※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。
ひとりひとりの隣に座って応援するイメージ
――カップリング曲の「金曜日のBambi」はどのような曲でしょうか?
山崎 「ゼンゼントモダチ」がすごくがむしゃらに強火な感じで熱く歌っている曲だとしたら、「金曜日のBambi」は弱火で静か、軽い気持ちで聴ける曲です。曲調もふんわりしていますね。
「Bambi(バンビ)」はまだ足元がおぼつかない感じを意味していて、新入生や新社会人、何か新しく始めた人などを応援する内容になっています。「ゼンゼントモダチ」がググッと引っ張って希望に導いていくのに対して、「金曜日のBambi」はひとりひとりの隣に座ってやさしく歌うイメージですね。
――隣で応援してくれているのですね。
山崎 そうですね。でも、受け取り方は人それぞれでいいかなと思っています。私もソロデビューしたばかりなので、自分の気持ちともリンクさせて歌いました。
――個人的に2曲は対照的だと感じていて、どちらも「自分のことを好きになる(好きになって)」というメッセージ性がありつつアプローチが全く違うなと。
山崎 重さが全然違いますね。「ゼンゼントモダチ」は自分を好きになれなくて死んで生まれ変わりたいレベルですけど、「金曜日のBambi」の方は「できるかな?不安もあるな。あ~あ、月曜日行くのやだな」くらいなんですよ。今のひと言で肩の荷がちょっとおりたよ、ぐらいでいいのかなって(笑)。
だから、山崎はるかの曲を聴こうと思ってくれた時も、そのシーンそのシーンに合わせて曲を選んでくれたらいいなって。そういう意味で、これからもいろんなシーンに合わせた曲を歌っていきたいと思いました。ただはしゃぐ曲があってもいいし、考えても無理だから考えるなって曲やたまには考えてみましたという曲、優しい気持ちになる曲があってもいい。ゆっくり進みながら、シーンごとに皆さんの力になれたられ嬉しいです。
――それが現状の“アーティスト・山崎はるか”としての理想像なのですね。
山崎 そうです。最近思うようになったことなんですけどね。ほかのインタビューで違うことを言っていたらすいません(笑)。
雫芽さりなは、声優の醍醐味を感じる役
――「魔法少女サイト」についてもお聞きします。作品を最初に読んだ印象はいかがでした?
山崎 思いが生々しくて考えさせられました。世界にはこういう人もいるし、こういう人もいるよねって。ダークな部分もありつつ、魔法という二次元心をくすぐられる部分もあって惹きこまれました。オーディションの機会をいただいて、1巻を読んだすぐ後に2巻3巻4巻と読み進めちゃうぐらいでした。
――オーディションは最初から雫芽さりなを?
山崎 最初に受けたのは彩(朝霧彩)と奴村さん(奴村露乃)です。その目線で原作を読んだので、さりなに対しては「いじめやがって、こいつ」といった気持ちでした(笑)。別日に「さりなもやってみてください」と言われて、そこで初めて“さりなの気持ち”で原作を読んだらまた違う世界が見えたんです。しかも、時を止めたり瞬間移動だったり、そんな魔法のステッキがもし私のところに届いたらどんなステッキなんだろうと考えたりとか(笑)。
――アフレコ現場ではやみんなでステッキの話をすることも?
山崎 サイト管理人・漆役の中尾隆聖さんが「ほかにもステッキあるの? どんなステッキ?」「こんなステッキいいよね」などとお話してくださって。気さくに冗談も言ってくれてめちゃくちゃ面白かったです。
――さりなの演技は、いい意味で山崎さんが演じていると感じずに物語に入り込めるすごさがありました。どのようなことを意識して演じたのでしょうか?
山崎 誰だって虫酸が走ることや嫌なこと、許せないことってあるじゃないですか。さりなはそれがあんなに出てしまうだけの子なんです。中学生ですから。最初は嫌なやつだと思いましたけど、考えていくとさりなの気持ちもわかるというか。「よくわからないけど演じなきゃ」ではなくて、「気持ちわかる。私も嫌なことはあるよ」と。私は友達を殺されてしまったことはないけど、親友を殺されてしまったらこんな風になるんだと思って、さりなに反抗せずに演じました。
あと、あんなに悪口や暴言を言ったのは初めてです(笑)。
――普段は言えないですからね。
山崎 言えないですよ(笑)。でも、声優としてはすごく気持ちいいし、一番面白いところでもあります。そういうシーンは難しくて大変だし、喉も使うんですけど、声優の醍醐味、面白さを感じられる瞬間だったので、楽しかったかと聞かれたら楽しかったですね。
――声優としての経験がアーティストに役立ったと感じることはありましたか?
山崎 声優をやっているおかげで、自分の声が人にどう聴こえるのかわかっていることが一番役に立った気がします。こう歌ったらこう聴こえるはず、こういう声を出したらこう聴こえる、というのがわかってやれたのはよかったなって。
――ある意味、自分自身をディレクションできるわけですね。
山崎 そうですね。レコーディングの仕方も、1番から通して歌ったほうがいいテイクになるのか、Aメロだけとか1行だけとか録ったほうがいいのか人によって違うんです。私の場合はなるべく長く歌ったほうがいいテイクになるので、そこは声優としてのレコーディング経験が生きていたなと思います。
でも、それぐらいですね。それ以外は全然違うことだなと感じました。演じることとも違うし、“山崎はるかを演じる”と言えばそうなのかもしれないですけど、それとはまたちょっと違いますよね。
――普段は“山崎はるか”を演じているのですか?
山崎 演じていませんね(笑)。あ、でも写真は演じています。今回のアーティスト写真が物語っているように、しゃべり出したら写真の見た目とは違うので(笑)。
――こんなに格好よく、セクシーさや物憂げな感じも出して撮ってくれたのに……。
山崎 そうなんですよ。自分を出すのって難しいですね。キャラクターでならできますけど、“山崎はるか”と言われている以上は自分を出さないといけないですし。私の中身はむしろ変顔かもしれない(笑)。お笑い(人を笑わせること)がないと生きていけない感じなので。
――アーティストの時は、お笑い要素がそこまでは出ない?
山崎 いや、出ます!(笑)
MCがあるなら出ると思います。NBCフェスで発表した時にひと言もしゃべらないという大失態をやってしまいましたけどね。私はMCで何かオチがないと次の曲に繋げられないレベルですから(笑)。
――次ということでは、6月に「リスアニ!PARK Vol.02」と「NBCUniversal ANIME×MUSIC FESTIVAL〜AFTER PARTY〜」の出演が決定しています。意気込みをお聞かせ下さい。
山崎 (NBCフェスはシークレットだったので)初めてアーティストとして「山崎はるかが出るから来てね」と宣伝したライブになります。CDを買っていない方でも、この記事を読んで足を運んでくれたら嬉しいなと思います。
――今度はちゃんとしゃべりますよね?
山崎 しゃべりますよ。しゃべりますとも!(笑)
――すでにどういう人が知っている人も多いと思いますけどね。
山崎 知らなかった人にも来て欲しいです。経験上、私って最初はとっつきにくいらしいんですよ。こんな髪の色だし(苦笑)。写真を見て「アーティストの山崎はるかさん格好いい」と誤解されたままだと(中身を知って)夢を壊しちゃうかもしれないので、早くイベントに来て!という感じです(笑)
――それでは、読者の方へメッセージをお願いします。
山崎 「ゼンゼントモダチ」が5月23日に発売となります。そして、曲のまんまの私を見られるかもしれないし喋る私を見られるかもしれないので、イベントにもぜひ足を運んでもらいたいです。
そんな余裕はないよという方もぜひ1枚。今はネットでもすぐ買えちゃいますからね。ぜひ1枚CDをお手にとっていただけると嬉しいです。2番もオススメなので、ぜひとも1枚お手に取ってください。よろしくお願いします。
応援してね!!
VIDEO
(取材・文/千葉研一)