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思い出が多い曲の方が最終的に感じるものが多い
── ステージ上で歌ってみて感じ方が新たな発見があった楽曲は? 沼倉 「Smiling & Smiling」はバンドで歌ってすごく映えたなと思いました。アルバムを作った時に、この曲は明るくも行けるし泣きにも行ける曲だから、聴く人によっても印象が変わるだろうなと自分でも思っていたのですが、ライブでは化けたなと。この曲が一番その印象が強いですね。
── ダンス曲「Spiral Flow」が終わって、一度引っ込んで衣装を変えて「星の降る町」で空気を一変させる流れの演出が素晴らしかったです。そこではもう曲に身を任せるような思いで? 沼倉 そうですね。今回のライブでは演出はスタッフに任せて、自分からは演出をしていかないという思いがどこかありました。ただただ、ステージで歌うことだけで勝負したらどういうものができるのかをやりたかったので、「こういう空気を作ろう」といったことは極力考えないようにしてました。
── それはどんな思いからだったのでしょうか? 沼倉 演出って、そのときの空気に意味をつけて演じるということだと思うんですけど、言ってしまえばそういうことはこれまでに山ほどやってきたので、やったことがないことをやりたかったんです。
── ソロとしてのライブだからこそ。 沼倉 そうです。演出された私というのはお客さんもどこかしらの機会で見てきていると思ったので、そうではない違う私を見せなければ私のソロライブに来た感じにならないかなと。だからテーマも別になくて、最後に「楽しかった!」ってお客さんに言ってもらえればそれでOKだったんです。だから、やたらに感動的な感じにはしないほうがいいと思ったし、絶対に泣かないって決めていました。こみあげてくるものはもちろんありましたけどね。だからステージにいるときは目の前のことしか見ていないし、考えたことといったら、「次のMCで何をしゃべるんだっけ?」と、思い出すくらい(笑)。
── その後の「言の葉」とても感動的なチューンになりました。 沼倉 ちゃんと「育っているな」という気がした曲ですね。1stシングルに入っていた曲で歌い続けてきたので、これまで1年半ですが、一緒に歩んできた曲のひとつなので。それは「叫べ」も「HEY!」もそうでお客さんも聴き込んでいるなという感じがあります。
── 継続した歌手活動をすることで、ご本人とお客さんとの間で「曲が育つ」というのがあるんですね。 沼倉 曲自体に乗る時間が長ければ長いほど、価値って高まると思うんです。それが「育つ」ということ。その曲をはじめて聞いた時に自分が何をしていたかという思い出もそうですし、その時の感想は少しずつ変化していく。聴く人にとっての思いが歴史みたいにその曲に込められていくというか。これからもいい曲というものはどんどん現れると思いますが、思い出が多い曲のほうが最終的に感じるものが多いと思うんです。だからキャラソンって強いんだなと改めて思いました。バックボーンが多いですから。自分にそういう曲が産まれるとは思っていなかったのですが、ちゃんとあるんだなと感じました。「言の葉」はそんな曲ですね。
── アンコールで披露された「Good Day」はこのライブ用にアコースティックアレンジされた楽曲ですが、印象はいかがでしたか? 沼倉 アコースティックアレンジは今回4曲作ったんです。もともと名古屋はダンサーさんがいないので、その分を名古屋のお客さんに楽しんでもらえるように、あとはちょっと落ち着ける曲を増やしてもいいかなと思って用意しました。最初が割とおしゃれで原曲よりも落ち着いて歌えるというところで作ったので、すごく穏やかな気持ちになれる曲です。最後に「HEY!」が来るのでメリハリがついていいかなと思いました。
── このライブを経てのご自身の感じたものや変化についてはどのように考えられますか? 沼倉 土台を作ってくれている人たちへの愛情と感謝をすごく感じました。こんなにも人に対して愛おしいと思えるんだというくらいのファミリー感がチームの中に完成されていました。それは今までのほかのもの作りや作品作りの中にもあったけど、ぜんぶ感じきれてはなかったのかもって、今回はそこに気づけた。言葉にするとすごくありきたりなんですけれども、本当にそれですね。それがまた別の作品を作るということへのエネルギーになるなと思いました。
── 最後にご本人から、このブルーレイの見どころを教えていただけますか? 沼倉 すごくいい映像になっているなと思いました。自分も頑張ったなと思いますけれども、それ以上にいろんな人の力が加わっていいライブだなと客観的に思える映像になっていると思います。2時間ですけれども密度が濃いなと思います。この後ファンクラブイベントがあるのですが、これを超えられるかなという新しいハードルができたので頑張らなければなと思います。「このライブいいな~」と純粋に思える半面、「次はどうしようか」と考えている自分がいます(笑)。
── 他人にハードルを作られるのではなく、自分が作ったものがハードルになる。 沼倉 一番しんどいかもしれないですね。昨日の自分を超えなくてはいけない。でも、そのくらい思い出も深いですし、得るものも多かったライブになりましたので、いろんな人に見ていただけたらうれしいなと思います。
(取材・構成/日詰明嘉)
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