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歌とビジュアルで楽曲の世界を描く中盤
アッパーチューンで序盤を駆け抜けた鈴木さんだが、その伸びやかな歌声が映えるミディアムナンバーもまた、彼女の魅力である。中盤に差しかかったところで、そんな彼女の持ち味を存分に堪能できる「White clover」が披露される。
この曲は、鈴木さん自身が関西から東京に上京してきた冬が舞台であり、たくさんの人が支えてくれるおかげでステージに立てているという初心を忘れないようにしたい、という想いの込められたロックバラードだ。
ここでは歌う鈴木さんの頭上から、粉雪が舞う演出がステージを彩った。これは彼女がやりたかった演出だそうで、まるで映画のワンシーンのような美しさであった。
続く「フラジャイルな君」は、10代のラストライブの最後に歌った曲であり、悲しいことがあり泣いていた友達に何もできなかったもどかしさと、笑ってほしいという願いを込めた自身のパーソナルな部分を掘り下げた1曲。ステージ上の階段に腰を降ろし、しっとりと歌い上げる彼女の姿に誰もが目を奪われた。
青い衣装にチェンジしてステージに再登場した鈴木さんが次に歌ったのは、彼女としては珍しいEDM風の楽曲「miss blue」。幻想的なエレクトロサウンドに乗せて、ダンサーと華麗なステップを踏む鈴木さん。楽しいことだけでなく悲しいこともあった過去に思いをはせる歌詞が、哀愁漂うメロディとともに紡がれる。その鈴木さんの姿に、フロアの観客も青のサイリウムを振って一緒にビートに乗る。この光景に、「(サイリウムも)衣装と一緒の色だから、まるでみんなもセットのひとつのよう。一緒にステージを作ってるな、と感激しています」とコメントした。
しっとりとした楽曲を歌いつつ、その世界観をビジュアルで表現するという、鈴木さんのチャレンジ精神が体現された3曲であった。