※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。
ハッピーチューンであると同時に、デスチューンです
── 作詞で、やりたかったことはなんですか? 喜多村 「gdメン」は、ゲームの世界の中にキャラクターたちが集まって、楽しく会話する作品なので、まずはそこをイメージしたうえで、私がやりたいことを全部入れました。
── 言葉遊びが多いのが特徴で、歌詞を見ながら聴くと、より一層、面白いですよね。 喜多村 わかりやすい言葉を使うというのが私の作詞の目標で、それを実現しつつも、「英語っぽく聞こえるけど、ここは日本語だった」とか、「この音にこの漢字を、あえて当てているのか」という驚きを与えられるような歌詞になったと思います。「gdメン」は「gdgd妖精s(ぐだぐだフェアリーズ)」シリーズのアニメということで、「妖精」という言葉を入れようというのは、最初から考えていて。そのまま使うのではなく、「要請」と置き換えたりして遊びました。
── ★とか♪とか∞とか、記号もどっさり入っていて。 喜多村 目にチカチカしますよね、私の歌詞って(笑)。インフィニティマーク(∞)を、無限を意味するのではなく、妖精の羽根の意味で使ったりしているんです。いろいろやってますが、私の周りにいる作り手側の人たちから、「音符に対して、言葉のチョイスが秀逸なくらいハマっていた」というお言葉をいただけたので、自信を持ってお届けできます。
── 歌詞を書くのは、早いタイプだそうですね。(スタッフ) 「妄想帝国蓄音機」は、3時間くらいで書き上げてました。
喜多村 声優の仕事の合間に、音楽データをカフェで聴いて、その時感じたことをバッとメモに書くんです。それで、1日の仕事が終わると、「降りてきたーっ」という感じで、メモを元にバーッと歌詞を書き上げて、「こういう感じにしたいんです」とスタッフさんに送りました。日を置いてじっくり考えるんじゃなくて、曲を聴いてビビッと来たことを、すぐに言葉にしたいんですよね。
── その短時間で、ここまで遊び感覚に満ちた歌詞ができ上がるというのは、すごいです。レコーディングはいかがでしたか? 喜多村 痩せました(笑)。ビブラートとか、音を伸ばすところとかとか、伸ばすところとか、アニソンならではのニュアンスを盛りに盛っているので、声帯をかなり酷使するんです。カロリーの消費量もすごくて、短期集中でレコーディングしました。この曲はカラオケで配信になったら、みんなで盛り上がれるハッピーチューンになると思うんですけど、同時にデスチューンにもなると思います(笑)。でも、歌うと、すごく気持ちいいんですよ。
── たしかに汗をかきそうな曲ですね(笑)。 喜多村 新年1発目の曲ということで、めでたいんですけど、楽曲的には病んでいるという(笑)。闇の部分、病んでる部分を表現することに対して後ろめたさがないのが、私のアーティストとしての持ち味だなと思っていて、この曲ではそれをふんだんに出させていただきました。
── 「妄想帝国蓄音機」というタイトルには、どんな意味があるのでしょうか? 喜多村 私の「妄想」を楽曲として具現化して、キタエリストの「帝国」を作りたいという野望と、「gdメン」のキャラがおしゃべりしている様子をイメージした「蓄音機」とを合わせつつ、実はもうひとつ、隠れた意味がある、というタイトルです。それが何かは恥ずかしいので、内緒にしたいと思います(笑)。とにかく、漢字7文字という、胸焼けするような重みのある、オンリーワンのタイトルになったんじゃないかと。