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アニメ版の注目ポイントは「おっぱい」!
──今のお話をうかがうと、アニメ版と原作コミックのイメージの乖離がほとんどないことに合点がいきます。
アニメならでは!みたいなシーンも、もちろんあります。その代表が第3話の由真と蛍のお風呂シーンですね。蛍が後ろから由真の体、胸を洗っている(?)シーンです。原作だと蛍の胸を由真の背中に押し付けている絵ですが、アニメだともちろん動いています。あの動きが正解なのか?は、ファンの皆さんにゆだねたいと思います(笑)。
──個人的には、本作はおっぱい押し付け描写が密かな見どころだと感じています。
ここはアニメ化の際に、コダマ先生に最初に確認させていただいたポイントです。マンガを拝見した際に、「おっぱいへのこだわりが半端ない!」「やわらかさへのコダワリも半端ない!」「ここは必ずアニメとして表現したい!」と思いましたので、コダマ先生との最初の打ち合わせの場で、「先生のおっぱいへのコダワリは大事にすべきポイントとさせていただきます!!」ということを先生にお話させていただきました。ですので、本作はおっぱいに注目していただくと、先生と我々の思いというものを感じていただけるのではないでしょうか。
──そのほか、作画クオリティの高さも注目ポイントです。絵作りのうえで意識している点はありますか?
作品の色みたいなものを考えた時に、ちょっと黒が引き立つように表現できればと考えています。明るく、パステル調のシーンも多いですが。物語を彩る印象に残るカットや話数は重く見えるように影を多くしたりしています。部屋の中のシーンとかでも、電気を消して月明かりだけ……みたいなシーンを増やしています。クオリティをご注目いただけるということであれば、それはスタッフ全員の力、がんばりだと思います。色味に関しては、色彩設計、撮影監督、美術監督、みんなで検討してくれて、アイデアを出して具体化してくれています。作画チームもよいカットをたくさん上げてくれています。もちろん、各話の演出のアイデアもたくさんあります。
──本作は、声優さんの濃厚な演技も魅力ですね。ほぼメインキャラ4人の関係の中で完結するドラマが描かれますが、キャストの人選はどのように?
今回の作品は、セリフに頼るところが大だなと思いました。濃厚なストーリーですがショートアニメなので絵や間で説明できるほどの尺が取れないかもしれない。結果、説明的なセリフも増える、モノローグも多い。短いセリフで状況を説明していただくことも多くなる。そういうことを考えると、キャリアを積んだ、引き出しのある方がいいテイクが集まってくるだろう、と思っていました。
人選はオーディションでしたが、皆様にはベストなチョイスしていただけたと思っています。
キャスティングに関しては、いろんなアプローチがあると思います。自分はオーディションの際に、キャスティングに関してあまり主張しないようにしています。オーディションの前には、「この作品は、このような技術的要件を満たしている人のほうがいいと思います」と、説明はさせていただきます。あと、オーディションに際しては自分なりの感想を細かく書き込んだ表を作ります。その後は、皆さんでご判断いただければというスタンスです。
テープオーディションで決まりきらない場合は、二次オーディションをスタジオで行います。その際は、僕がテープを録るんですが、この方がこの役をやったらこれがベストテイクですよね、っていうところまでけっこう時間をかけて、何テイクも重ねて録るようにしてるんです。収録前には「ここはこういう意味なのでこういう演技をしてください」など、絵がない状況ですが細かくシチュエーションなどをお話してから実際に演技をしてもらいます。
あと、注意しているのは、オーディションの段階では誰も確立したキャラクターの声、お芝居がないということです。ですので、僕は原作サイドの方にも100%合致するイメージの声、お芝居を探すというよりは、方向性、場面を説明は致しますが「この人がやると、こういう演技が出てきますよ」「こういう解釈もいかがですか」「このようなキャラクター性はいかがですか?」と役者の方と一緒に提案させていただいている気持ちでやっています。時には「イメージしていた声、お芝居と違いますが、逆にこっちのほうがしっくりくる」という意見をいただいたりすることもあったりしますので、これからもできる限り、このやり方でオーディションができれば思っています。
──アフレコ現場ではどんな感じでディレクションされているのでしょうか?
今作に関しては、原作、映像、台本を見ていただければ、役者の皆さんから、いいプランは持ち込んでいただけると思っていましたし、結果、その通りでした。ですのでディレクションは必要なかったです(笑)。
今回の僕の仕事は、アフレコ素材によって、役者さんが判断がつかないシーンで、演出面での説明と、アフレコ初回時に原作サイドからの思いを役者さんに伝えて、役者さんからの提案を原作サイドに伝える。そこに、多少僕の解釈を載せるぐらいです。
今回、このようにディスカッション重ねて収録させていただいたので、先生をはじめ、収録に立ち会っていただいた皆様から「すごく、よかった!」と言っていただけるものになったかと思います。
演じているのは役者の皆さんなので、やりきっていただいてありがとうございます! という、気持ちで一杯です。僭越ながらあらゆるところで褒めちぎっていきたいと思っています。(笑)
──本当に細かく、周囲に気を配っていることがうかがえます……。ひらさわ総監督のその気遣いもあって、スタッフやキャストの皆さんも仕事しやすいのではないでしょうか。
僕の力なんて何もないです。もう、みなさんのじゃまをしないことが僕の仕事です(笑)。