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やりたいことさえしっかりしていれば、何でも血肉になる
── 「カウボーイビバップ」のころ、南さんは「今日はビバップやる日だ、今日のビバップは面白いかな?」と、気楽な感覚で見てほしいとおっしゃっていましたね。
南 ええ、そのときの気分次第で見てもらえる作品が好きです。「WOLF'S RAIN」だって、疲れて帰ってきたサラリーマンが深夜にテレビをつけて、「なんか狼が暴れてるなあ」とウイスキーのロックでも飲みながら見てもらいたい……そんな気分で、つくっていました。いちばんバカっぽいのが、「スペース☆ダンディ」ですね。
── だけど、「スペース☆ダンディ」は放送前から、海外で注目されていましたね。 南 それは、カートゥーン ネットワークで放送してもらったからです。カートゥーン ネットワークは、「ビバップ」を放送していましたから、まず、アメリカのエージェンシーと話をしました。結果として、「スペース☆ダンディ」は日米同時放送となり、スケジュールがとても厳しくなりました。英語吹き替え版はアジア圏でも喜ばれるんですけど、実はとても大変でした。ナベシン(渡辺信一郎監督)とは「これ面白いねえ、やろうやろう!」と盛り上がるんですけど、ひとりになって「さて、どこからどう資金を引っ張ってくればいいんだ……」と、ため息をつくという(笑)。
── オリジナル企画は、毎回そんな感じなんですか? 南 そうですよ。「ひそねとまそたん」は樋口真嗣総監督が著名な実写の監督なので、かなり楽でした。樋口総監督が「シン・ゴジラ」などの撮影で抜けている期間はデザインだけ進めておいて、ある程度まで企画ができてきたところで、パートナーを探しました。オリジナル企画は、パートナー選びがとても大切です。「STAR DRIVER 輝きのタクト」(2010年)の場合は、ボンズの大薮芳広とアニプレックスの大山良さん、つまりプロダクションとメーカーが一緒にオリジナルアニメをつくりましょうと動いた企画です。「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」(2015年)なら、バンダイビジュアルですね。そうやってプロダクションとメーカーが連携して動くケースのほうが、最近は多くなっています。
だけど、自分はメーカーを決めずに企画を進めてしまい、その時々で一緒に組んで面白いパートナーを探します。メーカーの人たちとは、しょっちゅう会って話してますし、彼らがどうやってビジネスに結びつけてくれるかは、作品にとってとても大事なことです。組む相手やビジネスのあり方は、作品によって異なりますしね。
── 南さんがアニメ企画をつくるとき、必ず守っていることはありますか? 南 ざっくり言うと、「やりたいことがある人と組む」ことですかね。アニメーションで表現したいことさえしっかりしていれば、それがオリジナルでも原作でも、あるいはほかのクリエイターでも、何をくっつけても血となり肉となります。だけど、やりたいことが面白いものでないと、何をくっつけてもポロポロと落ちてしまう。何をつくりたいのか、今どんな考えを持っているのか……など、クリエイターと話すのは、とても楽しいです。
── それは監督に限らず? 南 もちろん、絵描きと話すのも面白いです。絵描きのほうが、自分のやりたいことをより強く主張するような気がします。ウチに集まってくるクリエイターは、世間の流れに対して斜に構えている人が多いみたいです。僕は好きですよ、「巨人ファンではなくて中日ファン。決して阪神ファンじゃない」みたいな人たち(笑)。
── そうした空気が、ボンズの社風になっているわけですか? 南 そんなことはないと思いますが、プロダクションって“作品をつくるための場所”じゃないですか。その場所が、時代によって変化していくのは構わないと思っています。 やっぱり、サンライズにいたことも大きかったんでしょうね。あの会社はプロデューサー制で、プロデューサーの個性が作品の流れをつくっていました。僕の場合は植田益朗さんの下にいて、ほかには内田健二さん、吉井孝幸さん……。吉井さんはリアルロボット路線ではなく、タカラと組んで勇者シリーズをつくり、新しい作品性を打ち出しましたよね。植田さんも、サンライズらしからぬ漫画原作モノをいっぱい企画しましたし、変化に富んだいい時代をサンライズで過ごして、いいタイミングで独立できたと思います。
── 最後に、「ボンズ20周年記念展」について聞かせてください。 南 原画や版権イラスト、映像、いろいろ展示するので楽しいはずですよ。トークショーもあるし、ライブドローイングもやりますし、ぜひ遊びに来てください。「意外とこの会社、面白いアニメつくってきてるじゃん」 と、実感できると思いますので(笑)。
(取材・文/廣田恵介)
インフォメーション
■ボンズ20周年記念展 東京アニメセンター in DNPプラザ
会期:Part1: 2018年10月26日(金)から2018年11月12日(月)まで
Part2: 2018年11月14日(水)から2018年11月25日(日)まで
※一部の展示内容は2つの会期で共通となります。
※毎週火曜日休業となります。
開催時間:11:00~20:00まで(展示最終入場19:30)
展示会場入場料:中学生以上 1,000円(税込/予定)
※入場特典としてオリジナルイラスト入場券付き
場所:東京アニメセンター in DNPプラザ
※最寄駅は市ヶ谷駅になります。ご注意ください。
主催:株式会社ボンズ/大日本印刷株式会社
・展示作品一覧
Part1: 2018年10月26日(金)から2018年11月12日(月)まで
機巧奇傅 ヒヲウ戦記/ラーゼフォン/WOLF'S RAIN/鋼の錬金術師/交響詩篇エウレカセブン/獣王星/天保異聞 妖奇士/DARKER THAN BLACK -黒の契約者-/ストレンヂア 無皇刃譚/ソウルイーター/鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST
Part2: 2018年11月14日(水)から2018年11月25日(日)まで
HEROMAN/STAR DRIVER 輝きのタクト/ノラガミ/スペース☆ダンディ/SHOW BY ROCK !!/血界戦線/モブサイコ100/文豪ストレイドッグス/僕のヒーローアカデミア/ひそねとまそたん
作品ごとにポスター、設定、原画、場面写などを展示しております。
その他にも巨大スクリーンでの展示作品オープニング映像上映や、本記念展のために描かれた20周年記念イラストの展示など盛りだくさん!
※一部の展示内容は2つの会期で共通となります。
※イベントの詳細はこちらのサイトをご覧下さい。
■注意事項
※展示会前の受付にて入場料をお支払い頂きます。
※当日券のみの販売となります。
※再入場不可
※グッズの販売コーナーは入場無料です。
※徹夜行為・早朝からのご来場は、お客様の安全確保、事故防止、および近隣への配慮のため、ご遠慮ください。
※雨天の場合でも屋外に並んでいただく場合もございますので、あらかじめ雨具をご用意ください。
※開催内容は予告なく変更になる場合があります。
■ボンズ20周年記念展in KPF2018
会期:2018年11月10日(土)、11日(日)
場所:西日本総合展示場新館
・展示予定作品
機巧奇傅 ヒヲウ戦記
WOLF'S RAIN
鋼の錬金術師
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST
交響詩篇エウレカセブン
DARKER THAN BLACK -黒の契約者-
ストレンヂア 無皇刃譚
スペース☆ダンディ
血界戦線
モブサイコ100
文豪ストレイドッグス
僕のヒーローアカデミア
ひそねとまそたん
※イベントの詳細はこちらのサイトをご覧下さい。
(C)東京マグニチュード8.0製作委員会
(C)BONES / STAR DRIVER製作委員会
(C)2011 桜庭一樹・武田日向・角川書店 / GOSICK製作委員会
(C)BONES / トワノクオン製作委員会
(C)あさのあつこ・講談社 / NO.6製作委員会
(C)「UN-GO」製作委員会
(C)2012 BONES/Project EUREKA AO
(C)城平京・左有秀・彩崎廉 / 「絶園のテンペスト」製作委員会・MBS
(C)2014 BONES / Project SPACE DANDY
(C)2014 SPIN MASTER LTD. / Shogakukan-Shueisha Productions Co., Ltd.All rights reserved.
(C)2014 大久保篤/スクウェアエニックス・ソウルイーターノット!製作委員会
(C)2014 榊一郎・なまにくATK(ニトロプラス)/KADOKAWA 富士見書房刊/「棺姫のチャイカ」製作委員会
(C)BONES / キャプテン·アース製作委員会
(C)あだちとか・講談社/ノラガミ ARAGOTO製作委員会
(C)あきづき空太・白泉社/「赤髪の白雪姫」製作委員会
(C)BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会
(C)ONE・小学館/「モブサイコ100」製作委員会
(C)2012,2018 SANRIO CO.,LTD. SHOWBYROCK!! 製作委員会
(C)2016 朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA/文豪ストレイドッグス製作委員会
(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
(C)2017 内藤泰弘/集英社・血界戦線 & BEYOND製作委員会
(C)BONES/Project A.I.C.O.
(C)BONES・樋口真嗣・岡田麿里/「ひそねとまそたん」飛実団
(C)2018 BONES/Project EUREKA MOVIE