ホビー業界インサイド第30回:株式会社WAVE・阿部嘉久社長が振り返る、1983年・吉祥寺周辺のホビーシーン

2017年12月23日 12:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

今後は、海外の模型市場に注目すべし!


── 現在のWAVEさんはプラモデルの開発ペースも軌道に乗っていて、阿部社長は趣味の軍艦模型も再開されて、現在の模型業界はどう見えていますか?

阿部 たとえば、完成品フィギュアは若いお客さんが新たに入ってきて、ファン層がどんどん入れ替わっている感じがします。それに比べて、弊社の「ボトムズ」や「マシーネンクリーガー」のプラモデルは、30年前のお客さんがいまだに買ってくださっている(笑)。国内のプラモデルファンは、どんどん高齢化しているんじゃないでしょうか。僕も、ルーペなしには模型を作れませんし、プラモデルの小さなパーツはしょっちゅうなくしてしまいます。模型を作る人口は減っているけど、何千円もする高い工具が売れたりして、どんどん深くなってきている気がします。
もうひとつ、僕が気になっているのは、経済的にゆとりの出てきた東南アジア諸国です。ガンプラにしても、国内向けより海外向けの生産量が上回っていると聞きました 。

── 中国や韓国だけでなく、シンガポールやマレーシア、インドネシアなどでガンプラ人口が増えていて、おまけに上手いんですよね。

阿部 そうそう、台湾もすごいです。塗装や工作のレベルが、すごく高い。日本だって、30~40年ぐらい前は模型に対するエネルギーがすごかったわけで、その時期のエネルギーが今はアジアのほかの国へ移っている気がします。日本は縮小気味だけど、海外は拡大傾向にあります。中国を嫌いな人は多いでしょうけど、市場として大きいことは認めざるを得ないと思います。もともと人口の多い国に模型文化が普及していくと、今後は大きな市場に育っていくでしょう。ヨーロッパはスケールモデルが盛んですし、これからは海外へどう売っていくかが大事でしょうね。



(取材・文/廣田恵介)

画像一覧

関連作品

装甲騎兵ボトムズ

装甲騎兵ボトムズ

放送日: 1983年4月1日~1984年3月23日   制作会社: サンライズ
キャスト: 郷田ほづみ、弥永和子、富田耕生、千葉繁、川浪葉子、銀河万丈、戸谷公次、玄田哲章、広瀬正志、郷里大輔、速水奨、政宗一成、麦人、上恭ノ介、緒方賢一
(C) サンライズ

聖戦士ダンバイン

聖戦士ダンバイン

放送日: 1983年2月5日~1984年1月21日   制作会社: サンライズ
キャスト: 中原茂、土井美加、あたか誠、高田由美、川村万梨阿、色川京子、大木正司、速水奨
(C) 創通・サンライズ

メガゾーン23

メガゾーン23

発売日: 1985年3月9日   制作会社: アートランド
キャスト: 久保田雅人、川村万梨阿、荘真由美、冨永みーな、塩沢兼人、宮里久美、高木均、三ツ矢雄二、山寺宏一、鳥海勝美、曽我部和恭、沢木郁也、小林清志
(C) AIC

ログイン/会員登録をしてこのニュースにコメントしよう!

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。

関連記事