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デビューしたての10代の頃と今を繋ぐ曲を歌えました
── アルバムの中盤にも新曲が3曲並んでいます。この3曲には、中島さんらしい趣味性を感じました。まずは5曲目の「Jewel」。加藤哉子さんの作詞、本間昭光さんの作・編曲です。 中島 1stシングルや1stアルバムの頃にお世話になった作家の方々にぜひ今回も参加していただきたいと私からリクエストさせていただいたのが、5曲目「Jewel」の作詞をしてくださった加藤哉子さんと、6曲目「思い出に変わるまで」の作曲・編曲の重永亮介さんでした。加藤さんに作詞をお願いするならこの曲かなと思ったのが、本間さんが作ってくださった曲でした。
── それはどういう理由からでしょう? 中島 本間さんには、洋楽を意識した曲を作っていただいたんです。私は加藤さんのメロディへの言葉の乗せ方が大好きで、この曲なら、詞の内容がいいのはもちろん、遊び心のある言葉を乗せていただけるんじゃないかと思いました。
── タイトルも歌詞も、女性らしさを感じさせるものになりましたね。 中島 私から見た加藤さんは憧れの大人の女性で、その背中を追いかけているイメージがあったんですけど、まさに大人の女性から人生の道筋を照らしていただいた歌詞になりました。「もう 見せかけのフェイクじゃ いい加減満たされないし」という部分がすごく好きです。
── 大人として、本物志向でいたいという。 中島 私が10代だった頃にキラキラした歌詞を書いてくださった加藤さんに、もうそれだじゃダメだよって言われているような気がして、うれしかったですね。アルバムの中で一番、等身大の年齢感が出た曲になったと思います。
── リズムは軽快ですが落ち着きがあって、サウンド感も大人っぽいですよね。 中島 洋楽のグルーヴ感を感じて、歌っていて楽しかったです。仮歌を録音しているときに、直に私の歌声を聴いた本間さんが「メロディを変えたくなった」とおっしゃって。スタジオに入って、本間さんのピアノで私が歌いながら、かなりの箇所のメロディを変えていったんです。一緒に音楽を作ることで、どんどんエモーショナルな曲になっていきました。
── 6曲目の「思い出に変わるまで」は、重永さんのメロディに中島さんが歌詞をつけた曲です。ノスタルジックなラブソングになってますね。 中島 重永さんの作ってくださった曲は、10代の私と今の私を繋ぐようなメロディになっていると感じました。それに、90年代歌謡曲のトレンディな雰囲気もあったので、この曲に歌詞を書くなら、ラブソングにしようと。1stアルバムの頃、10代後半の青春を謳歌していた曲の主人公が、大人になった今、どんな恋愛をしているのかなと想像をふくらませて書いていきました。
── 昔はもっと距離が近かったはずなのに、今は少し遠いという、切ないストーリーになっていました。 中島 久しぶりに会う友達と話しいたりすると、だんだん共通の話題が減っていって、2人が共有していたはずの世界がずれていく感じがあるじゃないですか。その時の切なさを、恋愛に置き換えて書いてみました。ですから、恋愛の実体験を書いたというよりは、地元の風景が変わった寂しさに近いですね。
── 7曲目の「ウソツキザクラ」も恋愛の曲で、こちらはバラードですね。 中島 松本良喜さんに作曲していただいた曲です。私は松本さんの大ファンで、中学時代からたくさんの曲を聴いてきたんですけど、あまりに好き過ぎてお仕事をオファーすることができなかったんです。そうしたら今回、田村さんから松本さんのお名前があがって、「私から言ったんじゃないから、いいよね」と(笑)。だったら、松本さんと作詞のSatomiさんという私にとっての黄金コンビに、ど真ん中のバラードを作っていただこうと思いました。
── たしかに、直球のラブバラードです。 中島 「ウソツキザクラ」というタイトルは田村さんが考えたもので、Satomiさんにはそれをもとに歌詞を書いていただきました。まさか、自分が桜をテーマにした曲を歌う日が来るとは。スタンダードに挑戦するというのは難しいことなんだなと実感することができて、すごく歌い甲斐のある曲になりました。