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1曲だけでも作詞できればいいなと、最初は思っていました
── アルバムの新曲は6曲あって、全曲の作詞を寿さんがしているんですよね。 寿 はい。最初は1曲でもいいから作詞できたらいいな、という淡い期待だったんですけど、とりあえず全曲の作詞にトライして、うまく書けた曲を歌うことにすればいいんじゃないかということになって。結局、6曲全部、なんとか自分で書けたという感じなんです。5曲目まで書けた時は、全曲リーチだ、がんばろうって思いました(笑)。
── そこまで来たら、全曲書きたいですよね。 寿 作詞は初めてだったので、アイデアが枯渇したらどうしようという不安は常にあって。私にとっては正解の歌詞ができたと思っているんですが、ファンのみなさんにとっての正解になるかどうかは、発表するまでわからないので、ドキドキしています。この前、実家に帰った時に親に聴いてもらったんですけど、「これ、書いたん?」ってびっくりされたんです。多分、もうちょっと等身大の言葉が並んだ、日記に近い感じの歌詞になっていると予想していたんじゃないかなと思うんですね。
── 歌詞を見ながら楽曲を聴かせていただきましたが、それぞれの曲によって、アプローチが違っていますし、完成度の高い歌詞になっていると思いました。 寿 うまく書けずにOKをいただけなかった曲は、プロの作詞家さんにお願いしようということになっていたんですが、それぞれの曲の〆切に間に合う形で、全曲のOKをいただけました。最初の頃は、メールだとうまく話し合いできないだろうなと思って、直接、ディレクターさんの元に歌詞を持っていって、「どうですか、先生?」と(笑)。そこで基礎の基礎から作詞について教えてもらったんです。今まで私が歌ってきた曲は、すばらしい作詞家さんが言葉を紡いでくださっているので、迷った時は過去の曲の歌詞を見て、「なるほど、こうやって書くなんだなあ」と。自分が作詞にトライしたことで、今までの自分の曲の歌詞に対しても、見方が変わりました。
── 作詞家の目線で見ることができるようになったんですね。 寿 こういう言い回しをするんだとか、こういうたとえの使い方をするんだとか、いろいろなことに気づかされました。そうやって作詞について勉強しながら書いていって、最後のほうではディレクターさんから「書けすぎてて、恐いわ」って言われるようになりました(笑)。
── あまりにも作詞家としての成長が早くて(笑)。 寿 まわりの声優さんたちも、歌手活動をするだけじゃなく、自分で作詞する人が増えてきて。みなさんの作品を聴いていると、それぞれの味があって面白いし、私は逆に「今まで書いてなかったんだね」と言われて。作詞には苦手意識がずっとあったので、アルバムはそれを克服するチャンスだなと思ったんです。1曲でも採用されれば、次に繋げられるなって。それが全曲採用されることになって、本当にうれしいです。