安野希世乃がソロデビュー。ミニアルバム「涙。」は、彼女の歌声の魅力が詰まった1枚

2017年07月25日 12:000

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「ちいさなひとつぶ」は、レコーディング中に、ふいに涙が流れました


── それぞれの曲について、お伺いします。1曲目の「I remember」は、ミディアムテンポのとても爽やかな曲ですね。

安野 今回のミニアルバムで最初にレコーディングしました。つまり、安野希世乃がソロとして歌った一番初めの曲ということになります。ピアノの明るい旋律で始まる、心に爽やかな風を吹かせてくれるサウンドで、歌詞は別れがテーマになっていますが、悲しい気持ちを洗い流して前に進もうというメッセージがこめられています。涙を肯定して、前向きになってほしいというアルバム全体のメッセージを、名刺代わりに表現してくれた曲だと思います。私も等身大の自分で歌うことができたので、1曲目にふさわしいんじゃないかなと思いました。

── 2曲目「さよならソレイユ」は、先ほどもおっしゃっていた通り、「AXIA~ダイスキでダイキライ~」の作家陣による曲です。

安野 過去を振り返る曲という意味では、「I remember」と同じなんですけど、こちらは切なさアップ、情熱もアップしています。

── 安野さんの「泣きの歌声」が、いかんなく発揮されているなと。

安野 歌詞も熱いんです。「友達に話せない 密かな二人の時」「太陽がまぶしくて 不意に砕け散った」ですからね。ひと夏の恋に破れて、それがまだ生々しい傷として、この曲の主人公には残っているんだろうなと想像しました。「I remember」ほど大人になりきれていない主人公という印象だったので、ボーカルも若い印象になっているんですよ。約6分に及ぶ長い曲で、主人公の女性にとっては、それだけ身を焦がす恋だったんだろうなと思いました。

── 3曲目「ちいさなひとつぶ」は、TVアニメ「異世界食堂」のエンディングテーマでもあります。こちらは、ぐっと穏やかな曲ですね。

安野 大きな世界観を持った曲です。恋愛を歌った「I remember」と「さよならソレイユ」は、私がこれから大人になっていく中で、ボーカルも表情を変えていくと思うんですけど、「ちいさなひとつぶ」はずっと変わらない、普遍的な歌になるような気がします。

── この曲にも、「涙」が出てきますが、1、2曲目とは意味がまったく異なる涙です。

安野 小さな幸せがうれしくて、生きていることがうれしくて、ついこぼれてしまう涙ですね。「ちいさなひとつぶ」は、家族や友達や、毎日何気なく顔を合わせている人たちとの日々が本当に幸せで、それを噛みしめているという歌なんです。365日が尊いということで、「愛」ですね、ひと言で言うと(笑)。実はレコーディング中に、唯一、涙がこぼれてしまったのが、この曲なんです。「にぎやかな食事 好きな人たちの笑顔」というところで、幸せってこういうことなんだなと思って。

── 「ちいさなひとつぶ」はMusic Videoにもなっていますが、そこでも涙を落とすシーンがありました。

安野 MVでは、逆に涙を流すお芝居を求められて、大変でした(笑)。メイクさんが万が一のための涙用の目薬を用意してくださったんですけど、気持ちを集中させて、どうにか自前の涙を流すことができました。ストーリーのあるお芝居の中で泣くのは、比較的簡単なんです。セリフでも悲しみを表現できるし、共演者の方とのかけ合いもあるので、気持ちが高まるじゃないですか。でも、このMVで泣くシーンは、たった1人で窓の外を見ていて、涙がこぼれてくるという静かなシーンで。カメラが私の顔のすぐそばまで寄っていたり、花を散らす演出のために、顔に花びらが当たったりする中で、なんとかがんばって涙を流しました。

── MVもじっくり味わいたいです。そして4曲目は、堂島孝平さん作詞・作曲・編曲の「悲劇なんて大キライ」。

安野 今回の異色作と言ってもいい、歌謡ロックです(笑)。アップテンポで激しくて、そして3分台で歌い終わるという潔さもあって、大好きな曲です。つらい出来事を歌っているのですが、「悲劇なんて大キライ」と思いっきり気持ちをぶつけられるので、レコーディングは楽しくて。でも、曲が短い分、一瞬のきらめきを大事にしようと思って、何度も何度もテイクを重ねました。こだわりにこだわって、結局レコーディングには8時間半もかかってしまいました。

── 「涙目爆発音」にも通じるロックテイストの曲で、この曲がアルバムの真ん中に置かれているのが面白いです。

安野 ここでガラッと雰囲気が変わって、いいアクセントになったと思います。堂島さんは、こういう歌謡ロックテイストの曲は、普段、ご自分の曲としては作らないんだそうです。自分らしくない曲になったのが逆に面白かったし、すごくいい曲ができたというようなことを、以前おっしゃっていました。

── 5曲目は「涙。」。アルバムタイトル曲ですね。

安野 「ちいさなひとつぶ」と同じように、普遍的なことを歌った曲です。この曲が言いたいことは、涙のひと粒で世界は生まれてできているんだね、ということです。最初の一滴が川になって海になって雲になって雨になって、というふうに巡り巡って世界はできているということと、人が生まれて最初に流す涙がやがて、人生を形作っていくということをリンクさせた、大きなテーマで、ひと言で表すと「ハッピーバースデイ」の曲ですね(笑)。

── 誕生して、巡っていくという。

安野 はい。メロディもサウンドも、どこか懐かしさを感じさせる、とてもやさしいものになりました。

── 次は、ミニアルバムの本編としては最後の曲となる「ねぇ、話をしよう」。これは北川勝利さんの作曲で、安野さんが自ら作詞されています。

安野 まず、曲のコンセプトを「子守唄」にしようと考えました。そこで私が思い描いたのは、部屋にいて、すごく近い距離で心を開いて話をしているという、パーソナルなシチュエーションでした。そのイメージで歌詞のたたき台を書いて、それをベースに北川さんに曲を作っていただきました。「晴れの日も雨の日も笑顔の日も涙の日も、話をしよう。二人だったら大丈夫だよ」という幸せな気持ちを感じていただける曲になったと思います。

── 北川さんの作られたメロディも、とても静かで、落ち着いたものでした。

安野 北川さんは候補曲を3曲も作ってくださって、どれも素敵だったんですけど、子守唄というコンセプトに一番合うものを選ばせていただきました。アレンジもゆったりとした心地よい仕上がりで、最後にオルゴールのネジを巻いて蓋を閉じる音が入っているのも、すごくいいなと思いました。

── アルバム本編の最後を飾るのに、ふさわしい曲だと思いました。

安野 自分が歌詞を書いたということもあって、大好きな曲になりました。私は、「みんなのうた」のような、誰が聴いてもわかるし、幅広く人の心に伝わる曲を歌う人になりたかったんです。その思いが、この曲でかなったように思います。みなさんの人生にそっと寄り添う曲になっていたら、うれしいです。

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