トリを飾るは、もちろん我らがミルキィホームズ!
Aqoursライブ後の暗転の中、気づけばステージの上には三森すずこさん、徳井青空さん、佐々木未来さん、橘田いずみさん4人のシルエットが……。そう、ここからは第2部「ライブミルキィホームズ 横濱行進曲」の幕開けだ。
「横濱行進曲」「正解はひとつ!じゃない!!」「プロローグは明日色」「ミルキィ A GO GO」と畳み掛ける構成で、そのアクトからはミルキィホームズの安定感というべきか、観客と彼女たちの信頼関係が明確に見えてくる。それは、妹分である「ミルキィホームズフェザーズ」が登場しても同様で、ファンたちはタオルを振り回したかと思えば、サイリウムで一糸乱れぬまま、彼女たちへエールを送り続ける。
ミルキィホームズのセルフプロデュースコーナーでは、メンバーの個性も光る。ボクササイズ姿で仮面をつけた男性ダンサーと対峙しながら、「偉人先人 Oh, Hero!!」を歌い上げる三森さん。ミニバイクにまたがり、ヒーロー風の出で立ちで「ハートフル探偵☆ネロ」を熱唱する徳井さん。徳井さんは観客席に降り立って、客席の中を闊歩しながら歌う場面もあった。佐々木さんはタップやバレエ風のダンスを披露し、橘田さんはドレープをくゆらせるように妖艶な雰囲気を漂わせる。また、ラメ入りの金ピカスパンコールジャケットで決めた森嶋秀太さんも登場し、「The Opereative」「Answer」の2曲を披露。青やオレンジのサイリウムで祝福を受けていた。
すでにライブ開始から3時間近くたっているはずだが、観客たちの熱量は下がるどころか、さらにヒートアップ。「恋の調査報告書」からはメンバーそれぞれがトロッコに乗り込み、観客席の周りを回っていく。トロッコが移動するに従って、近づいてきたメンバーのカラーにサイリウムが変わっていく光景は一種のライトアートのようにも見える。そして、ステージに戻ってきた彼女たちの口から、10周年ライブ、クライマックスの時が来たことを告げられる。ブシロードの大ヒットTCG「ヴァイスシュヴァルツ」とからめて、「クライマックスフェイズ!」と言ったりと、小ネタを挟むのも忘れない。「オーバードライブ」「雨上がりのミライ」の2曲を歌いきり、彼女たちはステージを去った。
しかし、当然観客席からは割れんばかりのアンコールが巻き起こる。Tシャツ姿でミルキィホームズの4人が颯爽と再登場すると、“ブシロードといえばこの曲”「熱風海陸ブシロード」が流れ始める。曲の最中、ステージには株式会社ブシロード代表取締役社長の木谷高明さん扮するキッダーニ男爵が登壇。
「ブシロード10周年、本当にありがとうございました!」と頭を下げると、すぐに舞台から去っていく。そのあっさりとした登場は、今日の主役はあくまでもミルキィホームズたち、演者たちだと言っているかのようだった。
約4時間近いライブの締めくくりとして、最後にはPoppin’Partyも登場。「完全燃焼しますよ〜!」(徳井)、「それでは最後の曲、聞いてください。『正解はひとつ!じゃない!!』」(三森)という呼びかけの後、コラボ演奏が始まった。この曲がどれだけ盛り上がったかは、もはや言うまでもないだろう。
第2部「ライブミルキィホームズ 横濱行進曲」を通して強く感じたのは、ミルキィホームズとファンたちが10年間を通して育んできた絆の強さだった。ブシロードと共に歩いてきたミルキィホームズの10年間は、同時にファンたちと共に過ごしてきた時間でもある。この日、横浜アリーナに集ったファンたちはミルキィホームズを信頼し、ミルキィホームズの4人もファンたちを信頼していることは、彼女たちのステージを見れば一目瞭然だった。第1部「ブシロード10周年記念ライブ」に出演したアーティストたちも、ミルキィホームズのようにファンに受け入れられ、共に歩んでいくはずだろう。それは、最後にミルキィホームズとコラボしたPoppin’Partyの姿を見ればわかる。
「正解はひとつ!じゃない!!」の最後、せーのに合わせてみんなでジャンプをした後は、ステージの上に立つ彼女たちだけでなく、会場に集ったファン全員が晴れやかな笑顔をたたえていた。こうして、「ミルキィホームズ&ブシロード10周年&スクフェス4周年記念ライブ in横浜アリーナ」は幕を閉じたのだった。
(取材・文/須賀原みち)