“PVC製の組み立て美少女フィギュア”を発売したアワートレジャーさんに聞く“組み立てキットの行方”【ホビー業界インサイド第41回】

2018年11月24日 12:000
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ガレージキット文化は、決してなくならない


永見 私は最初のガンプラブームからもまれてきた世代だし、その後はガレージキット、そして完成品フィギュア文化に、趣味でも仕事でも触ってきました。ですから、「組み立てキット」という商品形態が、身に染みついてしまっています。今回の「アッセンブル・ヒロインズ」がキットなのか、フィギュアなのかは、世の中の反応を見ながら推しかたを考えていきたいと思っています。「塗るための楽しみも残しておいてほしい」という声もあるでしょうし、水着の細部まで塗装された商品を求める声が多ければ、少しずつ仕様を変えていくこともあるかもしれません。

── アワートレジャーでは、ロボットのレジンキットも出していますが、80年代のガレージキットブームの頃から組み立てやすくなっているのですか?

永見 昔のレジンキットに比べれば、今のレジンキットは組み立てやすくなっています。原型をつくる技術、製造・生産する技術も向上していますし、レジン自体の材質もよくなっています。かつてのようにパーツに大きな段差があったり、あちこちが気泡ばかり……ということはありません。いっぽうで、プラモデルもすごく組み立てやすくなっていますよね。組み立てるのが楽しい人は問題ないでしょうけど、短時間で買ったものすべてを組み立てたい方にとっては、レジンキットは、やはりそれなりの大変さはあるかもしれないですね。レジンキットにとっての問題点は、実は組み立て難易度より、上昇しつづける価格がポイントではないかと思います。ですが、「価格を抑えるよりも、妥協せずとにかくクオリティの高い商品にしてほしい」という声も聞こえてきますし……。


── アワートレジャーでは、なぜ最初にレジンキットを出し始めたのですか?

永見 PVC製フィギュアは金型をつくらねばならないので開発コストもかかりますし、時間もかかるからです。それと、自分の得意なこと、好きなことから始めようという想いがあったので、ずっと親しんできたレジンキットからスタートしました。

── まだレジンキットが残っていて、イベントでも完売していますね。作るのは大変なのに、不思議な文化ですよね。

永見 送り手の「出したい、発売したい」という欲求もあるでしょうし、ユーザーの方も「作りたい」気持ちが強いから、いまだにイベントでもいっぱい売られているのだと思います。ディーラーさんもワンダーフェスティバルが近づくと、SNSで盛り上がったりしてますよね。「売る」という意味では以前よりも難しい時期に来ていると思いますが、それでもガレージキット文化がなくなることはないだろうし、どんな形でも続いていってほしいと願っています。



(取材・文/廣田恵介)

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