※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。
トークでは、どうしても身内感が出てしまうんです(笑)
── 7曲目の「ナナイロ⇔モノクロ」では、竹達さんの分身である“なないろちゃん”がステージに登場しましたね。2人が入れ替わる演出があったり、一緒にダンスしたりして、ライブのアクセントになっていました。
竹達 「ナナイロ⇔モノクロ」は、ダンスが難しくて、今回の課題でした。しかも、なないろちゃんに出演してもらって、一緒にダンスをするって決まったのが、ライブの2週間前だったんです。そこから新しい振り付けを覚えなきゃいけなくて、半泣きになりながらリハーサルに通ったのを覚えています(笑)。
── 2人で息を合わせて踊るのは、1人の時の数倍大変ですよね。 竹達 そうなんです。シンクロしている設定の2人だから、ちょっとでもダンスがずれると、変な感じになっちゃうし。なないろちゃんと私が入れ替わって登場するタイミングも難しくて、何度も何度も練習しました。私、がんばりました(笑)。
── さらに、ライブの大きな特徴として、映像の使い方がありました。女の子が不思議の世界に入りこんで、いろいろな体験をするというストーリーが曲間のイラスト風アニメで語られたり、竹達さんが謎の天の声に話しかけられたり、ライブ全体の世界観を表現するのに、映像が大きな役割を果たしていましたね。 竹達 映像は作りこんだものになりましたが、逆に天の声と私のやり取りは、あまりお芝居っぽくならないようにしたくないなと思って。竹達彩奈が不思議な世界に入りこんで、天の声に話しかけられたら、「なんだ、この声?」ってなると思うんです。私が私らしくいられるように、天の声との会話に乗っているような乗ってないような、微妙なリアクションを大事に作っていただきました。
── ライブ全体の世界観がありつつも、曲間のMCでは、プライベートなことをしゃべったりもしていましたよね。ライブが1月だったので、家で食べたお雑煮の話とか。 竹達 しましたねー、お母さんのお雑煮にめっちゃ大根が入ってて、モチが見えなかったっていう話。ライブ会場には両親も見に来ていたので、「余計なこと、言わないでよ」って叱られました(笑)。「はーい」って返事して、でも次のライブでもまたネタにしちゃうと思うんですけど。
── そんな家族の暴露話が、パッケージになってしまうという(笑)。 竹達 そう、形に残ってしまうんです。また、怒られそうです(笑)。
── MCで話すことは、事前に決めているんですか? 竹達 よく尋ねられるんですけど、いつも行き当たりばったりです。スタッフさんがトークのネタを事前に調べてまとめておいてくれるんですけど、それを使ったことは、申し訳ないことにほとんどなくて(笑)。その場で思いついたことを、ひらすらしゃべってますね。「あ、そう言えばね、今、こういうゲームにハマってるんだけど」とか、急に話題を思いついて、「ヤバイバヤイ、次の曲にいくのを忘れてた」って(笑)。
── まさにライブという感じですね。 竹達 トークになると、家族のこととかバンドメンバーのこととか、どうしても身内感が溢れてしまって。でも、お客さんはみんなやさしいので、ニコニコして聞いてくださるんです。本当にありがたい気持ちでいっぱいです。
── お客さんとの会話のやり取りも、いろいろありました。 竹達 主にお水ですね。私が飲もうとすると、「お水、おいしい?」って聞いてくれる人がいつもいらっしゃって。私はそれを「お水芸」と呼んでいます。最近はお水とスロートコートというお茶を用意しているんですけど、それもみんな覚えてくれて、「スロートコート、おいしい?」って聞いてくれるようになったんです。それもうれしいなって思いました。
── ライブがパッケージになると、竹達さん自身も、何年か経って見て、あの時、こんなことをしゃべっていたんだ、って思えるのではないでしょうか? 竹達 それは以前から思っていることですね。どのライブやイベントも、あとで映像を見ると、「私、何言ってるんだろう?」って、恥ずかしくなることが多いです。
── いえいえ、自由奔放なトークは、実に竹達さんらしいなと。 竹達 そうですね。私、確かに自由ですよね(笑)。
── 歌も衣裳も映像もMCも、いろいろな見どころがあるライブになったと思います。それにお客さんの盛り上がりもすごくて、準備は大変ですが、その分、成功の喜びも大きいのではないでしょうか? 竹達 ライブを作るのは大変だなって、毎回肌で感じています。今回は特に、ニューアルバムの曲は全部歌いたいし、夜から昼になっていく曲順を意識したので、結果的に曲数がすごく増えちゃって。途中でスタッフさんが、「少し減らしても大丈夫ですよ」って言ってくれたんです。でも、「1曲でも減らしてしまったら、ライブの世界観が崩れてしまうから、減らしたくありません」って、自分から志願して。そんな時、「ああ、言っちゃったなあ」って後ろ向きになることもあるんですけど、やっぱり、やるならいいものにしたいし、自分が納得のいくものを作りたいから、絶対に1曲も減らさないで、歌いきる、という気持ちになりました。いつも若干の後悔をした後に、前向きになれるというのが私のいいところなのかなと思っているので、それを糧に今後もライブを続けていきたいと思います。