※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。
ライブ作りの過程が、わかっていただけると思います
── 武道館ライブに至る半年間の活動も、たっぷり紹介されていました。それぞれ、どの場面が印象に残っていますか? Wakana バンドやスタッフの方全員とやっているリハーサルの場面が、私は印象深かったです。音を合わせている時のみんなの真剣な表情は、ライブを見に来てくれるファンの方は見たことがないと思いますし、こういう風にリハーサルが重ねられているんだなとお見せできたのはよかったと思います。
── 1つひとつの音にこだわり抜いているのがよくわかりました。Keikoさんはいかがですか? Keiko すべてがいつも通りで、私にとっては印象に残っているシーンというのはないんです。ライブの本番に至るまでの過程を、そのまま追っていただいてるので、おそらくインタビューしてくださる方やファンの方から印象に残ったシーンをお聞きすると、逆に私が新鮮に思うんですね。武道館ライブに限らず、個人練があり3人練があり全体練がありゲネプロがあって本番という流れは10年やってきたものなので、Kalafinaのライブの作り方そのものが映っている作品だと思います。
── ではこちらからひとつあげたいんですけど、セットリストを練るための打ち合わせのシーンがありました。日本武道館ライブの曲順を決める時に特にこだわった点はなんでしたか? Keiko 人気投票ではなく、10周年記念ライブで歌ってほしい曲というのが投票のテーマだったので、投票結果にKalafinaが生まれるきっかけとなった劇場版「空の境界」の曲が多く入っていたんです。今までのライブでもたくさん歌ってきたはずなのに、やはり10周年にも「空の境界」の曲を歌ってほしいんだというみなさんのお気持ちはすごくうれしくて、大切に歌いたい分、ライブの中の置きどころには最後まで悩みました。それらの曲をどこに入れるかで、ライブのイメージが決まると思ったんです。
── なるほど。 Keiko 最初はライブをデビュー曲の「oblivious」から始めようと考えていたんです。でも、クリスマスのコンサートで去年1年間のアコースティックライブの旅を終えた時、私たちにとってのライブツアーは、2015年3月の初めての武道館ライブをきっかけに「音楽の旅」に変化していったんだよねと、みんなで話し合って。あの時はプロデューサーの梶浦(由記)さんから「武道館に旗を立てるイメージでステージに上がってほしい」と言っていただいたんです。そんなことを思い出して、またその場所に戻るということで、1曲目を「ring your bell」に変更したんです。「音楽の旅」を続けているからこそ、セットリストも変化していくんだなと思いました。
── セットリストを話し合っている時のみなさんの会話も、あの映画で強く印象に残ったシーンでした。Hikaruさんはいかがですか? Hikaru 普段見られない姿という意味では、ライブ当日にKeikoさんがひとりでステージのチェックをしているシーンですね。いつもその間、私とWakanaさんはメイクをしているので、Keikoさんがどんな風にスタッフさんとやり取りしているのか、見られないんです。こういう風にやってくださっていたんだなと初めてわかって、とても新鮮でした。
Wakana Keikoがライブ前に私たちに伝えてくれたことって、こうやってスタッフさんと打ち合わせして決まったんだなとわかって、私も新鮮でした。パズルのピースがピタリとはまったようなカタルシスがありました。もちろんお客様にとっては、準備段階の全部が初めて見ることなので、スタッフさんの設営風景も含めて、こんな風にライブができあがっているんだなというのを楽しんでいただけると思います。
── とにかくあらゆるディテールが面白かったです。 Wakana それだけベッタリ私たちに張り付いて、撮ってくださっていました。私も確かに途中でカメラの存在を忘れてましたね。当たり前になりすぎていました。
Keiko 気づいたら、横にいるからね。たまにカメラに気づかなくて素通りしてしまったこともあって、「あ、すみませんでした!」って(笑)。
Wakana 衣装チェックを、今インタビューしているこの部屋でやったんですけど、カメラさんもその場に普通に入っていたんですよね。「いやいや、ダメです」って。着替えているところはさすがに見せられませんって(笑)。
Keiko それだけ自然に私たちの中に溶け込んでいたということです。
── だからこそ、いつも通りのKalafinaの姿がたっぷり映っているわけですね。では、映画を楽しみにしているファンへ、おひとりずつメッセージをお願いします。 Wakana いつも私たちを見てくださっているファンの方々にとっても、初めて見る私たちがたくさん映っています。1月23日の日本武道館までの私たちの歩みをまとめた映画ですが、その日まで応援してくださったみなさんの映画でもあるので、ご自分のヒストリーとしても楽しんでいただきたいと思います。ぜひご覧ください。
Keiko 初めての世界遺産公演から10周年記念ライブといった、私たちにとっても大切な時間を作品にしていただいたKalafina初のドキュメンタリー映画です。10年の積み重ねを垣間見ることができる映像になっていますので、ぜひ、劇場でごらんいただきたいです。
Hikaru 2週間しか劇場では上映されないので、この機会を逃さずに見ていただけたらうれしいです。大きなスクリーンで楽しんでください。
── Kalafinaとはご自身にとってどういうものなのか、10周年を越えて改めて語っていただけますか? Wakana 映画の中でも言っていることなんですが、Kalafinaという音楽が存在することは奇跡でもあり運命でもあると思っているんです。そして、私たちそれぞれの運命はKalafinaだけではなく、その先の人生があるということを、10年間の活動を通して知ることができて。今回の映画をご覧になればわかると思うんですけど、1人ひとり、本当に歌が大好きで音楽が大事で。私は2人の人生を応援したいし、私たちをいつも応援してくださる方のために、Kalafinaは存在したいと思っています。
Hikaru 私はまだ30年しか生きていないんですけど、社会人としての時間は全部Kalafinaに注いできて、それはこの先もずっと自分の人生の中で生き続けていくと思います。
Keiko まずは、私たちが音楽に真正面からぶつかっていった10年間が詰まっているこのドキュメンタリー映画を、たくさんの方にご覧になっていただきたいと、心から思っています。Kalafinaは、私たちを支えてくださったたくさんの方々への感謝の気持ちをお返ししたいと思って、活動してきました。そして、今私たちの節目となる10周年のライブを映画にしていただき、その公開を待っていてくださる皆さんにお届けしたい気持ちでいっぱいです。
Kalafinaプロフィール
高音域を担当するWakana、低音域を担当するKeiko、高音域から中音域を担当するHikaruからなるユニット。2008年1月23日に、シングル「oblivious」でデビュー。今年1月23日に、10周年記念ライブを日本武道館で開催した。
インフォメーション
■Kalafina 10th Anniversary Film ~夢が紡ぐ輝きのハーモニー~ 2018年3月30日~4月12日まで、全国劇場で2週間限定公開
VIDEO
(取材・文/鈴木隆詩)