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「カンタンカタン」は、まだ昼間なのに眠ってしまいたくなる曲です
── カップリングの2曲は、秋を感じさせる曲になっていました。まずは2曲目の「カンタンカタン」。不思議なタイトルの曲ですね。 Wakana メロディには寂しさがありました。歌い出しからして、何か思い出しながら、ほおづえをついて揺れているようなイメージがあって。ですから逆に、歌を明るく響かせたいなと思って、終始笑顔で歌いました。楽譜には自分で「明るく」と書き込んであります。
── 寂しさはありますが、この曲は陰鬱ではないですよね。 Wakana 懐かしさに通じる、切なさ寂しさですね。歌詞も決して暗いものではなく、希望を感じさせるものでした。言葉遊びのようなタイトルになっていて、響きがいいんですよね。カタカナっていいなと思いました。
Keiko 初めて聴いた時から、このテンポ感は癒やされるなあと。気持ちを落ち着かせてくれるグルーヴを持った曲だと思いました。レコーディングの時に梶浦さんがお話してくださったのは、「汽車に乗ってどこかに連れて行ってもらう中で、ただ空っぽになっている、それだけの曲なんだよね」ということで、歌詞も言葉遊びの要素が入っているんです。でも、その分、言葉はしっかり伝わるように滑舌には気をつけて歌いました。歌詞にもグルーヴにも遊びがある分、実は曲の雰囲気を掴んで歌う難易度は高いんです。
── 先ほどWakanaさんが言ったように、寂しいけれど明るい印象をどうやって表現するか、ということも大切ですよね? Keiko そうですね。特に私が歌った「重たく抱え込む キボウという荷物を」という歌詞から始まるパートは、ふわふわとした曲がふと重たくなる部分で、そこをどう歌うかというのは、梶浦さんと一緒に掘り下げていきました。私にとっては、今のボーカルの表現力を試されているようなところがあって、印象的な曲になりました。
── Keikoさんは、歌詞に描かれた主人公をどう感じましたか? Keiko こういう時もあるよねと、自分の現状を潔く把握しながら生きていける人だと思いました。そういう人の心情に寄り添って歌うにはどうしたらいいのかな、どんなふうに歌えば、聴いてくださる方々に心地よく響くのかなと考えながら歌うのは、難しかったですね。歌っていると、汽車に乗りながら主人公が綴った日記を読んでいるような気持ちにもなりますし、書くことに飽きて景色を眺めている情景が目の前に広がっているような感覚もあって、いろいろな要素が入っているんです。とても歌い甲斐のある曲でした。
Hikaru 個人的に、この曲のカタカナのイメージは、絵画の入っていない額縁のようなもので、言葉として形はなしているんですけど、意味があるのかないのか空をつかむようなもののように感じました。歌の主人公にとっては、とりとめのないことを考えてぼんやりしている時間に、ふと出た言葉が歌詞として連なっているのかなと思って、ヴォーカルにもそんなニュアンスを出したいなと思いました。気だるさを感じたので、自分がメインになるブロックではリズムの後ろから出てくるようなヴォーカルになって。梶浦さんが、それでOKを出してくださったので、その歌い方でよかったんだなと思い、安心しました。もちろん、リズムを大事にしてしっかり歌わなくてはいけない部分もあったんですけど。
Keiko Hikaruが言ったリズムをつかんで歌う部分というのは、Bメロからサビにかけての部分ですね。そこは3人ともしっかりリズムを取って、他の部分はゆったりタイムというか、それぞれの時間感覚で歌っていると思います。1曲の中でリズムのつかみ方のギャップがあるというのも、この曲の面白さですね。だからこそ難易度が高いんです。全員が自由に遊んでいる部分と、きっちり歌っている部分があるので。これからライブに向けて、3人で作り上げていくことになると思います。
Wakana 早くライブで歌いたいです、この曲を。
── 曲の雰囲気からして、夕暮れ時を歌っているように感じるんですけど、歌詞を読むと、もっと早い昼間の時間なんですよね。 Keiko メロディラインは懐かしさや夕暮れ時をイメージするんですけど、コードがもっと明るいんですよね。
Wakana まだ日は高くて空は青いんだけど、「今日もいい日だった」って眠りにつきたくなってしまうような、そんな曲なんです。