秋アニメ「このはな綺譚」大野柚布子、秦佐和子、久保田梨沙、加隈亜衣にインタビュー！ 狐っ娘達の日常をほんわか描く本作の魅力

それぞれが支え合う、ホワイトな職場

――収録現場の様子はいかがでしたか？　ニコニコ動画の事前特番で仲居体験もされていましたが、本作はお仕事ものであり、先輩後輩の関係性など、声優業にも共通する部分があると思います。特に大野さんは柚と同じく新人と、似た立場かと思うのですが、なにか感じるところはありましたか？

大野　そうですね、私は新人で……梨沙ちゃんも同期なんですけど、キャストの中では下の世代なので皆さんから教えてもらうことが多いです。それこそ加隈さんからも「ここはこうしたほうがいいよ」とか、「この差し入れみんなに配りなよ」とかさりげなく教えていただいています。もうとにかく一生懸命ついていこうって感じです。

秦　私は芸歴的にはちょうど先輩方と新人といえる立場の間くらいになるかなと思うんですけど、でも声優の経験って意味ではまだまだなこともあって、なんともいえない感じなんですよね。こう……新人らしくふるまうのも違うし、かといって先輩ぶるのもなんか変な感じだしっていう。微妙な立場だなーと思いながら、ふたり（大野さんと久保田さん）のがんばってる姿をそっと見守っています。で、私ができないところは先輩方がご指導してくださったりとかして、すごくいい経験させていただいていますね。

久保田　わからないことばかりなんですが、諏訪さん（ボーイッシュな仲居・棗役の諏訪彩花さん）がいつも隣にいてくださって、いろいろと教えてくださってます。ちょっとした台本のことから、歌とか、イベントとか、仲居体験とか……。ロケの経験が初めてだったので、いっぱい助けられました。佐和子さんとロケに行った時も、「カメラが見えてると、自分も見えてるよ」とか（笑）、教えていただきました。

久保田梨沙さん

――皆さん、教え教えられという感じでしょうか。加隈さんはやはりこの中では、現場で教えるほうの立場になることも多いのでは？

加隈　教えてるってわけではないんですけど、なんとなくディレクションの解釈とかを役者目線でかみ砕いてみたりとかはしました。やっぱり最初は経験がないと難しいところとかあるので。でも、本人たちはできてないとか思ってるかもしれないけど、ほんとにみんな飲み込みが早いんですよ。一生懸命な姿にむしろ、「あ、がんばんなきゃな」って思ったりすることが多いですね。

あと、現場には緒方恵美さん（宿の女将・椿役）とか大原さやかさん（柚の保護者的存在・八尾比丘尼役）とか、それこそ豪華な先輩方がいらっしゃるので、そういう方たちとお話させていただくのもすごく刺激になります。なんというか、誰もがいろんなところから何かしらを吸収してる感じがあります。ずっとしゃべってたいなって思うような現場です。

――いい職場ですね。

加隈　いい職場です。ホワイトです！（笑）

加隈亜衣さん

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

大野　この作品は1クールを通して四季が描かれていきます。その中で此花亭に来たばかりの柚が、いろんな人や、人じゃないものとも関わってどんどん成長していく様子が描かれます。柚以外のキャラクターにもそれぞれ物語があって、心にぐっとくるものがきっとあると思うので、それを見つけてほしいです。よろしくお願いします！

秦　みんなの背中を押してくれるようなメッセージが込められている作品です。みなさんがちょっと迷ったり、悩んだりした時の支えになるといいなあと思うので、ぜひこの作品を楽しんでいただければと思います！

久保田　心に残る言葉が1話ごとにたくさん詰まってます。そして音楽も絵もとても素晴らしいので、3回くらい同じ話数を見て、それぞれの要素に注目してもらいたいです（笑）。

加隈　先生をはじめ、スタッフの皆さんもこの作品に似ておだやかな方が多くて、収録自体もすごくなごやかな感じで進んでいます。この雰囲気そのまま、皆さんにお伝えしてなごんでいただければと思います。ぜひ、応援よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

（取材・文／サイトウカズアキ・遠藤智子＠ＴＲＡＰ）