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TVアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション」のエンディングテーマ「アイリス」を、15枚目のシングルとしてリリースする藍井エイル。ラテンテイストのドラマチックな楽曲で、彼女自身が作詞を務め、アニソンのトップランナーとしての実力が遺憾なく発揮された作品となった。今年2月に音楽活動の再開を発表してから、シングルのリリース、ライブと順調に活動を展開してきた彼女。今回のインタビューは「アイリス」の収録曲についてはもちろん、音楽への接し方や、何気ない日常の出来事にまで触れるものになった。
ユージオから見たキリトをテーマに、作詞しました。
── 新曲「アイリス」は、どのようなコンセプトで制作していったのでしょうか? 藍井 「ソードアート・オンライン」シリーズの曲は今までに何曲か歌わせていただいているんですけど、それらとはジャンルが違う、ラテン風の4つ打ち曲になりました。この曲は、1度聴いたら脳内再生が止まらなくなるほど衝撃的なキャッチーさで、ぜひ歌ってみたいと思いました。
── 「ラピスラズリ」は、TVアニメ「アルスラーン戦記」のエンディングテーマで、エキゾチックなメロディが特徴でした。「アイリス」もそれに連なる異国情緒があります。 藍井 情熱的なメロディラインを持っているのは同じなんですけど、今回はアレンジで4つ打ち感を強くしていただいて、「ソードアート・オンライン アリシゼーション」の世界観に近づいた楽曲になったと思います。
── 作詞はエイルさんです(Eir名義)。何をテーマに書いていったのでしょう? 藍井 新キャラクターのユージオから、キリトを見た心情を描きました。Aメロに「君が赤く燃える太陽ならば 僕は夜に咲く青い花」とあるんですけど、キリトを太陽に、ユージオを青い花に見立てて、太陽があるからこそ花は育つというというふうに2人の関係性を表現しました。
── 作詞にあたって参考にしたものは何ですか? 藍井 アニメのシナリオを読ませていただきました。幼い頃の2人のエピソードがあったので、そのイメージも歌詞には盛りこんでいます。「幼い頃から 楽しいこと 探すのはすごく得意だった」という部分がそうなんですけど、実はここには私自身の経験も入っているんです。私は自然の中で遊んでいるときに、楽しいことを見つけるのが得意で、何時間も遊べる子供でした。
── そんなに活発だったんですか? 藍井 活発でしたね。北海道育ちなので、のんびりした環境というのもあって、いつも太陽の下で遊んでました。冬でも外に出て、公園の滑り台に水をかけて凍らせて、どれだけ速く滑れるか試したりしていました。
── それは北海道ならではの遊び方ですね。滑り台に水をかけても、関東じゃ凍らないと思います(笑)。 藍井 確かにそうですね。外で遊んでいたからこそ、太陽がいつも自分のことを照らしてくれていたという実感があって、キリト君という太陽をリスペクトする歌詞に繋がっていったんだと思います。
── 「アイリス」というタイトルには、どのような思いをこめたのでしょう? 藍井 サビの最後に必ず「The iris to you.」という一節を入れていて、そこからのタイトルです。アイリスはアヤメのことで、いくつかある花言葉の中に「希望」があるんです。誰もが、自分にとっての大切な人を持っていると思うんですけど、私の場合は笑顔や勇気や希望を与えてくれる人なんですね。私もその人に笑顔や希望を返せるようになりたいなと思っていて、その思いが「ソードアート・オンライン」の登場人物たちや、この曲を聴いてくださる方々とも重なり合ったらいいなと。そういう気持ちから、「アイリス」というタイトルを付けました。
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── 希望に満ちた曲ではあるんですけど、どこかに切なさも含まれていますよね。たとえば、いくつかの個所で「傷」という言葉が使われています。 藍井 みんな生きていく中で、どこかしらに傷をかかえていると思うんです。特にキリト君は過去にトラウマになるほどの過酷な経験をしているので、彼の心の傷をユージオが癒やしていくことができたらいいなと。
── ユージオの純粋な思いが、歌詞には描かれているんですね。 藍井 そうですね。温厚でやさしくて、無垢な心を持っているのがユージオだと思います。
── レコーディングで気を配ったところはどこですか? 藍井 歌声にふくよかさを含ませたいと思って、ハイだけじゃなくローもしっかり出して、低いところから支えるように気を配りました。今回は激しいタイプの楽曲じゃないので、やわらかなボーカルになっていると思います。
── でも、楽曲的にはけっこうアップテンポですよね。 藍井 アップテンポに聞こえたのなら、うれしいです。実際のテンポはそんなに速くないんですけど、4つ打ち感が強いので、そう感じていただけるのかなと。私の求めるサウンド感にするために、作家さんにはいろいろとワガママな要望を聞き入れていただいたんです。
── 作曲はArmySlickさんとLauren Kaoriさんの連名で、編曲がArmySlickさんです。どなたとのやり取りになったのでしょうか? 藍井 直接やり取りしたのは、ArmySlickさんです。「こういうこともできますけど、どうしたいですか?」ってすごくていねいにコミュニケーションを取ってくださいましたし、レコーディングでも、お互いに意見を出し合いながら同じ目線に立って制作できたと思います。もうおひとりのLauren Kaoriさんにはまだお会いできてないので、いつかお礼を言いたいと思います。
── こだわり抜いて、いい作品になったと。 藍井 納得がいくテイクを録れて、今の私がやりたいことを「アイリス」にこめることができました。正解の形は外にもいろいろあるとは思いますが、ひとつのゴールにはたどり着けたと思います。たとえば、デモではファルセットで歌っていた部分を、本番では地声に変えてみたんです。完成した音源を聴いたら、そっちのほうが聞き慣れた感じで、「ああ、私の歌って、こうだ」って思いました。