音楽と共に現れた新たな「進撃の巨人」ワールド! 「Linked Horizon Live Tour 2017 『進撃の軌跡』」最終公演レポート

2017年11月28日 17:000
音楽と共に現れた新たな「進撃の巨人」ワールド! 「Linked Horizon Live Tour 2017 『進撃の軌跡』」最終公演レポート

原作への愛に満ち溢れたライブは「凱旋公演」で最終形態を迎える

 

「進撃の軌跡」ツアーが単なる「『進撃の巨人』イベント」にあらざることは言うまでもなく、ライブコンサートとして極限まで質を高められた場であることも事実だ。「もしこの壁の中が一軒の家だとしたら」に続いた「紅蓮の弓矢」は説明不要のLH代表曲で、曲中で「イェーガー」と叫ぶことで身も心も「進撃」住民となれる最高の「進撃」楽曲だが、高い演奏技術の「圧」を楽しめるのもライブならでは。さらに言えば、サビでドラムの淳士さんが腕が円を描くようにスネアを叩く様は和太鼓の演舞のようで、音だけでなく目でも高揚させられた。

先述したようにビジュアルポイはその映像美で楽曲を盛り上げるが、手にするダンサーたちの踊りもまたすさまじく。歌詞が語る物語に合わせて時にシーンを演技し、時に「双翼のヒカリ」のように熱いバレエをペアで見せもする。

今回の川崎支部公演で登壇したクワイヤの圧倒的な魅力はすでに語ったが、その先陣を切って歌い続ける歌姫5人のあでやかな歌声も見逃せない。特に川崎公演では、LH曲ではないがSH曲の「<ハジマリ>のクロニクル」「神話 -Μυθοs-」(「神話 -Μυθοs-」の「s」はギリシア文字の小文字のシグマが正式表記)を感動は耳から消え失せず。歌姫の力によって、いまだ色あせぬ名曲の力と新たな再生を目にすることができたと感じさせる。

そして、RevoさんによるMC。これはほかのライブではなかなか味わえない時間だ。Revoさんが客席に向けて放つ己の意思や思いのかけらに触れることで、普段は意識していないテーマについて考えるきっかけになる。この最終公演では、アンコールラスト曲「青春は花火のように」の後、その時間に20分も費やした。

「ライブって何のためにあるのかなって。“楽しい”っていうところに最終的に着地したいんだけど、ただ最初から最後までアホみたいに“楽しい”だけではないと思っていて。みなさんの“楽しい”と思う中には、悲しみとかそういうものを踏まえていることで楽しみに奥行きとか幅というものが生まれていて……。“楽しい”ってなんなんだろう、みたいなそういうことをいろいろ感じながら、みなさんの顔を見ながらツアーっていうものを続けてきて。だからこそ“楽しい”っていうものを多く残していきたいなって思いました。一瞬で過ぎ去っていくものなのでね。楽しい瞬間っていうものが確実に今日この夜にあった、そのことを信じることができれば次に長い苦しい時がやってきたとしても、この瞬間はまたやってくるよ、絶対に」

 

そして最初のMCでしかけた勝負の行方をここで。

「今日、この公演を一番楽しんだって人? 結構皆(手を)挙げるね、負けず嫌いだね。両手挙げてる女の子がいる、負けたー、くそー、マイク持ってるから両手挙げられないんだよ」「でも、判定できないので言い張った者勝ちです。ただ、一番楽しんだ、って思う自負があったら次のことも覚えておいてほしいって思います。君が今日感じてる“楽しい”ってことは、君が作りだした“楽しい”なんだけど、君だけが作りだしたものじゃないんです。それは今日この場を共有したみんながいて、最初の市原公演から34公演やってきていろんなものを受け取って、少しずつ何か語っていくようなものがあって、そのすべてのポジティブなエネルギーを今日僕は全部含めて楽しもうとして、それを構築して。そこで君たちが“楽しかった”ってもし思うのであれば、それはこのツアーというものが“楽しかった”っていうことなんだと思います」

 

ツアーを“楽しい”ものにしたすべての人々、ステージからすでに退場しているメンバー、スタッフ、34公演に参加した団員すべてに対する拍手を促した後、Revoさんは「進撃の巨人」について語り始めた。

「みなさん、パンフレットって買いましたか? “二ヶ月後の君へ、なんて言ったらいいかわかりません” みたいなことを書いたと思うんだよね。このコンサート、皆さんが楽しんでくれることに意義があるんだけど、『進撃の軌跡』っていうコンサートツアーが終わった時に何らかの答えを出したいっていうのがあって。でもね、ありませんでした。ひと言で言えるような言葉ってないかなと思いました。君=エレンにかける言葉はないんだよね。ないから探していて。ちょうど昨日(『別冊少年マガジン』)最新号が出て、それを読んだ時、思ったよね。『かける言葉がないな』と。けど、『歌はちゃんと寄り添い続けているんじゃないか』と思った。たまには僕が自分でイェーガー言ってみようか」

Revoさんはここで「紅蓮の弓矢」の1番のサビをアカペラで熱唱する。

「最新話を読んだ時に思ったのは『紅蓮の弓矢』がエレンのテーマなんだということ。あいつは狩人です、イェーガーです。そのことがちゃんと自分の中で腑に落ちている気がしました。なので、気軽にかける言葉はないのですが、その紅蓮の弓矢が飛んでいく先を僕が見守って歌にする、その気持ちは嘘じゃないですね。弓矢がどこまで飛んでいくかっていうのをちゃんと見届ける、それが僕に言える精いっぱいだと思います。あとは音楽にしていきたいと思います」

 

いかにRevoさんが「進撃の巨人」という作品に気持ちを寄せているかが伝わるコメントだった。作品をモチーフに誕生させた楽曲やライブとはいえ、仮にもみずからが率いるツアーファイナルにこれほど真摯で誠実な言葉を語るとは驚きもありつつ、だが決して意外ではない。彼はライブを通じて感じた想いを客席にすべて受け渡してこようと考えているように思えるからだ。研ぎ澄ますように楽曲を作り込むのと同じく、その場、その瞬間でしか生まれえない何かの大切さを感じ取り、MCにも「ライブ感」を持ち込んでいるように感じた。

あらためて「進撃の巨人」を愛してやまないすべての人々に「進撃の軌跡」という場への参加を勧めたい。凱旋公演はツアーに参加したメンバーが総動員され、「進撃の軌跡」という作品の集大成が描かれる。SH楽曲も多く演奏されることが予想され、その点で臆する者もいるかもしれないが、そもそもLHのみならず、SHと「進撃の巨人」は読者に考察する謎をいくつも与えるという点で共通点が多い。「進撃の軌跡」本編のラストは、アルバム「進撃の軌跡」でシークレットトラックとなっていた「二ヶ月後の君へ」のアコースティックバージョンだったが、西山毅さん&YUKIさんという卓越したギタリストを左右に従えながら、Revoさんがアコースティックギター「Feuerroter Horizont」でとくと聴かせる中、夕焼けを水面に移す海という映像の意味を考えずにはいられなかった。なぜ1曲目の「二ヶ月後の君へ」で使用しない「Feuerroter Horizont」が脇に置かれていたのか? 考察は、読者視聴者が作品をみずからに取り込もうとするアプローチの一種であり、愛情の別表現方法である。今までとは異なる「進撃の巨人」世界を見せてくれる、そして異なる視点で楽しむことを気付かせてくれるライブ「進撃の軌跡」をぜひ来年の横浜アリーナで味わってほしい。


(取材・文/清水耕司、撮影/阿部薫)

   

 

■「Linked Horizon Live Tour 2017 『進撃の軌跡』」セットリスト

1. 二ヶ月後の君へ

2.もしこの壁の中が一軒の家だとしたら(Vo./柳麻美)

3.紅蓮の弓矢

4.14文字の伝言(Vo./松本英子)

5.紅蓮の座標

6.最期の戦果(Vo./月香)

7.神の御業(Vo./月香、MANAMI、福永実咲、松本英子、柳麻美、Voces Tokyo)

8.自由の翼

9.双翼のヒカリ(Vo./MANAMI) 

10. 自由の代償

11.彼女は冷たい棺の中で(Vo./福永実咲)

12.心臓を捧げよ!

 

(11/9 アンコール)

En1.キミが生まれてくる世界

En2.戦いの果てに[Long Version]

En3.青春は花火のように

 

(11/10 アンコール)

En1.<ハジマリ>のクロニクル

En2.神話-Μυθος-

En3.青春は花火のように

 

【ライブ情報】

日程:2018年1月13日(土)開場 17:00  開演 18:00

   2018年1月14日(日)開場 15:00  開演 16:00

会場:横浜アリーナ

※会場への直接のお問い合わせはご遠慮ください。

 

【一般席】

チケット代金 12,000円 (税込)/1枚

※全席指定 ※未就学児童入場不可

※お一人様1公演につき4枚まで ※紙チケットのみ

 

チケットお申込みサイト(チケットぴあ)

http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b1765241

電話番号:0570-02-9999  Pコード:349-868

  

お問い合わせ先

KMミュージック045-201-9999 (平日 11:00~18:00)

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