竹達彩奈・佐倉綾音の徹底的演技論「ラーメン大好き小泉さん」キャスト対談

2018年03月28日 21:000
(C) 鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

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ボールドの出ている間をどのように使って演じるか


── 佐倉さんはボーイッシュな役柄が多いですよね?

佐倉 そうですね。男の子と女の子の中間にいるような役は結構多いですね。でも、ここまで何かに対して愛を注いでいる役というのはあまりなかったかもしれません。途中からみんな悠を怖がっていましたもんね(笑)。

竹達 小泉さんは「好き」を与えられる側だから、身の危険を感じることがありました。なかでも第10話の写真のシーンが一番でしたね。

佐倉 それまでは疑惑だったけれども、あそこでマジヤバだと判明しました(笑)。テストではもう少しサイコパスっぽいお芝居をしていたんですけれども、それはさすがに止められたんですよね。「もう少しかわいさを残して」って。いまだに私にはあまり納得いってないんですよ。だってもう、悠はいくら取り繕っても無理じゃないですか(笑)。

竹達 私はあやねるがテストでやったヤバいやつが気に入っています。これは選択肢をミスって殺られるタイプのやつだと(笑)。

── 竹達さんのほうで、小泉さんの役作りをするうえで意識したことは何ですか?

竹達 原作に小泉さんは小柄という設定があり、悠のセリフで「あ、かわいい声」というのがあったので、その辺りを意識していました。体格が小さめだから、あまりお腹から声を出す感じではないなとか、クールだからあまり人の目を見てしゃべらなそうな感じというか、見ているようで見ていないし、会話もしているようでしていない感じ。だから、小泉さんは会話するときに間を合わせないんです。本来、会話というのは相手とのテンポを意識するのですが、相手が言ってきてくれたことに対してわざとズらしたりして、相手にしていない感じで、小泉さんの「私は絶対に自分のテンポは崩しません」というところを意識して演じていました。

── アフレコにおけるテンポ感というのはどこまで役者に自由度があるのでしょうか? アフレコの際にボールド(原画撮影時にしゃべるキャラの名前が書かれた吹き出し。セリフ尺の目安になる)は編集さんが付けるものですから、特にギャグ作品などで自分とは違うリズムに合わせて芝居をするというのは役者にとって難しいことなのでしょうか?

佐倉 今回の作品で言うと、「ラーメン大好き小泉さん」と言いつつ、一番しゃべっているのは悠なんですよね。だから基本的に悠がリズムを作っていかなくてはいけないんです。前半はスタッフの皆さんが頑張ってくださっていて、かなり絵ができている中でのアフレコでしたので、ボールドはなくてきちんと私たちが絵に合わせていく必要があったのですが。それで、ボールドについて先輩から言われたことで私が覚えているのは、「ボールドって、この尺しかないと思うかもしれないけれども、逆にこの尺の中なら何をやってもいいんだよ」と。また、別の方は「ボールドに合わせようとすると、自分のやりたいお芝居ができないって追い詰められる時もあるけれども、絶対に自分も納得できて、ボールドにも合う落としどころは必ずある」と、おっしゃっていました。尊敬する先輩たちがボールドを重たいとか制限としてとらえていないので、私も「この間は自由に演っていいんだ」と、なるべくポジティブに考えていきました。自分が演じる悠がハイパーポジティブな子なので、それに自分が負けていられないなと考えてマイク前に立っていました。


竹達 それで言うと、小泉さんはボールドの尺とラーメンについてのうんちくを語っている時の情報量が合っていないんですよ(笑)。あるときは台本に3ページ分ずっとしゃべっていたこともありましたし、とにかく尺が足りなくて毎回大変でした。ラーメンについてのうんちくや長台詞を、きちんと自分が言っているようにセリフを発するのはすごく難しいなと思いました。説明セリフなんだけれども、本当に説明にならずに、「自分はこれが好きで教えてあげているんですよ」という感じを出すのが結構難しかったです。ラーメンの話になるとテンポが変わるのは彼女にとって意味のあることなんだろうなと思いながらアフレコをしていました。 “中の人”的には悲鳴を上げているんですけれども(笑)。小泉さんは淡々としながら早口でまくしたてる感じなのですが、私の場合は好きなものを語る時は感情が表に出てしまうタイプなので(笑)。でも後半は小泉さんがラーメンを説明するときのテンポにも慣れてきて、 ぴったり合うとすごく気持ちいいんですよ!(笑)。小泉さんは早口だったのですが、以前ボールドが余るほどすごくゆっくりな作品に参加したことがありました。それで監督に「どうしてこんなに長いんですか?」聞いたら、それは子ども向けの作品で、子どもたちにゆっくりと聞かせるために長くしていたんです。「だからお芝居もゆっくりやってほしい」と、そういう意味だったんです。


── ああ、なるほど。

竹達 個人的なことを言えば、演りやすい間、そうでない間というのは確かにあります。でもそれが役としての呼吸だったり、作品として伝えたいものだったりの意味が、きちんとあったうえで長さが決まっているので、それをいかに役者が料理をするか、自分のものにしていくかというのが大事なんだなということは毎回意識しながら演じています。

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  • (C) 鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

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ラーメン大好き小泉さん

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放送日: 2018年1月4日~2018年3月22日   制作会社: Studio五組/AXsiZ
キャスト: 竹達彩奈、佐倉綾音、鬼頭明里、原由実、中村悠一、植田佳奈、豊崎愛生
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