「リップスティックのプラモデル」は、誰がどんな理由で開発したのか? リサイクル事業の“日本環境設計”が、その秘密を知っていた!【ホビー業界インサイド第36回】

アキバ総研 | 2018年06月30日 18:00
「リップスティックのプラモデル」は、誰がどんな理由で開発したのか? リサイクル事業の“日本環境設計”が、その秘密を知っていた!【ホビー業界インサイド第36回】

楽しいことの裏にリサイクルがある、という考え方


── しかし、ファッションの世界にプラモデルがあるなんて、模型業界も模型ファンも想像できないでしょうね。

中村 はい、BANDAI SPIRITSの方もそうおっしゃっていました。たまたま、BANDAI SPIRITSさんの中にシアタープロダクツさんのファンの女性がいらして、その方の活躍がなかったら、この製品は世の中に出なかったかもしれません。

── 最初のハチくんのプラモデルは子供向け、このリップスティックのプラモデルアクセサリーは女性向けですよね。もしかすると、もうちょっと模型マニア向けのプラモデルがリサイクル製品として発売されたりは……?

中村 可能性はあると思います。ただし、時間はかかるかもしれません。様々な組成のプラスチックを回収するため、それぞれの素材に適したリサイクル方法が求められます。今回のリップスティックのプラモデルは、ホビーセンター内の端材を一部再利用したから、こんなにきれいにできたんです。

── 我々模型ファンは部屋に組み立ててないプラモデルを大量に溜めていますし、なかなかリサイクルとは縁遠いかもしれません。

中村 ええ、いらなくなったものを“集める目的だけのために集める”のは難しいんです。ですから、リサイクルだけに固執するのではなく、販促やマーケティングの一環として集めることを我々は提案しています。たとえば、日本マクドナルドさんとは“ハッピーりぼーん”プロジェクトを展開しました。家庭でいらなくなったハッピーセットのプラスチック製オモチャを店頭で回収して、最終的には店内で使うトレイにリサイクルする試みをBRING PLA-PLUSプロジェクトの派生プロジェクトして実施しました。

── この会議室に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(以下、BTTF)のデロリアンの模型が置いてありますが、これはプラモデルとは関係ないのですか?

中村 映画の中で「未来」と設定された2015年10月21日に、アクアシティお台場でデロリアンを実際に走らせたんです。綿繊維をバイオエタノールに再生する技術を用いて、弊社会長の岩元が「BTTF」のゴミで走るデロリアンを実現したいと言い張りまして(笑)、映画の配給元であるNBCユニバーサルさんに提案したところ、「面白いから一緒にイベントをやりましょう」という話にまとまりました。デロリアンは私がフロリダまで行って、買いつけてきました。「映画に出てきた未来の技術が実現するよ」と多くの人の共感を集めると同時に、リサイクルにも貢献できる。その方が社会に訴求できると、デロリアンのイベントで気がついたんです。

今回のリップスティックのプラモデルは初めての試みにも関わらず、デザインするシアタープロダクツさん、リサイクルの仕組みをつくる我々、工場でモノづくりを行なうBANDAI SPIRITSさんが揃ったから実現したんです。単に企画が発案されただけでは、こんなにうまく進まなかったでしょうね。もしかすると、ちょっとうまく行きすぎた事例が、このプラモデルなのかもしれません。




(取材・文/廣田恵介)

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