アニメーター・本村晃一　ロングインタビュー！（アニメ・ゲームの“中の人” 第22回）

2018年03月10日 08:000

インタビュー

アニメ・ゲームの中の人取材

参加の決め手は「一緒に仕事したいかどうか」

─作品参加の基準はございますか？

本村　駆け出しのころ仕事のない時代があったので、「ぜひ来てください」とお誘いがあれば、喜んで行くスタンスです。電話とかで回ってくるのは結構誰でもいい感じの営業だったりしますが、面と向かって、「一緒に仕事がしたいです」と言ってくれる人がいたら、やっぱり嬉しいですよ。

─女性向けやリアル系の作品でもオファーがあれば、参加されますか？

本村　喜んで。作品の内容も大事っちゃ大事ですけど、一緒に仕事したいかどうかで決めています。仕事したくない人と毎日顔合わせていたら、ストレス溜まるじゃないですか。

─拙連載では前回、益山亮司監督にお話をうかがいましたが（編注：https://akiba-souken.com/article/33166/）、本村さんは「天元突破グレンラガン」（2007）、「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」（2010）、「はなまる幼稚園」（2010）、「ブレンド・S」などで、お仕事をご一緒されていますね。

本村　ガイナックスにいる時は、自然と同じ仕事をしていましたが、「ブレンド・S」で本当に久しぶりに会いました。監督していると聞いて、ビックリしました。

─「ブレンド・S」で思い入れのある話数やシーンは？

本村　8話でひでりが、自分の制服を改造しちゃうシーンの作監をやっていました。ひでりが好きなので、描いていて楽しかったですね（笑）。

「ブレンド・S」

─目標とする方はいらっしゃいますか？

本村　今は中村豊さんと松本憲生さんですね。ダイナミックなアクションとかエフェクトとか、自分にないものを先輩として持っていらっしゃるので、ちょっとでも吸収したいなと思っています。「血界戦線」（2015、2017）で中村さん、「NARUTO」（2002～2017）で松本さんが参加しているところは、よく観ていました。偏っていると、どうしても仕事の幅が狭くなりますし、性格的にも自分に足らないところを埋めようとする癖があるので、引き出しは増やしていきたいですね。

─息抜きは何でしょうか？

本村　ゲーム、映画、カメラです。

─今でもゲームをプレイされるのですね。

本村　ゲームはファミコンのころからやっていて、自分にとってゲームは切っても切り離せないものです。それこそ大学のころは、寝る時以外、ずっとゲームをやっていましたよ（笑）。

─最近は「モンスターハンター：ワールド」にハマっておられるとか。「モンハン」はお好きなのですか？

本村　初代からやっています。一番ハマったのは、PSPの「2nd」や「2nd G」です。

オリジナルのキャラ表が評価され、ゴンゾに入社

─キャリアについてうかがいます。アニメ業界に入った経緯をお聞かせください。

本村　最初は、ゲーム会社に行きたかったんです。「ストリートファイター」のカプコンなんかも受けましたが、落ちちゃって……。そんな時、「月刊ニュータイプ」という雑誌でゴンゾの求人を見かけ、試しにポートフォリオを送ってみたら受かったので、それをきっかけに上京することにしました。

─ほかに応募したアニメ制作会社は？

本村　ゴンゾだけです。ゴンゾがその時ゲームもやっていて、ゲームのほうにも関われるかなと期待していたんですが、入社した初日に「アニメのほうに行ってくれ」と言われて……。で、その日からスーツ姿で動画をやっていました（苦笑）。アニメーターが私服でいいなんて、知らなかったんですよ。

─ゴンゾにはどのようなポートフォリオを提出したのですか？