「私が歌えば、それがアキバ系!」桃井はるこが2017年に歌いたい新曲完成! ニューシングル「星空ダンシング」インタビュー

2017年11月21日 11:000
「私が歌えば、それがアキバ系!」桃井はるこが2017年に歌いたい新曲完成! ニューシングル「星空ダンシング」インタビュー

自分らしいライフスタイルを考えつつ生まれた「D・I・Y ~キミ色に染めて~」

 

──カップリング曲の「D・I・Y ~キミ色に染めて~」はいかがでしょうか。

 

桃井 こちらも同じようなテーマなんですけど、みんな息苦しさを感じているのか、世の中的には大ブランドに頼るっていうよりは、自分にあったものでいいじゃないかっていう流れになってきていると思うんですよ。

私、ジーンズとかを染めるのにハマっていて、たとえば飽きちゃったジーンズがあったとしても、色を染め直すと全然違った気持ちで履けるんですよね。そういうちょっとしたことで自分の気持ちを切り替えたり、自分の持っているものを生かすことによって、新鮮な気持ちでいられるんじゃないかって思うんです。

 

──先日のワンマンライブでも「アナログなDIYには『undo』がない。それがいい」と話していましたが、デジタルなものに対する希望とか期待を歌ってきた桃井さんが、アナログを志向するようになっているというのが、個人的にすごく興味深く感じたんです。どういう経緯で、そういう考えに至ったのでしょうか?

 

桃井 今、デジタルが親切すぎるんですよ。以前のデジタルって、目的に到達するのにすごく高いハードルがあって、いろんな障害があったからこそ、それをゲーム的に楽しんでたとこがあったんです。だけど今はデジタルで何かやるのが簡単すぎるから、逆に面白くなくなっているのかもしれない。私、レトロゲームが好きなんですが、昔のゲームって一生懸命進めたのに、あそこでああしとかなかったから詰んだ、みたいなことが平気であるじゃないですか。たとえばボス戦で死んだら「ここからやり直すわけ!?」みたいなところまで戻されたり。でも、今のゲームって穴に落ちて死んだら、「ここは飛ばして次に進みますか」みたいなメッセージが出たりするんですよ。

 

──クリアしたことにしてくれる?

 

桃井 そうそう。携帯電話のゲームにしても、ただボタンを押してるだけなのに「お前すごいな!」って言われて、「いや、何もしてないんですけど」って思っちゃうんです。別に今のゲームを否定するということではなくて、私はその時に体験した苦労を笑い話にするのが好きなのかもしれないですね。たとえばインターネットに繋ぐのでも、昔はいろいろ入力しないといけなかったのに、今は何もしなくても一瞬で接続できるじゃないですか。そうなった時に、逆に見落としているものがあるんじゃないかなって思うんです。

 

──なるほど。

 

桃井 もうひとつ、実際に秋葉原を歩いてみればそこにあるものが、インターネットの通販とかで探すとなかなか見つからないことってよくあるんです。昔アキバにあった黒人さんがDJ機材を売っている謎の店とか、明らかに偽のキャラクターが書いてある、正体不明のゲームソフトを売ってる店とか。そういう店は以前「そこにあった」のに、ネットで見つからないと「なかったことになる」みたいな。でも確かにあったんです。ネット上に残っているものをきっかけにそんな記憶が呼び起こされると、まだまだ世の中にはネットに上がっていないことってあるよな、と思います。

スマートフォン普及以前には限られた若者しか知らないようなことがネットに載っていて、ネットが秘密の世界だったけど、今は逆で、ネットのほうがみんなが見られて後世に残る公なもので、リアルの世界の生身の体のほうが世界にひとつしかない秘密のアバターみたいになってきてる。そうなると最近は、アメ横の親父さんからマツタケとうなぎを値切って買うのが楽しいんですよね(笑)。

根がオタクだから、自分だけが知っていることっていうのがいいんでしょうね。自分だけが気がついた楽しみ方、みたいな。

 

──「オタク」っていう根っこの部分は変わっていないんですね(笑)。

 

桃井 ただデジタルを否定しているわけではないのがわかりにくいところですよね。たとえばほかの方に曲を作らせてもらえるとなった時に、「モモーイは曲を作る人になったのか」「もう自分で歌わないのか」って言われたりするんですが、「そうじゃないんだよ」って。楽曲で「DIYするの楽しいよね」って言うと、「もうデジタルに興味がないのか」って言われるかもしれないけど、そうじゃないんですよね。

バランスというか選択肢が多いからこそ、気持ちをヘルシーに保つためにはどの情報ソースが自分に向いていて、快適に生活するにはどういうライフスタイルがいいのかっていうのを、自分自身で考えていかなきゃいけない。だから、ネットもリアルも使い分けて明るく生きていきたいなって。今回の2曲は、そういう時代に考えた楽曲でございます。

 

──ジャケット写真のロケ地は建築中の新国立競技場ですか?

 

桃井 そうです。新国立競技場の建築現場の横です。これも、今しか撮れない風景だな、と。

秋葉原のUDXビルが建つ前にあったバスケットコートもそうなんですけど、ここで今写真を撮っておかなかったら、もう撮れない風景だと思ったんです。

きっかけは、新国立競技場周辺から富士山が見える時期があったんです。ずっと旧国立競技場が建ってたから見えなかったけど、旧競技場を取り壊した時期に、ちょうど建物の間から富士山が見える瞬間があったんです。東京によく「富士見○○」って地名がありますけど、霞ヶ浦でも見えたんだなっていうのが印象に残っていたんですね。

それで、「今回はどこで撮りましょうか」って話になった時に、まず歌詞に自転車が出てくるから桃井が自転車に乗ってどこかにいるのがいいんじゃないかという話になったんです。その時に新国立競技場が建つと空が見えなくなってまた風景が変わっちゃうし、建築用クレーンがこれだけ大集合していることってもうないんじゃないか。この風景はなかなか撮れないだろうってことで、お願いして撮ってもらいました。

 

──空も夕暮れのいい感じの色で。まさに一期一会な写真ですよね。

 

桃井 この写真を撮っていただく前にスタッフみんなで1回ロケハンに行って、その2週間後に撮影をしたんですが、その期間でもう景色が全然変わっていたんですよ。ロケハンの時はスタンドとか全然できてませんでした。だから、今行ったらもっと景色が変わってると思います。本当に、その瞬間にしか撮れない景色だなって思いましたね。

 

激動の30代を振り返って


──12月14日にはお誕生日を迎える桃井さんですが、結果的に「星空ダンシング」は30代最後のシングルとなりましたね。

 

桃井 そうですよ、びっくりですよね。もっとそういうのを意識すればよかったですかね。いつも通り、ナチュラルにリリースしちゃいました(笑)。

 

──30代はどんな10年でしたか?

 

桃井 30代は、とにかく外国にいっぱい行きました。30数都市に行ったので、雑誌とか見てると「あ、ここも行ったことあるな」「ここも」って思っちゃいますね。そして、どこにでもオタクがいるんです。それがすごいですよね(笑)。

 

──桃井さんが歌いに行くってことは、そもそもその土地にオタク市場があるってことですもんね。

 

桃井 そうなんです。そして、やっぱり呼んでくれる方が本当にガチのオタクなんです。日本人にはあまり知られていないんですが、世界中では日本のものを好きなオタクたちが、各地でイベントを開催しているんです。で、そこに「桃井さんを呼ぼう」ってなって、事務所に直接メールをくれるわけです。これがインターネットのすごいところなんですが、そのいっぽうで「こんなところにオタクがいる!」とビックリすることって、もうあんまりないですね。不思議なもので現地に行くと、まったくアウェイ感がないんですよ。全然言葉が通じないはずなのにオタク同士だからなのか、日本にいるみたいな感覚があって。

 

──初対面だけど「よう!」って感じで?

 

桃井 そうそう、「よう!」って感じ。日本人ってすごく過程や段取りを大事にしますけど、海外の方は、それよりも結果が大事って方が多いですね。たとえば土壇場でいきなり予定を変更しても、お客さんが喜んでくれるほうがいいんじゃないかっていうアイデアや行動力はある。逆に言えば行き当たりばったりなのかもしれないですが(笑)。

一番遠くに行ったのはチリですかね。あと、マドリードはすごくきれいなところでした。宮殿がたくさんあって、普通に観光するならオススメの都市ですね。だけど、オタクもちゃんといるんです(笑)。

 

──次の10年はどんな10年にしたいですか?

 

桃井 わかんないですね、まったく(笑)。だって20代のときはこんなに海外行くと思いませんでしたから。

 

──この歳になって見えてきたものってありますか?

 

桃井 結局地道にやるしかないってことかな。20代のころからずっと周りの大人に「地道にやるしかない、それが一番近道なんだよ」って言われていて、「いや。絶対になんかうまいことやってるはずだ」って思ってたけど、全然そんなことありませんでしたね。結局地道にやるしかないし、そうやっている人は地道にやっているからこそ、チャンスが訪れた時にパッと出せるものが用意できるんですよね。だから、自分も地道にがんばるしかないんだなって思ったのが30代でした。

でも地道にがんばるって、辛いことをがんばるんじゃないんですよ。とにかく自分のやりたいことだけを集中して、ほかの人に何を言われようとまったく気にしないでやる。「ほかの人に何か言われるんじゃないか」って気にしたとしても、よく考えたらそんなことを言う人なんて誰もいなんですよ。それは自分の中の声。私もそう思うことはよくあるんです。

だから「自分はこれでいくんだ」っていうことをやり続けるのが、結局一番大事なんじゃないかな。変にしかけたりしようとしないで。

 

──最後に、11月25日(土)には「アキバ総研15周年 大感謝祭」に出演していただけるということでメッセージをいただけますでしょうか。

 

桃井 ホントに光栄ですよ、2002年からずっとアキバを毎日毎日ウォッチして追いかけてこられた「アキバ総研」さんの15周年記念イベントに出させていただけるなんて。しかもアコースティックライブなんてね。アキバというと電子音?  って思われがちじゃないですか! そこですよ、そこ! もう「アキバ系はこうだ!」っていう時代じゃないんですよ!  アキバは常にアップデートされていってるから、わたしもしていきたいです。 

私の歌を聴いていただいた方に「ああ、2017年の秋葉原だな」って思ってもらえるように、がんばって歌いたいと思います。

トークショーも、時間が足りなくなりそうですね(笑)。しかも無料ですからね。とりあえず来てみて、帰りに秋葉原でお買い物して、1日過ごしていただけたら楽しいと思います。

 

──ありがとうございました!

 


 

【CD情報】

■星空ダンシング/桃井はるこ

・発売中

・価格:1,000円(税別)

・発売元:tokyo torico

・販売元:ユニバーサルミュージック

 

【収録曲】

1 星空ダンシング

2 D・I・Y ~キミ色に染めて~

3 星空ダンシング(Off vocal ver.)

4 D・I・Y ~キミ色に染めて~(Off vocal ver.)

 

【イベント情報】

■桃井はるこ「星空ダンシング」発売記念イベント In ニコニコ本社

・開催日:2017年12月13日(水)

・場所:ニコニコ本社 B2イベントスペース

・時間:19:30

・内容:ミニライブ&サイン会(B2Fイベントスペース)

※ミニライブは観覧フリーです

※詳細はレーベル公式サイトでご確認ください。

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