「リップスティックのプラモデル」は、誰がどんな理由で開発したのか? リサイクル事業の“日本環境設計”が、その秘密を知っていた!【ホビー業界インサイド第36回】

2018年06月30日 18:000

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「ランナーにパーツが付いている」コンセプトにこだわった


── このリップスティックのプラモデルは、ピアスやブレスレット、ネックレス、キーホルダーとして108通りに組み替えられると聞いたのですが?

中村 はい、金具が付いていますので、パーツを組み替えてアクセサリーとして身につけることができます。リップの長さまで変えられるところは、さすがBANDAI SPIRITSさんですね。

── リップスティックをアクセサリーにするコンセプトは、シアタープロダクツさんの発案なのですか?

中村 そうです。以前から、シアタープロダクツさんは化粧品をモチーフにしたプラスチック製のアクセサリーを作ってらしたんです。それを今回、プラモデルのキットとして販売したわけです。

── BANDAI SPIRITSさんは、どこから関わったのでしょう?

中村 当時はまだバンダイ ホビー事業部さんでしたが、「リップスティックをプラモデル化したいという企業さんがいらっしゃるんですよ」と説明して、とりあえず静岡にあるバンダイホビーセンターに、シアタープロダクツのディレクターである武内昭さんと一緒に向かいました。

── たとえば、マーブル模様になっている凝ったパーツがありますが、この仕様はどのように決まったのでしょう?

中村 シアタープロダクツさんのアクセサリーでは、マーブル模様のプラスチックが以前から使われていて、デザイナーの森田美和さんがカラーチップを持参してきたんです。その場で森田さんが「この色で」「この模様で」「ここは艶出しで、ここはマットで」と具体的に指定していったんです。ランナーの形も、「できるだけプラモデルっぽいほうがいい」と提案をいただきました。


── ランナーのタグに、ちゃんとシアタープロダクツさんのロゴが入ってますね。あくまでもプラモデルの品姿にこだわったわけですね?

中村 ええ、あくまで「プラモデルを組み立ててアクセサリーを作る」というコンセプトですので、箱もプラモデルっぽい形にこだわっています。組み立て説明書はBANDAI SPIRITSさんから雛形をいただいて、シアタープロダクツさんがデザインしています。

── 5月下旬に伊勢丹新宿本店で先行販売され、売れ行きが好調と聞きました。1万円もするのに、すごいですね?

中村 アクセサリーだと考えれば、1万円は決して高くはないのかもしれませんね。PS樹脂だけでなくABSも使っているので、プラモデルとしてはリッチな仕様かと思います。マスターグレードに匹敵するかもしれません(笑)。ただ、買われたお客様はシアタープロダクツさんのファンの方たちがほとんどだと聞きましたので、プラモデルファンの方たちにも人気が出るとうれしいですね。

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