ゴジラファンを置き去りにすることは絶対にしない…アニゴジ三部作完結編「GODZILLA 星を喰う者」、宮野真守&櫻井孝宏インタビュー

2018年11月09日 18:000

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ゴジラ映画史上初のアニメ―ション映画「GODZILLA」三部作の最終章、「GODZILLA 星を喰う者」が、本日2018年11月9日(金)、ついに公開された。

「GODZILLA」(通称「アニゴジ」)は、1954年に公開された特撮怪獣映画「ゴジラ」シリーズ初のアニメ映画作品。監督は、シリーズ最新作「名探偵コナン から紅の恋歌」をはじめ、劇場版「名探偵コナン」シリーズを数多く手がける静野孔文さん。そしてTVアニメ「シドニアの騎士 第九惑星戦役」、アニメ「亜人」の劇場版、TV版にて総監督を務めた瀬下寛之さんの両者が担当。また、ストーリー原案・脚本は、TVアニメ「Fate/Zero」や「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズ、「魔法少女まどか☆マギカ」を手がけた虚淵玄さん(ニトロプラス)といった実力派クリエイターがスタッフに名を連ねている。
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三部作の最終章、「GODZILLA 星を喰う者」が、本日2018年11月9日(金)、ついに公開された。
ハルオ・サカキ役の宮野真守さん、メトフィエス役の櫻井孝宏さんのオフィシャルインタビューが到着したのでし紹介しよう。

【オフィシャルインタビュー】※敬称略


アニメーション映画『GODZILLA』シリーズの最終章『GODZILLA 星を喰う者』が、11月9日(金)より劇場公開を迎えます。公開を控え、ハルオ・サカキ役の宮野真守さん、メトフィエス役の櫻井孝宏さんにお話を伺いました。

──いよいよ最終章が公開されます。シナリオを読まれたときの感想や意気込みをお聞かせください。

宮野真守(以下、宮野):僕らは台本を第一章から最終章まで通していただいていましたし、お芝居も一気に録り終えていました。その作品が、ついに公開。感慨深いですね。全体を通しての大きなテーマは、ハルオたち地球人と異星人が、自然災害ともいえる怪獣・ゴジラに対して、どう立ち向かっていくか、どういう答えを出すか。ただ、最終章まで見ると、やはりこれは“ハルオの物語”だということが分かっていただけると思います。種族間の価値観の違いや正義の違い、共存することなど、大切なメッセージやいろんな思いが渦巻くなかで、人類としてひとりの男がどう生きたか。それを感じてもらう作品なんじゃないかなと思いました。


櫻井孝宏(以下、櫻井):物語の芯になる部分は、今、宮野君が話した通りだと思います。この作品は映像より先に、声の演技を録音する「プレスコ」でした。なので、台本を読んだ時は、どんな映像になるのか、視聴者目線的な興味がありましたね。三部作になっているので、第一章を見れば、ビジュアルの方向性は分かります。ただ、最終章は――僕もいろいろ想像しながら取り組んではいたのですが、実際の映像を見たら、すごかったですね!やはり、ゴジラ好きのひとりとして、ギドラの登場を待望していました。どんな姿なんだろうと想像していたら、まさか……! 想像を超えていて、びっくりしました!

──この作品は、映像がない状態で演技を先に収録する「プレスコ」だったとお聞きしています。最終章では、宮野さん演じるハルオと、櫻井さん演じる異星人「エクシフ」のメトフィエスが対峙するシーンが重要な位置を占めています。おふたりで演技について話し合われたりしたのでしょうか。

宮野:「プレスコ」だからこその、演者同士で交わす会話というものは確かにあります。僕らふたりのシーンに限らず、「ここの状況ってこの方向性ですよね」とか、「ここってどういう絵かな」とか、そういうビジョンを共有し合いながら進めていきました。今回の作品はオリジナルストーリーですし、シリーズ初の長編アニメーション映画。どういうビジュアルになるか分からないところが楽しみでもあり、不安要素でもありましたから。同じビジョンを見られるよう、距離感を合わせていく感覚が必要になってくる。ありがたいことに僕や櫻井さんは、今回の『GODZILLA』シリーズを制作しているポリゴン・ピクチュアズさんの、他の「プレスコ」作品にも出演させていただいています。そのうえでのノウハウの蓄積もありましたし、相手が櫻井さんでいてくれるという大きな安心感がありました。そういった要素が相乗効果となり、僕らの関係性――ハルオとメトフィエスの関係性を作っていったのだと思います。

櫻井:「プレスコ」に関しては、ポリゴン・ピクチュアズさんの「プレスコ」作品のマナーが分かっていたので、戸惑いはなかったですね。それと、『GODZILLA』は単発の作品ではなく三部作なので、最終章まで時間をかけて積み上げていけるものがありました。収録時の会話は、「こんな展開になっちゃうんだね」みたいな他愛のないものもあれば、しっかり共有しないとダメ演技プラン的なものもあります。たったひとりでもズレてしまうと、それが透けて見えてしまうんですよ。


宮野:迷うシーンがあったりすると、積極的に監督に聞きにいく流れもありました。僕らがそういったやり取りをすることによって、みんなのイメージも固まっていく実感がありました。初めてポリゴン・ピクチュアズ作品に参加する方にも、「この現場では、こうやって想像して、共有していけばいいんだ」というのを、僕らで示せたんじゃないかと思います。


──役作りについてお聞かせください。宮野さん演じるハルオは、第一章ではゴジラへの復讐心を中心に描かれていました。第二章、最終章と進むごとに、種族間の衝突に巻き込まれていきます。どのように役を組み立てていったのでしょうか。


宮野:
ハルオが何を感じて、何に迷って、どこへ向かっていくのか――。作品を通し、その心の動きを表現していきたいという意図が、監督陣や台本に溢れていました。じゃあ、僕はそれを自分の感情でどう紡いでいくか。ハルオの心の動きをちゃんと受け取ることを大事にしました。第一章では、ハルオの行動理念はゴジラへの復讐です。確固たるものをみんなに伝えて、みんなを従えてゴジラに立ち向かっていく。でも、ゴジラに勝ったと思ったら、<ゴジラ・アース>というさらなる絶望が襲ってきた。多くの犠牲を出してしまったことから、悩みが生まれてしまう。ハルオは、今度はその渦巻く感情に巻き込まれていくんです。第二章では、ゴジラと戦うことが良いことなのか、悪いことなのか、悩み苦しみます。失った命が多すぎて…。しかし、異星人種「ビルサルド」の力で、念願が達成できる手前まで行きます。みんなで力を合わせれば、ゴジラを倒せるかもしれないとなった時に、なんとメトフィエスから横やりが入って――。第二章のラストでは、ハルオはゴジラを倒すことより、人間としての尊厳を守って、結果、「ビルサルド」を裏切る形になってしまった。その流れのなかで、状況ごとに、ハルオが何を感じているのか、何を選択していくのか、リアルに感じていきたいと思いながら演じていました。ハルオという主人公役を演じさせていただくことは、物語の真ん中にいさせてもらえること。自分がこの作品を一番知っている人間でありたいと思いながら作品に臨んできました。その結果が、ハルオの人生をどう生きるかということにつながったと思います。


──櫻井さん演じる異星人種「エクシフ」のメトフィエスは、謎めいていて、実像をつかむのが難しいキャラクターかと思います。どのように演じられたのでしょうか。

櫻井:彼は異星人ですが姿かたちはほぼ地球人です。メトフィエスを見た我々は、多少の違いはあれど、人間っぽい姿をしているという認識をしますよねしかも、エクシフは美しい容姿で、どことなく神秘的な雰囲気をまとっている。信仰の対象になってしまうような要素を幾つも持っているんです。彼らがタコのような姿の異星人だったら、全く違う結果になっていたと思いますがこの映画は地球人が見る映画ですけど、もし「エクシフ」が見たら答えは変わってくるでしょう。科学至上主義の「ビルサルド」が見たら、「おい!ハルオ!」と突っ込むでしょうし。妙な例えですが、そういう切り口で見られる作品でもあります。だから、メトフィエスに与えられている情報を最大限利用して表現しようと思っていました。彼の言葉はきれいすぎるので実像感は薄いかもしれないけれど、物語のクライマックスにかけて輪郭が浮かび上がってきます。

──最終章で、ご自身が演じられていてとくに心を揺さぶられたシーンは?

宮野:僕はラストシーンです。内容はもちろん言えませんが、最後のハルオの叫びを聞いてほしい。そこにすべてが詰まっていると思います。

櫻井:後半で、メトフィエスが繰り返しハルオに呼びかけるシーンでしょうか。最終章の山場となるシーンで、ハルオに何度も呼びかけるんです。名前に込める想い、気持ち、愛情……。メトフィエスがハルオに向ける、いわゆる“ラブ”ではない愛情。そのにじみを感じていただけたら。


──この作品でのゴジラを、おふたりはどのような存在だととらえていますか?

宮野:この作品では、ゴジラを災害、脅威、抗うことができない存在として描いています。ただ、最終章ではそのメッセージを伝えつつも、僕らの心が燃えたぎるような「怪獣バトル」シーンが描かれているんです。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、思わずゴジラを応援してしまう瞬間があるんですよ(笑)。エンターテインメントとして見せる中で、過去のゴジラ映画へのリスペクトを盛り込んで、監督たちが見せたいものをしっかりと作っている。それがすごく素敵だと思いましたね。

櫻井:この作品に登場するゴジラは大きいですよね。それに、最終章に出てくるギドラも強烈なビジュアルです。 こういった宇宙的なスケール感は、アニメーションだからこそ描けるものだと思いました。声優としてこの作品に関われたことが、ゴジラ作品に出演できたことが、何よりうれしかったです。ただ、僕が好きなヘドラが出てこなかったのは残念でした(笑)。


──宮野さんから、ファンへのメッセージをお願いします。

宮野:今日の映画は今までの「ゴジラ作品」というよりも、新しい「アニメーション作品」です。ただ、過去作品へのリスペクトはたっぷりと込められていますし、ゴジラ・ファンの皆さんを置き去りにすることは絶対にしません!いろいろな方に楽しんでいただけるエンターテインメント作品になっている自信はありますので、是非劇場でご覧いただきたいですね。

【作品情報】※敬称略
■「GODZILLA 星を喰う者」
・2018年11月9日(金)全国公開

<ストーリー>
扉が開かれ、黄金の刻印が星を切り裂く。

21世紀初頭、ゴジラに地球を奪われた人類は、一部の人類を他恒星系への移住に送り出すも、計画は失敗に終わる。失意のまま地球へと帰還した人類を待ち受けたのは、二万年後の変わり果てた姿になった地球だった。
あらゆる動植物がゴジラ細胞を持つ<怪獣惑星>と化した地球。そこに君臨するのは体高300mを超える史上最大のゴジラ<ゴジラ・アース>だった。
ゴジラ討伐に執念を燃やす主人公ハルオは、人類の遠い子孫である種族フツアと出会う。ハルオたちは、フツアの双子の姉妹マイナとミアナの導きにより対G決戦兵器・メカゴジラの残骸が、増殖を続けていることを発見。残骸を構成するナノメタルを使って武装要塞都市<メカゴジラシティ>を起動させ、<ゴジラ・アース>に挑む。
この作戦の中、かねてより共存してきた異星人種族の一つビルサルドと人間たちとの亀裂が表面化する。ビルサルドのリーダー・ガルグの「ゴジラを倒すならば“ヒト”を超えた存在へ」という信念に対し、ハルオは「怪獣を倒すために自らも怪獣になってはいけない、“人”として打ち勝つべき」という信念を捨てられなかった。ついには、<ゴジラ・アース>を倒す唯一のチャンスを捨て、ハルオはガルグを葬ってしまう。一方、ハルオの幼馴染であるユウコはビルサルドによる人体の強制ナノメタル化により、脳死状態に陥ってしまった。
人間たちに広がる敗北感と虚無感。もう一方の異星人、宗教種族エクシフの大司教・メトフィエスは、ハルオが戦いに生き延びたことは“奇跡”だと唱え、信者を増やしていく。それはエクシフが秘め隠してきた“究極の目的”のためだった。そんなメトフィエスを警戒するミアナとマイア。そして、ハルオは、自らが“人”として何を為すべきかを自問する。
やがて、<ゴジラ・アース>を打ち倒す者がいなくなった地球に、金色の閃光を纏った<ギドラ>が降臨し、天地を揺るがす超次元の戦いが始まる。
 
“ゴジラ”とは何か。“人”が為すべきことは何か。ハルオが目にする未来とは――――。
最終章で、そのすべてが明らかになる。

<スタッフ>
監督:静野孔文・瀬下寛之
ストーリー原案・脚本:虚淵玄(ニトロプラス)
キャラクターデザイン原案:コザキユースケ
音楽:服部隆之
副監督:吉平”Tady”直弘・安藤裕章
プロダクションデザイン:田中直哉・Ferdinando Patulli
CGキャラクターデザイン:森山佑樹 
造形監督:片塰満則
美術監督:渋谷幸弘
色彩設計:野地弘納
音響監督:本山 哲 

<キャスト>
宮野真守 櫻井孝宏 花澤香菜 杉田智和 梶 裕貴 小野大輔
堀内賢雄 中井和哉 山路和弘 上田麗奈 小澤亜李 早見沙織 鈴村健一

<主題歌>
XAI「live and die」(TOHO animation RECORDS) 

製作:東宝
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
配給:東宝映像事業部


(C)2018 TOHO CO., LTD.

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(C) 2018 TOHO CO.,LTD.

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