今回は死ぬほど悩んだ!! 今期のイチオシアニソン10曲はこれだ! DJ・出口博之の「いいから黙ってアニソン聴け! in 2018冬」

2018年02月06日 11:320

続いてはアップテンポで不思議なかわいらしさが印象的だった「三ツ星カラーズ」のOP「カラーズぱわーにおまかせろ!」と、「たくのみ。」のED「ストイックにデトックス」。

 


「カラーズぱわーにおまかせろ!」は軽快、かわいい、わかりやすい、と三拍子揃った素晴らしいアレンジ。特筆すべきはサビで「泣きメロ」があるところですね。秒数では1:03辺り、歌詞で言うと「もっと、しらべなきゃ」の部分。ここはコードのルート音が半音ずつ変化しているので(音楽理論になるのでテキストだけで詳しく説明できないのが心苦しいですが)、結果的に胸に引っかかる「泣ける」メロディを演出しているのです。

もうひとつ聴きどころをあげると、歌と伴奏の乖離があります。要は、歌が微妙に浮いている感じがするのです。本来であればあまり好まれない傾向ですが、このふわふわした感じが元気に走り回る3人のキャラクターと重なって、無類のかわいらしさを生み出しているのがすごい。サラッとしているようで、実は計算し尽くされた素晴らしい仕事が光る楽曲です。



「ストイックにデトックス」もアップテンポで気持ちのいいエレクトロポップなサウンドがかわいい楽曲ですが、歌われている内容は完全に大人目線なのが面白い。メロディの着地をわざとうやむやにする、ある意味で投げやりなボーカルも、お酒飲んで忘れちゃえ!的な、自宅だから許される奔放な自由さと人懐っこさが感じられて好印象です。

 

 

放送開始から色んな意味で話題をかっさらい、今期の台風の目となっているのが「ポプテピピック」。このED「POPPY PAPPY DAY」も、作品と同じく規格外の楽曲となっています。

 

声優を変えて同じ内容の本編を2回し放送する業界激震の斬新な放送スタイルに合わせるように、ポプ子・ピピ美の声を女性声優(牧野由依さん、渡部優衣さん)が担当するバージョンと男性声優(赤羽根健治さん、武内俊輔さん)が担当するバージョンの2曲が使われています。このキャスティング自体にもいろんな意味が見え隠れしてツッコミどころ満載ですが、楽曲は驚くほどド直球に名曲。悪ノリなしの普通にいい曲。

個人的には、赤羽根さん・武内さんバージョンのほうに軍配を上げたいと思います。牧野さん・渡部さんバージョンは、もう超王道のよさがあるのですが、赤羽根さん・武内さんバージョンには、ポップミュージックの可能性を突き詰めるあまりどんどん常識から逸脱していった後期ビートルズのような狂気が垣間見える瞬間があります。深読み、拡大解釈かもしれませんが、この不思議な中毒性を考えると、そう思えてならないのです。

 

 

 

今期のアニメソングというレギュレーションから外れるかもしれませんが、「博多豚骨ラーメンズ」のED「DIRTY BULLET」はどうしても選びたかった。

 


さすがにここで歌がないインスト楽曲を選ぶのもどうなのかと思いましたが、カッコよすぎるので選ぶしかないなと。単純に楽曲の素晴らしさもありますが、「映像と音楽の関係」が今期トップクラスと感じました。リズムとシンクロしてカットが切り替わる。超王道の手法ですが、やはりここまでビタッと合わさると気持ちいいし、止め絵とのバランスもきちんと緩急がついていて生理的快感があります。アニメソングというカテゴリーとは少し違う立ち位置ですが、映像と音楽が高いレベルで相互に関係するのもアニメソングならではの魅力です。

 

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