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テレビで描かれたアスラーダG.S.Xだけが正解ではない
── アスラーダG.S.Xはレースマシンですが、デカールはどうなっているのでしょう? 飯塚 デカールについては重田さんに考えていただき、かなり大量に付属させます。
重田 デカールに関しては、何もないと寂しいですし、当時のセルアニメでは、実際のレースマシンのようにスポンサーロゴなんて貼れなかったわけです。テレビ版のスゴウチームではお金がなかったでしょうから、そんなにゴテゴテと貼ってあるのも変じゃないかと思いました。そういった部分も考慮に入れながらアオシマさんからいただいているCAD図面にデカール案を描きこんでいます。ワールドチャンピオンに贈られるワッペンがあるんですけど、ドライバーのフィギュアや1/24スケールの車に貼るにはスケールが小さすぎるので、サイズの大きいものを用意してもらいました。モデラーの方に、自分で台座をつくったときにアクセントとして貼ってもらいたいという意味ですね。チャンピオンカーナンバーの「1」や、(G.S.Xに乗るはずだった)日吉明のドライバーネームを入れてもらったのは、プラモデルって、そういうアナザーの状態を再現できるのが楽しみだと思ったからです。
飯塚 車検証のデカールまであるんですよ。
重田 実際のF1マシンはレースのあるサーキットごとに、車検を通すんですね。10戦出場したら車検証も10枚あるはずなんですけど(笑)、そこはあくまで雰囲気ですかね。
── 商品のターゲットとしては、どういう人たちを狙っていますか? 原 まず、やはりアニメを見てらした方たちですね。
飯塚 それと、普通のカーモデルを好きな方たちにも手にとってほしいです。
重田 実在のスーパーGTなんかの車輌と並べても違和感がなくて、よくよく見ると「おやっ?」と気づいてもらえたら、しめたものですね。
原 設定には表記のない燃料タンクの位置、エフェクトファンの位置、空気の流れる隙間まで、不自然にならないように考察して設計しました。「(アニメが放送された)1991年から見た2015年という未来の車」として徹底しています。
── パッケージはどうなるんですか? 飯塚 過去の「サイバーフォーミュラ」シリーズも重田さんにお願いしてきましたので、今回も重田さんに描いていただきました。この箱絵の雰囲気のアスラーダG.S.Xを作りたい、という方もいらっしゃるだろうと思います。
重田 これまではレース走行状態の箱絵が多かったので、こうした「静」のイメージの渋いたたずまいの絵は苦労しましたね。TVシリーズのオープニングに似たようなカットがあって、とても印象的だったことと、ここから新たにプラモデルの「サイバーフォーミュラ」シリーズがまた始まるという意味を込めて、「スゴウファクトリーでのG.S.X新型車発表会」という雰囲気のレイアウトパッケージにしてみました。
飯塚 開発までに3年もの時間がかかったキットですので、その労力が商品に反映されていると思います。車のキットとしてはパーツ数が多いですし、1つひとつのパーツに意味があることを、手にとって感じとっていただきたいですね。
原 ルーフを外してオープンカーにもできるし、一見しただけでは気づかないような隠しギミックも仕込んであります。これを皮切りに、新シリーズを始めたいと意気込んでいます。
重田 ホイールキャップひとつとっても、ああでもないこうでもないとずいぶんと話し合いましたからね。テレビでは表現されなかっただけで、サーキットごとにカラーリングやデカールの違うアスラーダG.S.Xがあってもいいんですよと提案できれば、楽しみ方の幅が広がるし、夢もふくらむと思うんです。
(取材・文/廣田恵介)
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