【インタビュー】佐々木恵梨の世界が詰まった12曲。デビューから2年、1stアルバム「Period」がついに完成！

終わりがあり、次に続いていくという思いを、「Period」というタイトルにこめました

── ラスト3曲はアルバムのクライマックスです。まずは「Last Diary」。3曲目の「Recalling」と合わせて、2ndシングルのタイトル曲ですね。

佐々木　「プラメモ」のゲームのオープニングテーマです。楽曲制作は「Ring of Fortune」と同じチームで、作詞が林直孝さん、作曲・編曲が千葉"naotyu-"直樹さんです。ゲームはアニメの続編ということで、歌詞もその通りになっています。この曲は歌うのが難しかったですね。テンポが速いし、キーは高くて。林さんの書かれる歌詞は、作詞家ならやらないなという言葉の使い方をされている部分があって、そこも難しいんですが、いっぽうでとても新鮮で魅力的なんです。

── 「Prayer」は、アルバムの中で一番しっとりとした曲です。

佐々木　Kazuko Maruoさんが作曲してくださった曲で、バラードがほしくて、この曲を選ばせていただきました。とてもやさしくて、寝る前に聴きたい曲という感じがよかったんです。歌詞も、メロディのイメージ通り、やさしく包みこむ内容になりました。

── 疲れた体や心を癒やすために、眠りましょうという歌詞ですね。

佐々木　はい、ゆっくり寝てねと（笑）。本当にそのままの歌詞です。

── アコースティックで静かな「Prayer」があるからこそ、ラストの「Period」がより壮大に響きます。

佐々木　そうですね。10曲目の「Last Diary」で再びアニメ、ゲームの主題歌に戻って、アルバムに一区切りがついて、「prayer」で一旦お休みして、ラストはバーンと壮大に、という流れです。

── 「Period」は、ポエトリーリーディングから始まるのも、大きな特徴です。

佐々木　ポエトリーリーディングを曲に取り入れようというアイデアが、最初からありました。この曲も中村ヒロさんとの共作で、彼が作ったトラックに私がメロディを乗せて、それに合わせて歌詞を書いていきました。私の中学・高校時代は、勉強ばかりで、生きるのがしんどくなるような毎日で、その頃の自分に贈る思いを歌詞にしていきました。

── そんな日々もあったけど、今は自由に音を奏でている、というような。まさに佐々木さんの歩みを描いた曲で、フィナーレにふさわしいですね。

佐々木　「Period」というタイトルに、一旦終わって、次に続いていく、終わりだけど始まりだよ、という前向きな思いをこめました。それは、「Ring of Fortune」や「Last Diary」のようなアニメ、ゲームのタイアップ曲に描かれている、輪廻転生的なテーマとも繋がっていて、アルバム全体を表す、大きな言葉なんじゃないかなと思いました。アルバムタイトルであり、ラストを締めくくる曲のタイトルとして、とてもいい言葉になったんじゃないかなと。それから、この曲の歌詞には、もう1つ仕掛けがあるんです。

── それはなんでしょう？

佐々木　それまでの11曲に出てくるフレーズを少しアレンジして入れてみました。たとえば、「この世界には色もなく感じられて」という部分は、「Last Diary」の「目覚めた部屋は 色もなくて」に繋がっていたり。ここは、どの曲からの引用なのかな？ と答え探しをしながら聴いていただくのも、面白いと思います。

── 完成したアルバムを聴き通して、どんなことを感じましたか？

佐々木　タイアップ曲半分、自分自身の世界半分で、バランスのいいアルバムになったと思いますし、好きなことをやれたという充実感があります。アニメやゲームで私の歌を知ってくださった方にも、ポップス全般が好きな方にも聴いてほしい作品です。

── さらに、初回限定盤のDVDには、アコースティックライブの模様が収録されているんですよね。

佐々木　ライブハウスを借りて、お客さんを入れずにカメラを置いて、ギター、ピアノ、ドラムと私で、7曲演奏しました。ギターとピアノは曲によって入れ替えになっているので、ステージ上には3人という小さな編成です。私もピアノの弾き語りをしたり、バイオリンを弾いているので、ぜひ見てください。

── 最後に、今後、やりたいことを教えてください。

佐々木　やはりライブですね。手作り感のあるライブをやりたいです。以前、シングルのリリースイベントで、オープンカウンセリングというのをやったんですよ。その場で、私がみなさんから悩み相談を受けて、それに答えていくというのを。それが面白かったので、ライブにも取り入れてみたいです。

── 心理学専攻の佐々木さんならではのライブですね。今日はありがとうございました。

佐々木恵梨プロフィール

1989年生まれ。福岡県出身。
幼少時よりクラシックバイオリンとピアノを学び、京都大学総合人間学部にて心理学・美学を専攻するかたわら、軽音楽サークルでのバンド結成をきっかけに本格的な音楽活動をスタート。大学卒業後は作詞・作曲家としての活動を軸に、ボーカリストとして歌唱・コーラスも数多くこなす。
透明感と憂いのある歌声が評価され、TVアニメ「プラスティック・メモリーズ」OPテーマの歌手として抜擢。同曲で、アーティストとしてCDデビューを果たす。現在までに2枚のシングルをリリース。数々のアニメ・ゲーム作品や、女性向けゲームコンテンツ制作会社「Rejet」作品への参加などで、幅広く活動中。


■1stアルバム「Period」

〈収録曲〉
01. Ring of Fortune (TVアニメ「プラスティック・メモリーズ」OP)
02. Be clear （PS Vita「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」ED）
03. Recalling （PS4/PS Vita「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」OP）
04. GATE OF STEINER(acoustic ver.) (PS4/PS vita「STEINS;GATE 0」ED）
05. シャンプー
06. Pausing
07. オトニナル
08. Star seed
09. Hazel eyes
10. Last Diary（PS Vita「プラスティック・メモリーズ」OP）
11. Prayer
12. Period

〈初回限定盤DVD収録内容〉
Acoustic Live Music Video
・Be clear
・Last Diary
・GATE OF STEINER(acoustic ver.)
・Star seed
・Pausing
・オトニナル
・Ring of Fortune

（取材・文／鈴木隆詩）