとって、一番しっくりくるのが東京タワーだったんですね。赤い色やデザインがはっきりしているのがよくて、赤い鉄骨のアップを見ても「あ、これは東京タワーだ」と見ている人に伝わるのがとても大きいですね。アニメーションとはカリカチュア、キャラクター化する仕事なので、東京タワーはとてもモチーフにしやすいんです。

 

樋口 脚本の立場からすると、12年前に華恋とひかりが約束を交わした場所になるので、それ以上の歴史があること必要がありましたので。

 

──第四話「約束タワー」で東京をさまようひかりが浅草の雷門を訪れますが、あそこから見上げればスカイツリーですよね。スカイツリーの足元から東京タワーに行くのは意図的なんでしょうか。

 

樋口 ルート的にはひかりが徒歩でクラゲ(水族館)巡りをすることありきです。(※編注 東京スカイツリータウンではすみだ水族館が営業中。東京タワーにも放送当時は東京タワー水族館が存在した。)

 

古川 実際には徒歩で回るには無理がある距離なんですけどね(笑)。

 

樋口 脚本では移動ルートについてあまり明確には指定していなかったのですが、コンテと背景で、素晴らしいフィルムに仕上げていただいて。第四話のひかりと華恋のあの会話シーンは、監督から早い段階でぜひやりたいとオーダーがあったシーンなんです。

 

 

──2人が別々に巡る都内の風景を描写しながら、携帯電話の会話で離れていた時間を埋めていくシーンですね。

 

樋口 (携帯電話を介した)会話と時間を飛ばしながら、2人の心の距離が物理的にも近づいていく様子を描写していく。その時に2人が巡る場所のモチーフが何かないと、ただぼんやりとさまよう感じになってしまうので。最初は、ボルダリング場だと思っていたボケた写真が、実は水族館のクラゲの写真だった、みたいなたわいもないアイデアがあって、帰ってきた時にクラゲのぬいぐるみがあったらかわいいよね、と収まっていった感じです。

 

──すごく映画的でおしゃれなシーンでした。いっぽう若い視聴者の中にはちょっと難しい演出だと感じた人もいるようです。

 

樋口 会話がつながってないよ、ってツッコミはショックでしたね(笑)。

 

古川 シーンの意図をわかりやすく伝えるにはあと30秒あったほうがよかったのかなぁ。でも、あれでも伸ばしたんですよね(笑)。

 

樋口 伸ばしました! 脚本まるまる1ページ分ぐらい台詞が増えたんじゃないかな。情感的に伝えたい要素を追加しましたよね。

 

古川 12年の空白を埋める積もる会話って、そんなに簡潔に収まるものじゃないはずなんですよ。仮にAパートの間ずっと会話していたとして、本当に大事な会話が表現できるのか? 僕にはわからないんですよね。あとはアニメーションの絵としても、バストアップで切り替えしてずっと会話していたんじゃ、見ている人も飽きてしまうのではないか。会話シーンって簡単そうに見えるかもしれませんが、画面の中でキャラクターの顔が大きく映り続けて、お茶でも飲むならカップを取る時にもパースが発生して……というのは、アニメーターにとっては実はとても恐ろしい構図なんです(笑)。作画クオリティの維持が大変になるんですよ。

 

あとは学校と寮の往復だと世界が狭くなってしまうので、お出かけ回がほしかった、というのも第四話を入れた理由です。僕は普段移動シーンを省略しがちなので、ここはスタジオパブロさんの美しい美術で東京の街をしっかり見せたいと思いました。

 

──作画カロリーと表現のバランスという意味では、レッスン場での1対1のやりとりなどで見られる目元の芝居で感情を全部表現するような手法にも通じてきそうですね。

 

古川 レッスン場に入って、靴を履き換えて……みたいな動きをていねいに見せようと思うと、うまいアニメーターがかなり手をかけないといけないんですね。普通の所作、芝居であるほど、うまい人が描かないと不自然になるんです。実はパンチ、キック、ビームのほうがごまかしが効くんですよ(笑)。コップを取るという日常動作は誰もが経験しているから、不自然な動きがあると目立ってしまい、見ている人のノイズになる。

おっしゃる通り、会話シーンのカリカチュアは意識していて、キャラクターの感情が身体のどこに出るのかを考えています。僕らが見せたいものはキャラクターなので、キャラクターと関係性を見せることに特化しています。その意識はチーム全体で共通していて、僕が言わなくてもみんながキャラクターを拡張してくれるので、本当にありがとうございます。特に中村さんの歌詞とか毎回びっくりします。

 

中村 ありがとうございます(笑)。

 

古川 レヴュー曲でも、舞台少女たちの気持ちがどう交錯するかを考え抜いて、世界一うまく表現できるのは自分だという自負を中村さんからは感じます。

 

樋口 中村さんは「10番目の舞台少女」と言われてますからね。

 

古川 おじさんたちは舞台少女になれないからね。

 

中村 ありがたいことにそう言っていただけることが多いので、その名に恥じないようにがんばります。

 

 

──中村さんはレヴュー曲周りでは監督的な作業をしているいっぽう、キャストさんとの会話を聴いていると親しい友だちのような距離感に感じることもあって不思議な感じです。

 

樋口 アキバ総研さんでは中村さんと小泉萌香さんが対談したんですよね。あの文中にも、小泉さんの中村さんに対する信頼や安心感を強く感じました。

舞台少女たちは実は◯◯◯していた!? 第7話で衝撃展開の「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」小泉萌香(大場なな役)×中村彼方(作詞家)最速対談インタビュー
⇒ 語り部の女神と九九組の魔王が語る!? 「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」レヴュー曲はいかにして作られるのか。中村彼方×小泉萌香インタビュー

古川 特に作品の立ち上げ時期、まだアニメも舞台も形がないのに楽曲を収録しないといけなかった頃は、中村さんの存在がキャストたちが演じる拠りどころになっていたと思います。

 

中村 私は脚本会議にも参加していたのですが、作る立場というよりは、できあがっていくキャラクターや物語の情報を最初にキャッチする立場だったんですね。そういう時、自分の中にもたとえば「華恋はこういう時どうするんだろう」といった疑問が生まれるんです。それが会議の中でひとつずつ解消されていく経験をしていたので、演じる彼女たちがどういうことを疑問に思うかがある程度わかるんですね。

 

──ある意味同じ経験を先にしていた。

 

中村 そうなんです。そしてそれを言葉にして改めて彼女たちに伝えることで、自分の理解も深まるという作業の繰り返しでしたね。

 

樋口 舞台#1の前に中村さんが書いた歌詞があって、アニメの前に中村さんが脚本を担当したコミックの「少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア」があって。中村さんが手がけたものと言葉から、キャストの9人が舞台少女像をつかんでいった部分が大きいと思います。

 

古川 10人目であり、ある意味0人目の舞台少女だよね。

 



描く主体はストーリーよりも「キャラクター」

──さて、いろいろうかがったうえでなんですが、改めて放送を終えた今の心境を改めて教えてください。

 

古川 本当にギリギリのギリギリまで作業していましたが、スケジュール通りに放送に乗せることができました。最終話近くの制作は現場の人間にとっては本当に印象的な経験になりました(笑)。最後までがんばってくれたスタッフに感謝したいです。

先ほども話しましたが、この作品を作るうえで、あの9人は何者で、何を考えてどう生きているのか。それを考える意識が作品に関わる人に根付いていたのは本当にありがたいことでした。僕は監督ではあるんですが、舞台少女たちに導かれて、そこにあるものを掘り出してそのまま出すような、不思議な感覚でした。

 

樋口 まさに舞台に生かされているという感じですね。

 

──樋口さんはいかがでしょうか。

 

樋口 通常脚本のセクションは一番早く作業が終わるんですが、先ほどの第四話の台詞を足すとか、画面に入れるテロップとか、画面に張りこむ戯曲スタァライトの1ページであったりとか、そういう細かな依頼を監督からいただくんですね。だから現場の空気感を感じながら、放送終了まで一緒に熱意を持って参加できた作品でした。

 

 

──第七話の大仕掛けが大きな話題となったのは脚本家としてはどうでしたか?

 

樋口 「ななの再演」をきっかけに、この作品に興味を持ってくれる方が増えてくれたようで、本当にありがたいと思っています。でもあの設定はあくまで大場ななというキャラクターを描くためにあったものなので、仕掛けというよりは、ななという舞台少女の物語として、受け取っていただけたなら嬉しいです。

 

──第十話の真矢×クロ回は、2人の盛り上がりがあまりにもすごくて、果たして華恋とひかりはこの盛り上がりを超えていけるのかと見ていて心配になったほどです。

 

古川 それは僕たちもちょっと心配でしたから(笑)。

 

樋口 監督から真矢×クロ回では「Star Divine」を流したいと早い段階で聞いていたので、必ずうまくいくと思っていました。

 

古川 第十話で華恋とひかりが真矢とクロディーヌに勝った理由を十全に描けたかどうかは僕の力不足があったかもしれないと感じていて、「Star Divine」という強力な楽曲の説得力に助けられた部分が大きいと思います。ぎりぎりまでがんばった現場スタッフと曲の力、中村さんの詞。中村さんがいたから描けたフランス語のやりとりがあったからこそフィルムとして成立した部分があると思います。

 

樋口 華恋とひかりが勝てた理由は、「2人がスタァライトしていたから」、という真矢の台詞に集約されると思います。第十一話、第十二話で描いている部分でもありますが、この物語の主題は監督がはじめから宣言していた「華恋とひかりの運命」なんだな、と。

 

 

──中村さんは作り手であると同時に、誰よりもアニメを楽しみにしているひとりのファンでもあるように見えました。

 

中村 そうなんです。毎回必ずリアルタイムで待機して見て、ハッシュタグをつけてツイートして、毎話複数回見ていました。だから普通に観客として見ている部分があって……作り手としては見られなかったですね。

 

古川 いいなぁ(笑)。

 

中村 毎回すげー!みたいにナチュラルに見ていました。レヴュー曲の歌詞を描く時にコンテは何度も読みこむんですが、できあがったものは全く違う映像なんです。コンテが映像になっていく過程を初めて見たので、こんな風になるのかという感動が毎回ありました。

 

古川 第五話の「キラめきのありか」とかふざけてたでしょう(笑)。

 

中村 すごくかわいかったです!

 

古川 音響の時とかスタッフも、作業中ずっと笑いながら作っていましたからね。あの話はコンテだとああなるとはわからなかったでしょう?

 

中村 わからなかったです(笑)。

 

古川 僕の中では脚本の時点からおぼろげにああなるイメージはあって、スタッフにはずっと第五話は「風雲たけし城」(※編注 1980年代後半の伝説的な視聴者参加型バラエティ番組)なんだと話してたんですが、若いスタッフは「たけし城」がわからないのでジェネレーションギャップを感じました。

 

樋口 屋根を走るシーンは(たけし城のコーナーの)「ジブラルタル海峡」ですよね。

 

古川 そうそう! でも若い子は、ぽかーんですよ。

 

 

──ジェネレーションギャップといえば、華恋役の小山百代さんも五話のモチーフの野球盤がわからなかったと言っていました。

 

樋口 「ああ、消える魔球(投球中の球が盤に空いた穴に落ちて消えて、フォークボール等を再現するギミック)の説明をせねばならないな」と思いましたね。監督が「パカっとあいて落ちるの。パカっと」と説明してました(笑)。

 

中村 私も知らなくて、ネットで検索して理解して、放送後に実際に遊んでみました(笑)。

 

古川 僕よりもちょっと上の世代のおもちゃだからね。音響監督の山田陽さんは初代野球盤を持ってるって言ってました。第五話のような、いい意味で雑で楽しい回もやっぱり必要なんですよね。

 

樋口 僕が唯一許してもらえたギャグ回なので(笑)。

 

古川 三角関係って真面目に描くとやればやるほどじめじめするんです。

 

樋口 そこから逆算してポップなものにしようと決めました。1周以上振り切って、380°ぐらい回った狂気で。

 

古川 そのうえで、第五話のレヴュー曲「恋の魔球」の歌詞がよかったよね!

 

樋口 フィルムにタイミングを合わせていく「まひるになるよ」は素晴らしかったです。台詞と歌詞と映像が一緒に攻めてくる実にずるい作りですよ、あれは。

 

 

──まひるがらみのギャグ話だと、いつの間にかひかりがいてまひるの恥ずかしい場面を見られる、といった天丼(繰り返し)のパターンが印象的です。

 

古川 実はあれも先ほどの作画の工数の話になってくるんです。ドアが開きますよね。入ってきますよね。座りますよね。描くの大変なんですよ。そして大変な思いをして描いた結果、映像のテンポが悪くなる場合もあるんです。これが仮に、バーン!と音がしてドアが開くなら、こいつ怒ってるんだな、という情報が伝わる意味があるんです。意味のない段取りのシークエンスを入れるのは自分としてはNGなんです。当然、ていねいな描写やたっぷりとした時間によってしか表現できないものもあるし、作品やテーマによってケース・バイ・ケースなので一概には言えませんが。

 

──古川監督が非凡なのは、実務上の省略が、映像上の効果的な演出として機能していることだと思います。その意味では本当に第一話は無駄がない美しい構成だと思いました。

 

古川 一番の理由は尺がなかったことなので、ギリギリまで削ぎ落としてます。

9人のキャラクターを最低限説明しつつ、一般の学校とは違う「舞台学校」としての特殊性も提示しなければならない。その上でこの作品に「引っかかり」を感じてもらわなければならない。

だからラストはもう音楽と映像の洪水にして、その熱量に巻きこまれた人が翌週も見てもらえればいいと考えました。

でも第一話、無駄ないですか? 自分では隙があるなぁと思うんですが。

 

──あれ以上に削ぎ落としてしまうと、伝えるべき情報がこぼれ落ちてしまうギリギリのラインではないかな、と。

 

樋口 第一話から監督がずっとおっしゃっていたのは「OPを入れるから圧縮しないといけない。でも圧縮して削ぎ落とすためには、それでも本編が成立する新しい表現を開発しないといけない。その開発がこの作品には必要なんだ」と言うことでした。

 

 

──印象的なのが舞台少女たちがレッスン場に集う場面です。「出席番号何番、◯◯、入ります」という言葉がすずなりになって、レッスン場に入ってくるだけのシーンが何か舞台少女の特殊性、特別さを感じさせるものになっていました。

 

古川 樋口さんが脚本に書いた「入ります」を見て、うまいなと思いました。それっぽい。それがカリカチュア(劇画、風刺画、誇張した絵のこと)なんです。特別な学校感を端的に表現しているうえに、オタクが大好きなナンバーが入っている。オタクは番号が大好きなんですよ!

 

樋口 テロップを入れることは聞いていたので、そこは効果的に使わないといけないなと思いました。

 

──映像的にも広角レンズの使い方やカメラワーク、ポジションゼロマークの使い方などで、一切説明しなくても天堂真矢が別格であることが伝わってきました。

 

古川 それを伝えるのが演出家の仕事ですからね。でもたしかに、いつもよりも動かした一話でした。僕が得意なのは逆に動かさない描き方で、それが出ているのが第七話なんです。意識して動かしていないので、(動画)枚数にしても1800枚ぐらいじゃないかな。枚数は少ないけどそれを感じさせない演出がどちらかというと得意なんです。

 

 

──ちなみに「スタァライト」の標準枚数はどれぐらいなんですか?

 

古川 話数によります。でも最終話はあれだけスペクタクルな展開にしては6000枚くらいしか行ってないんじゃないかな。中村さんのために説明すると、一般的な30分アニメを作るのに必要なのが昔から3000枚ぐらいなんです。

 

中村 そうなんですね。

 

古川 最近はちょっと増えていて、セル換算で言えば4000枚~4500枚ぐらいがスタンダードなんじゃないですかね。話数として意識して増やしてもらったのは第三話と第八話で、6500枚ぐらいかなぁ。一番多いのは、やっぱりバンクを書いた第一話で7000枚~8000枚ですね。枚数が増えると予算も時間も増えてしまうので。あとはレンダリングですね。

 

中村 レンダリングとは?

 

樋口 デジタルデータ化する作業です。

 

古川 音楽もデータ化するのに時間がかかるじゃないですか。映像も枚数が多くなるほど処理に時間がかかって、映像を描き出すのに時間を必要とします。納品スケジュール直前の状況においては非常に重要な要素です。

 

──なるほど、全体を見渡す監督としてはそういったコストをマネージメントしつつ、クリエイターとしてその制約を演出に変える発明をし続けているわけですね。次回は監督の制作のルーツや戯曲「スタァライト」について、アニメで感じた疑問点などについてうかがえればと思います。引き続きよろしくお願いします。

 

(後編に続く)

 (取材・文:中里キリ)

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少女☆歌劇 レヴュースタァライト

少女☆歌劇 レヴュースタァライト

放送日: 2018年7月12日~2018年9月27日   制作会社: キネマシトラス
キャスト: 小山百代、三森すずこ、富田麻帆、佐藤日向、岩田陽葵、小泉萌香、相羽あいな、生田輝、伊藤彩沙
(C) Project Revue Starlight

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