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今の私の全力を出し切ることができました
── 4曲目の「Say Goodbye」は、アルバムの中で一番さわやかな曲調でした。 立花 歌詞は別れを歌っていて寂しい曲かなと思いきや、メロディはキラキラしているんです。別れを告げられても、相手の前では「私は大丈夫。バイバイ」ってものわかりよく受け入れてしまって、ひとりになってから、悲しみと向かい合ってケリをつけているような歌詞で、頭がいいゆえに、周囲の人たちの気持ちを察しすぎて生きてきた女の子なんだろうなと思いました。
── 相手には自分の気持ちをぶつけずに、飲み込んでしまうタイプなんですね。 立花 そんな子だと思います。でも、最後の2行に彼女の本当の想いが詰まっていて、この子は本当は悲しいんだけど、それを口に出さなかっただけなんだなと思いました。
── 5曲目の「marguerite」(マーガレット)は、軽快なリズムの、かわいい曲です。 立花 マーガレットの花言葉が「花占い」「恋占い」ということで、占いがモチーフの歌詞になっています。花占いをするような、乙女な女の子の歌なので、歌っていても、心の中でニヤニヤしてしまいました(笑)。こんな子がいたら、めちゃくちゃかわいいだろうなと思います。
── でも歌詞をよく読むと、実は大人の歌なんですよね。 立花 そうなんです。私も最初はすごく若い年齢感の曲のように感じていたんですが、歌詞を読むと、恋をしてかわいい女子に戻ってしまった大人の女性の歌なんだなあとわかりました。この曲の感想を周りの男性陣に話を聞くと、普段は大人っぽい女性が、ふとかわいい女の子の部分を見せるような、ギャップが大好きだということがわかって(笑)。それこそ「Flaming Rose」で描かれたようなかっこいい女性が、家に帰ってきてヒールを脱いだ瞬間、こんなかわいいことを考えたりしたら、女性としてすごく魅力的だなと思いました。
── 大人になって、初恋のドキドキを甦らせているような。 立花 楽しそうですよね(笑)。「経験は役に立たない」とか「こんなにも苦しいことわかってた」とか、大人の女性として恋の経験を積んできたはずなのに、それでも思わずウキウキしちゃう相手に出会ったんだろうなって。「いったいどんな人?」と、私もつられて明るい気持ちで歌えました。
── 最後の曲「gradation」は、ゆったりとした落ち着いた曲になりました。 立花 すがすがしい想いが描かれた歌詞で、歌っていて気持ちよかったです。私、ニックネームが「りっか」なんですけど、作詞をしてくださった方がRUCCAさんで、「ニアミスだー、やったー」と思って(笑)。メロディもきれいで、トコトコ走っている電車に乗っているようなゆったり感が素敵だなと思いました。
── メロディには和の雰囲気も入ってますよね。立花さんの代表作に和風のキャラがいるので、ほのかなファンサービスにもなっているのかなと思いました。 立花 そうかもしれませんね(笑)。この曲だけでなく、収録曲のいろいろなところに隠し味が散りばめられていて、私のこれまでの経歴や、担当させていただいたキャラクターを知っている方が聴くと、「これってこういうことなのかな?」と感じ取っていただけるようになっているんです。リスナーの方には、そういうことを気にせず、曲として楽しんでいただれば、それだけでうれしいんですけど、もし気づいてくださったら、なおうれしいですね。
── ファン歴が長い人は、深読み歌詞になっているんですね。それに最初におっしゃっていたように、どの曲も花がモチーフになっているというのが面白いです。タイトルだけでは何の花がモチーフなのかわからない曲があるので、あらためて教えていただけますか? 立花 はい。「REALISTIC」はガーベラです。花言葉は「希望」で、その通りの歌詞になっていると思います。
── 「Flaming Rose」と「赤いアネモネ」は、もちろんバラとアネモネですね。では、「Say Goodbye」は? 立花 スイートピーです。そう言われると、かわいい曲のイメージしかないですよね(笑)。花言葉は「別離」です。
── 「marguerite」はマーガレットで、「gradation」は? 立花 歌詞の中に入っているんですけど、紫陽花(あじさい)です。花言葉は「移り気」で、咲いてから散るまで花の色が変わっていくのを、自分自身の色が移り変わっていくことにたとえました。
── いろいろな花がモチーフになっている通り、バラエティ豊かなミニアルバムになったと思います。しかも、ボーカルの表情も曲ごとに変わっていて、さすが声優さんだと思いました。 立花 せっかく6曲も歌えるのだから、自分のボーカルのいろいろな方向性を探ってみようと思いました。たとえば、「REALISTIC」の力強さと「marguerite」のかわいらしさでは、相当ギャップがあると思います。
── ジャケット写真やアーティスト写真では、大人っぽいイメージを打ち出してますよね。 立花 こんなにキリッとした顔を撮っていただいたことは、今までなかったと思います。キャラクターソングで私の歌を聴いてきてくださった方に、ギャップを感じていただきたかったんです。今回のミニアルバムでは、歌詞の1つひとつについてディスカッションさせていただいたり、楽器のレコーディングに立ち会わせていただいたりと、今までにない経験をさせていただきました。ソロになると、こうやってゼロから音楽制作に関われるんだなとうれしかったですし、今の私の全力が出せたと思います。
── 最後に、今後、どんなアーティストになっていきたいと考えていますか? 立花 今回は、立花理香のいろいろな面を知ってほしいという思いで「Flora」を作らせていただいたので、いつかは「立花理香と言えば、この曲だよね」と強くみなさんに印象づけられるような曲を歌えるアーティストになりたいですね。音楽でも、自分の強みを探していきたいです。
── プロフィールにピアノが趣味と書いてありますが、ライブでピアノを弾いてみたいと思うことは? 立花 あります!(笑)。それも、自分で作詞作曲して弾き語りできる曲を持てたらいいなと思っています。ちょっと欲張りですけど、いつか実現させたいですね。
立花理香プロフィール
たちばなりか/2月27日生まれ。広島県出身。
2013年、声優になるため京都から上京。主な出演作に、「アイドルマスター シンデレラガールズ」(小早川紗枝役)、「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件」(有栖川麗子役)、「アンジュ・ヴィエルジュ」(コードΩ77ステラ役)など。数多くのラジオ番組、動画番組も担当している。
趣味は、ピアノ・茶道。野球観戦やアイドルも好き。
■ミニアルバム+DVD「Flora」
CD+DVD 3,000円(税別)
レーベル:ロッカンミュージック/2018年2月28日発売
〈収録曲〉
01. REALISTIC
02. Flaming Rose
03. 赤いアネモネ
04. Say Goodbye
05. marguerite
06. Gradation
〈DVD収録内容〉
「REALISTIC」 MUSIC VIDEO、メイキング映像
インフォメーション
Birthday event 2018 ~Flora~
日時:2018年3月11日(日) [1st] 開場 14:30 / 開演 15:00 [2nd] 開場 18:00 / 開演 18:30
会場:新宿 ReNY
※詳細は、オフィシャルサイト
http://www.teichiku.co.jp/artist/tachibana-rika/
まで
(取材・文/鈴木隆詩)