“PVC製の組み立て美少女フィギュア”を発売したアワートレジャーさんに聞く“組み立てキットの行方”【ホビー業界インサイド第41回】

2018年11月24日 12:000
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※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

パーティングライン、ゲート跡を処理する理由


永見 インターネットを見ていると、プラモデルをきれいに塗装したり改造してみましたという投稿をよく見かけます。だけど落ち着いて周囲を見渡すと、ガンプラなどを素組みで作って、ポンと机に置いているだけの人が少なくない……いえ、少なくないどころか「素組み派が大多数ではないか」と、気がついたんです。ですから、お客様にとって、組み立てること自体のハードルは高くないと思いました。
弊社はカラーレジン製で、パーツ単位で色分けされたロボットの組み立てキットも発売していますので、同じような感じで、それこそランナーも付いたままのPVCパーツがビニールに入っただけなら1,980円から2,980円ぐらいのフィギュアを出せるのではないだろうかと、最初のころは考えていました。瞳をデカールにすれば、工場のワーカーさんの手数は確実に減るので、デカールを前提に考えてもいました。しかし、ただパーツを袋詰めした程度では、そこまで価格を下げられないとわかりました。また、瞳デカールを顔面の正確な位置に貼るのは、実はかなり難しい。それならば、瞳はちゃんとタンポ印刷して、頭部だけ完成品にして、まずは5,000円を切る製品にできないかを模索しました。

── そうした模索の中で、特に重視したポイントは何でしょう?

永見 肌の質感です。肌に安っぽいテカリや、変な透明感が出ないようサンディング処理をしてもらっています。コストよりはクオリティをとる工場で生産しているのですが、パーティングラインとゲート跡だけはしっかりワーカーさんに処理してもらって、上品な質感を出すことが重要だと思いました。


── パーティングラインやゲート跡は、プラモデルだと買った人が処理しないといけない部分ですね。組み立てキットとなると、パーツとパーツを接着するためのダボ穴も必要になると思うのですが?

永見 ガレージキットなどの原型を作る方は、無意識にシリコンで型抜きしやすいダボ形状に彫りがちです。また、ダボ自体にこだわりなどを持つことも少ないです。しかしPVCフィギュアを製品化する際、工場ではどのワーカーさんが組み立てても間違えたりしないよう、多角形にダボを作りなおしているんです。このキットのダボも、工場が決定しています。当然ながら組み立てやすさもアップしていて、「むにゅっ」と押し込むような感覚で、10分もあれば簡単に組み上げられます。

── 接着や塗装には、どう対応しているのでしょう?

永見 まず、接着は瞬間接着剤を使ってください。PVC製フィギュアの工場での実際の組み立て作業でも、以前から瞬間接着剤を使っているので確実です。また、塗料はプラモデル用のものが問題なく乗ります。塗装見本では、市販のラッカー塗料で水着のラインやサンダルの濃い青を描き加えてあります。水性アクリル塗料も使えます。まず手軽に素組みで楽しんで、しばらく眺めてから塗装したいという人もいらっしゃると思います。「アッセンブル・ヒロインズ」は面倒なゲート処理やパーティングライン処理などが不要で、塗装と組み立て作業だけ、つまり“面倒のない楽しい部分だけで完成に持っていける”組み立てキットです。プラモデルを作ったことのない人にも手にとっていただけて、素組みで楽しめる敷居の低い製品になりました。

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