【アニメガタリズ特集】森井監督ら主要スタッフが制作秘話をネタバレ満載で語る!「アニメガタリズ」座談会(前編)

2017年12月30日 18:000

クボ、アイ+アイ=アイ

 



■第7話「ミコ、ダンピツセンゲン」

脚本:山下憲一 絵コンテ:星野 真

演出:相浦和也 作画監督:梶浦紳一郎

 

――第7話ではアニメ研究部によるアニメ制作が始まりますね。

 

森井 7話、8話が文化祭回で、その導入部分が7話になります。

 

久保 「アニメのアニメだから1回作っておこう」というノリです。全部それかよ!と言われそうですが(笑)。

 

森井 久保さんは大学でアニメサークルに入っていて、アニメサークルではやはりアニメを作るという話を聞いたので「じゃあ作りたいな」と(笑)。アニ研が作るアニメのエンディングで3DCGを使うことは最初から決めていました。

 

久保 エンディングのことを言うと、8話でフルの3DCGを作るというのが先にあったんです。その一部を先行して作ってもらい、遡って全話のエンディングで使おうという流れでした。

 

――内容的には、美子が脚本をリテイクされて闇堕ちするところはリアルだなと感じましたが、実体験も含まれるのですか?

 

広田 (重い口調で)あれは……事実です。脚本家たちの心の闇がダダ漏れになっているのが7話、8話ですから(笑)。

 

田沢 誇張して書いたのかと思ったんですけど、あれぐらい稿を重ねたアニメが実際にあったと聞いて背中が寒くなりました……。(※編集部注:作中のシナリオ会議は「第53回」まで描かれていた。決定稿がいくつだったかは不明)

 

広田 プロットと稿数を合わせたら、僕はデビュー当時にあれに近いぐらいのを経験したことありますよ。1周まわって最初に戻ることもよくありますし。あと、何も発言がなくてお菓子を食べる音だけが部屋に響き渡るのはリアルなので、笑えないです。

 

田沢 ありますよね(笑)。

 

広田 ちょっと脚本家側に偏重しすぎたかなという反省はありますけど、面白いからいいかなと。「僕たちの叫びを聞いてくれ!」ということで。おかげ様で美子のキャラの幅が広がったと思います。

 

森井 そうですね。だいぶ“壊れて”きたかなと(笑)。あと、7話のシナリオ会議の期間って実はすごく長くて、夏服から始まっているけどシナリオ会議の最中に冬服になっているんですよ。

 

久保 CMが開けると冬服になります。文化祭まで3か月というところでスタートし、2か月経っても脚本が終わらず残り1か月弱ぐらいで本編を作っています。ホワイトボードを見てもらうと、スケジュール感がわかります。

 

森井リアルだ。

 


■第8話「アリス、オカネガタリマセンワ」

脚本:山下憲一 絵コンテ:二宮荘史

演出:久保博志 作画監督:村上史明

 

――第8話は“最終回感”があって、評判もすごくよかったですね。

 

久保 我々の中では「日常編最終回」と言われていて、ここで一度最終回にしましょうというノリで作っています。

 

田沢 第1部完ですね。

 

森井 もともと「世界が崩壊しちゃうような話がいいな」ということで、8話までは普通にやって9話以降に世界を壊してこうと早めに決まっていました。

 

――9話から、ということに理由はあったのですか?

 

広田 あんまり早く壊したら間が持たないので(笑)。それと、途中から世界が崩壊していく話は意外とギリギリまで日常を引っ張ったほうがいいと、別の作品の経験則であったんです。前作の「アニメガタリ」は大学のサークルを舞台にした話ですし、その世界観をできるだけ長く引っ張りましょうと。実は、(日常編を)10話まで引っ張って最終回を学園長との対決にしようという案もあったんです。でも、ベレー帽とか悪役を1話で出していたと思い出して(笑)。

 

――回収しないといけないですからね。細かいところだと冒頭の「前回のアニメガタリズ」も話題になっていました。

 

田沢 脚本の山下さんは「ラブライブ!」が大好きなので、冒頭部分を書いた時に「やることやりました!」みたいな感じでした(笑)。

 

広田 実はこれ、4話でもやろうとしたんですが尺の問題でなくなったんです。

 

森井 だから、8話では絶対にやると言って(笑)。しかも音響監督が「ラブライブ!」を手がけた長崎行男さん。長崎さんのこだわりで、「ここはそんな尺じゃないから!」と尺を半分に切られて30秒余っちゃったんですよ。見本として自分で一度やられていましたからね。だから、もし本渡さんがうまくできなかったら長崎さんのやつを流そうと思っていました(笑)。

 

――もうひとつ気になったのはお母さん(阿佐ヶ谷愛)の過去です。公式サイトに「芸能活動をしていた」と書かれてはいますが、やっぱり……?

 

森井 お母さんは元アイドルです!  お父さんと結婚して早めに引退したという設定で。だから五門先生は、伝説のアイドルの振り付けに似ていてビックリしたんです。

 

久保 荻窪監督(学園長)が作ったクソアニメ「超カタルシス的少女エターナルシンフォニー」、通称「エタシン」の主題歌「鼓動、カタルシス」は、お母さんが別名義で歌っているんですよ。12話ではエンディングクレジットにも出ています。

 

森井 この曲は実際に加隈(亜衣)さんに歌っていただきました。

 

――だからアーティスト名が“eye”なのですね!これは誰だろうと思ったんです。

 

久保 阿佐ヶ谷“愛”と加隈“亜衣”をかけて“eye”。

 

森井 ちなみに、お母さんの名前は内海プロデューサーが「ぜひ“愛”で」と言ったんですよね。

 

広田 最初は別の名前をつけていたけど、それで変えました。キャラクターの苗字は全員「駅の名前」なので、阿佐ヶ谷家はお父さんを「集合」という意味で“修吾”、お母さんは「待ち合わせ」で“待子”だったんです。でも、“愛”なら「会いましょう」ということでいいかなと。

 

久保 もっと言うと、アイドルの時は芸名で活動していて、結婚して麻耶と未乃愛が生まれ一度引退。その後、頼まれて“eye”という別名義で歌ったのがあの主題歌です。なので、時代的に未乃愛が小さい頃(芸能界を引退後)に流れているんですね。

 

森井 お父さんのほうは、大手出版社の社員で漫画の編集部ではなくて旅行情報誌とかの編集部という設定です。あくまで僕の中ではですけど、どこかのタイミングで(お母さんとのことで何か)やらかしちゃって左遷にあったのかなって(笑)。

 

広田 それがリストラの危機ですか?(笑)

 

森井 あと、お父さんは機材オタなのでDATが出てくるんですよ。

 

田沢 ICレコーダーじゃなくてDATを出すところでお父さんのマニアックさを出しているんだけど、わからないですよね(笑)。

 

「アニメガタリズ」座談会(後編)に続く!

(取材・文・写真/千葉研一)

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アニメガタリズ

アニメガタリズ

放送日: 2017年10月8日~2017年12月24日   制作会社: ワオワールド
キャスト: 本渡楓、千本木彩花、東城日沙子、寺島惇太、伊藤節生、伊波杏樹、高橋李依、西明日香、高森奈津美、高木美佑、花澤香菜、古川慎、丸山ナオミ
(C) DMM.futureworks/JY Animation・咲鐘湖学園アニメ研究部

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