「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第三章」上映記念インタビュー! テレサ役・神田沙也加「主題歌を歌ったことで、役作りに深くいかせるのでは」

2017年10月13日 18:000

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アニメ「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の第三章「純愛篇」が、2017年10月14日(土)より劇場上映される。

今回、「2202」において主人公・古代進たちを再び宇宙の大海へと誘ったミステリアスな美女神・テレサを演じるほか、第二章のエンディング主題歌を担当している神田沙也加さんがインタビューに登場!
そこで、今回は自身が演じるキャラクターや主題歌について、そして声優という職業に対する真摯な思いを大いに語っていただいた。



「他人の人生に影響を及ぼす作品にかかわる」ことへのプレッシャー


──まず、神田さんが「宇宙戦艦ヤマト2202」に参加された経緯についておうかがいします。テレサ役と第二章のエンディング主題歌を担当するのは、どちらが先に決まっていたのでしょうか?


神田 テレサ役が先に決まっていて、最初のアフレコの時に歌のオファーをいただきました。その時は、どういったタイミングで歌うのか。主題歌になるのか、キャラクターソングになるのか、ということも具体的には決まっていませんでした。その後に、第二章でエンディング主題歌を歌うことが決まったので、意外に早く歌うことになったな、と思いましたね。


──最初のアフレコの後、すぐにレコーディングが始まったんでしょうか?


神田 期間は少し空いていました。最初のアフレコではセリフが少なくて、少しだけ出てきてきっかけのセリフをしゃべって終わりだったので、今の時点ではセリフよりも歌詞のほうが多いと思います。

──テレサという役は、今の時点ではセリフはそう多くありませんが、物語後半のキーとなる最重要キャラクターです。そんな役のオファーがきた時は、どんな気持ちでしたか?


神田 すごくビックリしました。どうして私なんだろうという気もしましたし、「ヤマト」のキャラクターを演じることに決まってからのファンの方の反応が今まで以上に大きくて、層も幅広かったのも驚きましたね。実際、私の事務所の社長のテンションも上がってました(笑)。それだけ長く続いている作品ということでもありますし、「ヤマト」が好きな方って、愛がすごく深い感じがします。お話をいただいてからも、ただならぬ思い入れがある方にも結構お会いしているんですよ。誰かの人生に影響を及ぼしてしまうような作品に関わることの影響力を、初めて感じています。

──見えないプレッシャーのようなものは感じますか? 


神田 それは感じますね。皆さんの反応も「(出演できて)よかったですね」という感じではなくて、新作が制作されるということ自体がうれしいというような、「楽しみにしています」というよりも「期待しています」のような反応が多くて、その影響力はすごいなと思いました。

 

 

エンディング主題歌のおかげで「役作りを助けられた」


──テレサというキャラクターには、どんなイメージがありますか?


神田 最初は少ししか情報量がないんですが、大きく古代さんたちの進路を司っているようなイメージがありますので、その印象は最初のひと言でもそのまま残しました。シリーズ最初の特報映像にもいますし、「ヤマト」のアイコン的な存在だと思いますね。だからこそ責任感がひしひしと沸いてくるとともに、まずいぞまずいぞ、という感じにもなったりしました。登場からだいぶ時間が空いてしまったので心配になって、監督に私はこの後関わっていけますよね、と聞いたりもしました(笑)。ですが、今回エンディング主題歌として参加したことによって、歌詞やメロディなど普通のキャラソンにはない壮大さがあったので、音楽面から役作りを助けられたという感覚はあります。

──エンディング主題歌を歌ったことで「ヤマト」の世界に入っていけたということですか?


神田 だいぶサポートしてもらった感じはしています。監督も「ここからが大変ですから」とおっしゃっていたので、きっと深く生かされていく感じはします。


──テレサは、「さらば」の時はミステリアスな存在で、ヤマトのクルーを導いていく魔性的なものを持っていたと思います。大人びたイメージのキャラクターでしたが、今回演じられるにあたって神田さんが工夫されたことはありますか?


神田 視聴者の方にもヤマトのクルーにもインパクトを残さないといけないのですが、あまりセリフがないので、印象の残し方の度合いがとても難しかったですね。イメージで補填しないといけないところが多くて、前のアフレコのときは実際に現場に行って先輩たちの演技を見ながら、監督のアドバイスを数秒で体現するということに全力を尽くしていた感じなんですよ。だから次、久しぶりに出るときは、その時の気持ちを再現するというよりは、ここから新たに登場する感じでやっていったほうがいいなという気はしています。


──序盤に出てきたのはおいといて、ということで。


神田 そうですね。特に会話をしているわけではなく、あくまで投げかけているだけでしたし。それに私の地声も決して高いわけではないですし、実際、養成所のときも落ち着いた大人の女性というよりは、少年の役を当てられることが多かったんです。そういう意味では、引き算のお芝居というか、レンジを広くせず抑えた演技を最初に要求していただいたので、それが新鮮でうれしかったことを思えています。なので、次も落ち着いた声色で演じていこうとは思っています。


──ちなみにエンディングを歌われてのお気持ちなどはいかがですか?


神田 S.E.N.S. Projectさんの曲というだけでもうれしいですけど、キャラソンとして歌うほど今の時点ではテレサのキャラクターが確立されていないと思っています。なので、若干キャラソン寄りかとは思うのですが、キャラソンと私自身が感じているテレサやヤマトへのイメージの中間くらいの立場として歌ったつもりです。今まで舞台で歌ってきた方法も生かせる曲だったので、宝物と言ってもいいくらい、いい曲をいただいたと思っています。


──すごくきれいな曲ですよね。


神田 タイトルが「月の鏡」というのも、大好物な世界観なのでイメージ的にもぴったりでしたね(笑)。

 


 

「小野大輔さんと現場で再会する」という夢が実現


──現時点で、ほかの声優さんとのからみはあるのでしょうか?


神田 初回アフレコと舞台挨拶くらいですね。なので、「2202」の雰囲気ができあがっているという話を聞いているのが、楽しくもあり、さびしくもありといったところです(笑)。


──神田さんは大のアニメ好きと伺っていますが、名だたる声優陣と一緒にアフレコをしていて、どんなお気持ちですか?


神田 やっぱり緊張しますね。先輩方の演技を聞いていると、ひと言ひと言が鼓膜にビリビリくるんですよ。声優さんの何がすごいって声優さんを志していない人に説明するのは難しいんですけど、「ヤマト」の現場は今までで一番緊張感だったりとか、べテランと呼ばれる方々のすごみを肌で感じた現場ですね。


──特に印象に残っている声優さんは誰ですか?


神田 小野大輔さんですね。以前、自分が声優アワードをいただいたときに最優秀男優賞が小野大輔さんだったんです。私もアニメが好きで、声優を専門でやってきた方に受賞してほしいと思っていたので、その時は「私が受賞してしまっていいのか」と恐縮しきっていました。だからあの日は一歩どころか十歩くらい引いた気持ちでいて、声を震わせながらスピーチした記憶があるんですよ。そんな状況で、パーティーの最後の最後に小野さんが「次は現場で会おうよ」と言ってくださって、それが本当にうれしくて、涙をこらえた記憶があります。

──小野さんが憧れの存在だったんですか?


神田 お会いできたことは光栄でしたが、声優アワードの時は最優秀という位置で並ばせていただくというのが心苦しかったんですね。それ以来の再会なので、共演という夢が実現できたことがうれしかったです。

 

 

2018年の抱負は「泥臭く生きたい」


──次の第四章あたりから、いよいよテレサがフィーチャーされていくと思うのですが、見どころを教えていただけますか?


神田 「さらば」を見ていて、テレサが初めて正面を見たときに衝撃を受けたんです。だから「(テレサが)向きを変える」というト書きを見たときは、それを思い出しました。今までも正面を見て「皆さんと向き合いたいです」とは言ってきていました。テレサとして物語に登場はしていないですが、私自身ストーリーを見守って登場を待ちわびていたわけですので、その時間のシンクロ感は今後に生かしていきたいなとは思っています。


──テレサにとっては、長らく待っていたわけですからね。


神田 満を持して感がすごくありますよね。今回はリメイク版ではありますが、オリジナルとも呼べるくらいの作り手の思いなどがわかる演出も多くあります。それに応えるためにも、オリジナルになる気持ちでいます。


──最近は声優の仕事も増えてきていますが、やりがいなどはありますか?


神田 今はひとりの人間がいろいろできることが強みという時代ですが、私自身は昔からひとつのことに打ち込んでいる人に魅力を感じることが多かったんです。デビューして16年になりますが、これまでにいろいろ挑戦させていただいて、本当にやりたいと思えるジャンルに出会えることって、本当に貴重だと思うんですね。声優というのは私の中ではそういうものなんです。なので、2018年の私の抱負は、デビュー1年目のように、思いつく限りのアカデミックな部分に立ち返りたいというのがテーマなんです。泥臭く、と言ってもいいかもしれません。台本を掘り下げたり読み込んだりするのとしないとでは、現場に入った時の自信が全然違うんですよ。そういうことを続けていって、少しでもいいので声優さんの世界を自分の居場所にしたいという思いはあります。


──ありがとうございました。



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