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「残像のアヴァロン」は、「何かのテーマ曲ですか?」とよく尋ねられます
── 「Curiosity」には、「サブマリーン」を筆頭に、9曲も新曲が収録されています。 中島 1枚のアルバムのために新曲を9曲作るというのは、初めての体験でした。フルアルバムの制作自体、約4年ぶりでしたし、新人に戻ったような新鮮な気持ちで制作に向き合うことができました。
── 序盤の3曲は、すべて新曲になっています。2曲目の「Life‘s The Party Time!!」は、ヒャダイン(前山田健一)さんの作曲ですね。 中島 スタッフさんから名前があがった方でした。今までキャラソンを含め一度もご一緒したことがなかったので、今回オファーをさせていただきました。意外な「初めまして」という感じです。
── ひとつの曲の中に、いろいろなジャンルの音楽が詰め込まれていて、ヒャダインさんらしい曲だなと思いました。 中島 はい、目まぐるしくジャンルが変わって、まさに、いろいろな人が集まったパーティーという感じの曲です。
── 作詞は中島さんとヒャダインさんの共作ですね。 中島 アルバム制作にあたって、何曲かは必ず自分で歌詞を書いてほしいと田村さんから言われていたんです。この曲だったら書けそうかな、書いてみたいなと思ってチャレンジしました。ヒャダインさんからデモをいただいた段階で、「Life‘s The Party Time!!」という言葉がメロディの中に入っていたんです。「これがこの曲のテーマだな」と思って、そこからパーティーソングをイメージして書いていきました。
── まず中島さんが作詞をして、そこにヒャダインさんが手を加えていったと? 中島 そうですね。明るい曲調ですが、部分部分にちょっと切ないテイストが盛りこまれていたので、単に明るい歌詞にはしたくなかったんです。Aメロから書き始めていって、私はどちらかというと内向きな部分を担当して、外向的で明るい部分はヒャダインさんに書いていただきました。一番最初の「圧倒的に生きたいじゃん」という歌詞はヒャダインさんのもので、この言葉が歌詞全体の軸になっているんです。揺らがない強い言葉で、ヒャダインさんらしいなと思いました。
── 3曲目は岩里祐穂さん作詞、バグベアさん作曲の「残像のアヴァロン」。ものすごくキャッチーな曲でした。 中島 はい。聴いてくださった方からは「何かのテーマ曲ですか?」と、よく尋ねられます(笑)。
── その気持ちはすごくわかります。 中島 バグベアさんらしいキャッチーなフレーズがたくさん入った曲に、岩里さんがファンタジーの世界を表現したような物語性の強い歌詞を書いてくださいました。タイアップ曲の時は、自分自身よりも作品のキャラクターを意識して歌うことが多いのですが、この曲は純粋に中島愛の曲なので、自分をファンタジーの主人公に見立てて歌うというのが、難しいところであり面白いところでした。
── 架空のキャラクターを、自分自身の中に作り上げたという感じでしょうか? 中島 レコーディングには岩里さんも立ち会ってくださって、その時に歌詞のテーマは母性だと教えていただいたんです。それでキャラクターをイメージしやすくなって、母性を発揮する状況に置かれた自分を想像して歌いました。
── 旅に疲れ果て戻ってきた人を、やさしく包み込むような歌詞ですよね。 中島 ひたすら旅をして疲れて果て、もう無理かもというところに、温かい手が差し延べられるという歌詞です。追いかけのボーカルがあって、まるで2人で歌っているかのような曲になっていて、母性は追いかけるほうのボーカルで出してみました。守られる人と守る人に私を2つに分けて、対話するような歌い方になりました。