【インタビュー】三森すずこ、ニューアルバム「tone.」をリリース！ 5年の集大成とも言えるカラフルな1枚に

「海と空のヒミツ」は病み上がりの必死感が出ています（笑）

── アルバムの新曲は7曲。多彩なクリエーターが参加されていますね。1曲ずつ、詳しくお話をお聞かせください。まずは、2曲目に収録されている「Happy Lucky Life!!」。

三森　作詞・作曲・編曲をやしきんさんにお願いしました。やしきんさんは、TVアニメ「てーきゅう」で長くお世話になっていて、ハイテンションでおバカな主題歌を楽しく歌わせていただいてきました。あのハイテンションな感じを、三森すずこ風に作っていただいたらどうなるかなと思って、お願いしました。

── たしかにこの曲は、歌詞もサウンドもハイテンションです。

三森　「Tropical Paradise」のMCで、「私は自分が好きなパフォーマンスをして、それをみんなが求めてくれて、よろこんでくれて、私の人生大勝利だ!!」みたいなことを言ったのを、やしきんさんが見て、それをヒントに曲を作ってくださったんだそうです。歌詞に「大勝利の女神」というワードが入っているのも、あのMCが元ネタです。曲調は本当ににぎやかで、Bメロで急にワルツになったりしてトリッキーなんですよね。

── 歌ってみて、いかがでしたか？

三森　けっこう難しかったですね。最初から終わりまで全力で歌わなきゃいけないので、気が抜けないんです。キーが高いうえに、サビではさらに上がっていくし、ハイテンションすぎて血管が切れそうな感じでした（笑）。


── 4曲目「海と空のヒミツ」は、作詞がきみコさん、作曲が佐々木淳さんというnano.RIPEのお2人です。

三森　私、nano.RIPEさんが前から好き過ぎて、初めてお会いしたときはちゃんとしゃべれなかったくらいなんです。今回は、勇気を出してお願いしてみようと思いました。いただいた曲は、これぞnano.RIPEという疾走感のあるサウンドで、きみコさんの歌詞は透明感が高くて、大好きになりました。海と空が広がる景色が目に浮かぶ曲です。

── 全体的に切なさを感じさせるのも、nano.RIPEらしいところですよね。

三森　そうなんですよ！　きみコさんの仮歌が私にとっては宝物で、何度も聴き返しました。個人的なことなんですけど、レコーディングしたのがインフルエンザの病み上がりの一発目で、喉がまだちょっとつらいなあと感じる中だったので、その日じゃないと出せない必死感がボーカルに出ていて、それが結果的に、歌の世界観にぴったり合ったんです。「息がもう苦しくて」という歌詞があるんですけど、私も本当に苦しくて（笑）。


── 病み上がりに歌ったのが、逆によかったと（笑）。次は6曲目の「革命のマスカレード」。志倉千代丸さんの作詞・作曲です。

三森　去年のアニサマの打ち上げの場で、「志倉さん、これからアルバム作るんですけど、曲を書いてくださいー」ってユルくお願いしたことから始まったんですけど、こんなにかっこいい、かっちりとした曲をいただけて、本当にうれしかったです。志倉千代丸ワールドが炸裂していて、今まで口にしたことがないような難しい言葉が歌詞には散りばめられています。

── 漢字が多めで、歴史ドラマみたいな歌詞なんですよね。

三森　ジャンヌ・ダルクをモチーフにした革命のストーリーだと志倉さんから教えていただきました。すごく作り込まれた世界観なので、私も荘厳な感じで歌おうと思いました。

── 新しいMVのひとつは、この曲で撮影されています。

三森　赤と青のドレスを着ています。曲調に合わせて表情もキリッとさせましたし仮面を付けるシーンもあって、新しい自分になれた気がしました。赤のドレスは初めてで、しかもスカートがめちゃめちゃ大きかったんです。それがバサバサと風で波打つシーンは、スタッフのみんなが周りからサーキュレーターで風を送ってくれました。