「第2章の見どころはドラマです」 アニメーション映画「GODZILLA 決戦機動増殖都市」静野孔文監督、瀬下寛之監督インタビュー!

2018年05月16日 12:000

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狂気とスレスレなハルオというキャラクター


──アニメーション映画「GODZILLA」を作るうえで悩んだ点、難しい点などありますか?。

 

静野 自分は、ハルオ像をしっかり自分の中に作りこむのに時間がかかりました。すごい信念をもってゴジラに立ち向かうキャラクターが、どういったことで挫折したり力を取り戻していくのか。また、どうしたら第三章でこういう方向性に展開できるのかなど、瀬下さんにたくさんアドバイスをいただきました。そしてプレスコで、ハルオ役の宮野真守さんの演技を聞いた時に、この方向ならわかるという確信を得られたのが大きいですね。

 

──宮野さんの演技がキャラクターの描き方にかなり反映されているわけですね。

 

瀬下 かなりどころじゃないですね(笑)。宮野さんが乗り移った、くらいな感じです。

 

静野 そこはプレスコでやって、非常によかったなと思いますね。極論すると、宮野さんじゃないとハルオは成立しなかったかもしれません。

 

瀬下 この前「髑髏城の七人」(※注)を見て、あらためてハルオは宮野さんでよかったと思いました。やっぱり波乱の運命に立ち向かう主人公は宮野さんならでは。

 

(※注「髑髏城の七人」 劇団☆新感線による舞台。2017年11月から2018年2月まで上演された「月」シーズンに、宮野真守さんは捨乃介役で出演していた)

 

ハルオは、僕ら作り手にとっては当初は理解しにくいキャラクターでした。虚淵さんのストーリー原案はとても素晴らしいんですが、ハルオ性格がつかみにくい分、彼がどこでどのように膝を折って慟哭するのか…行動様式をちゃんと把握して演出することが難しかったんです。

まさに波乱の運命を背負って突き進んでいくキャラなんですけど、ともすると狂気とギリギリですし。でも完全な狂気に見えちゃうと観客の多くが引いてしまうことになりかねない。あくまで英雄として描き続けることに苦心しました。宮野さんにとっても、そのようなキャラクターを演技するのは大変だったと思います。ただ、そんなハルオだからこそ、虚淵さんから生み出されたキャラクターとしての「らしさ」を感じます。

 

 

──そのドラマの頂点が、ある意味第二章のクライマックスのように感じました。

 

瀬下 僕は二章のラストのハルオに魅力を感じます。人間らしい感情の葛藤に共感します。だから、やはり第二章の見どころは「ドラマ」です。

 

──そのほか、お2人のお気に入りキャラを教えてください。

 

静野 ゴジラじゃないですか? やっぱり怪獣映画に出てくる怪獣は主役なので。あまり自分がゴジラのような怪獣映画を観ていなかったこともあり、今回の制作を通じてゴジラには非常に魅力を感じています。

 

瀬下 ゴジラやハルオは当然として、あと僕は……第二章ではやはりガルグが好きです。彼、意外といいことというか、納得性の高いことを言ってるんです。それと、ガルグのあの夢中っぷりがたまらないですね。「(俺の)ナノメタル」、「(俺の)メカゴジラ」ですよ。いい奴だなあと思います(笑)

 

静野 編集している時に、「こんな時にガルグがこう言ったら」っていうネタ妄想が広がるんですよね(笑)。

 

 

──ちょっと細かいツッコミになるんですが、マイナ、ミアナが双子で、守っているのがタマゴっていうのは、狙ってでしょうか?

 

瀬下 それはストレートにそうです(笑)。

 

──また物語の舞台となるメカゴジラが建造されていた場所が、元富士周辺というのは。

 

瀬下 メカゴジラといえば富士山かな、と。だから、本作でもメカゴジラ工場が富士周辺にあったという設定にしました。

 

──なるほど。そんな感じに、過去のゴジラを知っている人が観るとニヤりとするような裏設定もあったり……。

 

瀬下 そうですね。ただそのあたりの引用があまり強くなりすぎないようにバランスを取ってます。

 

──宇宙人の名前とかもそうなんでしょうか。

 

瀬下 実写版でメカゴジラを作ったのは「ブラックホール第三惑星星人」でして、「B」と「3rd」をもじって「ビルサルド」です。従来のゴジラファンも、なんとなくそうかな……と感じてもらえると嬉しいですね。

 


 

最大の見どころは群像劇!


──本作はプレスコで制作されていますが、キャストの演技が映像と合わさった時の感覚はどんな感じですか?

 

静野 もともと宮野さんの声に引っ張られて絵を作るので、アニメーター的には声のガイドがあるのはいいことだと思います。我々としてはプレスコで聞いた後、映像がこのように上がってくるんだ! という驚きは毎回感じているので、プレスコはいいなと思います。それが感動する瞬間ですね。

 

──宮野さん以外の方で、グッと来た演技をされたのは?

 

瀬下 もうメインキャストの皆さん全員ですね。ご存知の通り、今回は宮野真守さん、櫻井孝宏さん、諏訪部順一さん、花澤香菜さん、杉田智和さん、梶裕貴さんというほぼ全員主役級の方が出てくださっているので、それぞれの個性、演技がまさにこの作品の格式を上げて、重厚なムードを作ってくれていると思います。

 

──収録時の思い出を教えてください。

 

瀬下 自分はやはりビルサルド達の壮絶な演技。あとはユウコですね。彼女を演じる花澤さんが素晴らしかった。非常に映像に影響していると思います。

 

静野 いやあ、すごい演技でした。第二章のポイントは、もしかしたらユウコかもしれませんね。非常に重要な役回りになります。さっき瀬下さんも仰っていましたが、ガルグもすごくいいですし。

 

瀬下 ガルグ、ベルベの演技は最高でした。やはり見どころは、登場人物達の感情が第一章に増して爆発したというか、葛藤と衝突の群像劇ですね。

 

 

──最後に、第二章を楽しみにしているファンの皆さんへのメッセージと、来たる第三章への意気込みをお願いします!

 

瀬下 三章もですか……難しいなあ(笑)。

 

静野 第二章は第一章を楽しんでくださった方にはもちろん楽しんでいただけますし、第一章以上に元々の「ゴジラ」ファンの方にも楽しんでもらえる細かい要素が入っているので、最初から最後まで一瞬たりとも見逃さず楽しんでください。

そして第三章は、またあっと驚くことがてんこ盛りです。シナリオライターの虚淵さんが我々もびっくりするような要素を入れてくれているので、我々がシナリオ会議で味わった驚きを、皆さんも劇場でお楽しみください。

 

瀬下 そうですね。第二章では虚淵さんによる衝撃のストーリーと、静野孔文監督の怒涛の演出構成で、瞬く間に時間が過ぎると思います。ぜひ映画館でそのスピード感を楽しんでください。そして、第三章はさらに驚愕の展開になっています。ぜひ劇場にてお楽しみください。

 

──ありがとうございました!

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